からころ×e健康ショップ 連載企画!
2024年9月20日
健康レッスン1・2・3!
【第25回】ステロイド外用剤の基礎知識
湿疹やかぶれ、虫さされによるかゆみなどの皮膚トラブルは、市販のステロイド外用剤を上手に使うことで早めに治すことができます。
大切なのは使い方です。正しい使い方をマスターしましょう。
ステロイド外用剤がかゆみに有効なワケ
「ステロイド」とは、副腎でつくられる副腎皮質ホルモンのことです。薬として使われているのは、人工的に合成されたステロイドです。
炎症や過剰な免疫反応、アレルギー症状を抑える作用があります。とくに、かゆみや赤みを伴う炎症に対して抗炎症作用と免疫抑制作用が力を発揮します。
ステロイド外用剤(塗り薬)は薬局・薬店で買うことができます。ステロイドと聞くと副作用をおそれる人もいますが、用法と用量を守って使えば怖い薬ではありません。正しく使うことでより早く効果的に治療できます。
かゆみ、赤み、皮膚炎幅広い症状に使える
ステロイド外用剤が使える症状は、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましんの8つ。かゆみや赤みを伴う皮膚トラブルに幅広く使えます。
ステロイドは効き目が強いからなるべく使わないほうがいいのでは?と思われるかもしれません。しかし重要なのはかゆみを早く止めること。なぜなら、かゆみが長引くことで症状を悪化させるおそれがあるからです。かゆくてついかきむしってしまうと皮膚に傷がつき、そこからバイ菌が侵入し、さらに炎症が広がるという悪循環を招きかねません。前述の8つの症状が出たときは、ステロイド外用剤はすぐに使っていい薬です。
蚊に刺されただけというようなときは抗ヒスタミン成分の外用剤で十分でしょう。しかし赤み、腫れ、ぶり返しのかゆみがある場合はステロイド外用剤のほうが適しています。
使用期間は6日が目安 自分に合った強度で
医療用まで含めるとステロイド外用剤には5段階の強さがあります。そのうちウィークからストロングまでのものが市販薬として発売されています。
大人にはストロングが適しています。ウィークやマイルドでは効果が弱く、結果的にかゆみを長引かせてしまうかもしれません。
一方、子どもや高齢者、皮膚の弱い人、敏感肌の人にはウィークかマイルドをおすすめします。
ステロイド外用剤の強さ
使用期間は6日が目安です。6日間使っても治らなければ、いったん使用を中止し皮膚科を受診してください。快方に向かっている場合、ウィークやマイルドではプラス6日様子を見てもよいですが、連続使用は12日まで。それ以上の使用はNGです。
症状が治まれば、2日目でも3日目でも使用をやめてかまいません。
タイプは付け心地と患部の状態で選ぼう
ステロイド外用剤には軟膏、クリーム、ローションの3タイプがあります。
軟膏はもっとも刺激が少なく、肌の弱い人やジュクジュクした患部にも使えます。ベタッとするので患部の保護にもなり、保湿力も高いのが特徴です。
クリームとローションはサラッとしていて塗りやすく、早く吸収されるのが特徴です。ただし軟膏に比べて刺激性があるため、ジュクジュクした患部には向きません。頭皮など毛がある部分に適しているのはローションです。
いずれも効果効能に差はありません。毎日しっかり塗ることが肝心なので、患部の状態や付け心地などから好みに合ったタイプを選んでください。
ステロイド外用剤のタイプ別特徴
およそ手の平2枚分の面積に塗る場合、軟膏とクリームは人差し指の第一関節分、ローションは一円玉大が塗る量の目安となります。
患部に薬剤をのせたらやさしく塗り広げます。薬剤をすり込みすぎないよう注意しましょう。湿疹や虫さされなどの場合、患部にはブツブツした凹凸があります。凸部に薬剤をそっとのせるイメージで塗りましょう。
市販のステロイド外用剤には、抗生物質が入っているものもあります。抗生物質は患部がジュクジュクと化膿している場合は有効ですが、そうでなければ必要ありません。医療界ではいま、抗生物質の使い過ぎが問題になっています。
必要でないときは、抗生物質の入っていない製品を選んでください。
用法・用量を守って使えば、ステロイド外用剤は強い味方になります。使い方や選び方がわからないときは、薬局の薬剤師または登録販売者に相談するとよいでしょう。
まとめ