ホーム  >  からころ連動企画  >  健康レッスン18_コロナ時代のハンドケア

からころ×e健康ショップ 連載企画!
2022年12月20日
健康レッスン1・2・3!

【第18回】「洗ったら保湿」の習慣を!コロナ時代のハンドケア

感染症対策で、こまめな手洗いと手指消毒が推奨される昨今ですが、皮膚の乾燥や手荒れが気になりませんか?空気が乾燥する冬は、さらに皮膚に負担がかかります。
手指を清潔に保ちつつ、潤いを維持しましょう。コロナ時代の適切なハンドケアについてご紹介します。

答えてくれた人

ユースキン製薬株式会社

企画部 コミュニケーショングループ
マネジャー
高嶋 俊継さん


●ユースキン製薬
https://www.yuskin.co.jp/
清水 金忠さん

十分な手洗いをしてもアルコール消毒は要る?

感染症対策として、石けんを使って指先から手首までムラなく洗い、その後アルコール消毒をする方も多いと思います。ここで気をつけたいのが手荒れです。コロナ禍以降、頻繁な手洗いと消毒で手荒れがひどくなったという人も少なくありません。乾燥する冬場は要注意です。
感染症の専門家によれば、石けんで十分に洗えば、その後アルコール消毒をする必要はないそうです。ただし、石けんで洗っても爪まわりに洗い残しが多いというデータがあります。その場合はアルコール消毒が有効でしょう。

皮膚に必要な成分は水分、保湿成分、油分

手荒れ予防のお話をする前に、手荒れのメカニズムをご説明しましょう。
「手荒れ」とは、皮膚の表面が傷ついている状態、つまり「傷」です。
皮膚はミルフィーユのように何層もの組織からなり、いちばん外側を「角層」が覆っています。角層は紙のように薄く、わずか0.02mmしかありません。この角層がめくれて傷ついた状態が「ひび」、ひびが角層より深いところにまで達してしまった状態が「あかぎれ」です。
ひびとあかぎれの違い

ひびやあかぎれを防ぎ、皮膚の表面をすこやかな状態に保つためには、水分、保湿成分、油分の3つが必要です。
水分は肌に潤いを与えます。その水分をしっかり捕まえておく役割をするのが保湿成分です。
そして、水分と保湿成分を外に逃さないよう、皮膚の表面をフタをするように覆う役割をしているのが油分です。
水分、保湿成分、油分の3つがバランスよく保たれることで、皮膚は潤いを維持できます。さらに潤いのある皮膚の角層は、バリアとなってバイ菌から手を守ってくれます。皮膚をすこやかな状態に保つことは感染症対策にもなるのです。

保湿成分は手を洗うたびに流れる

清潔を保つ上で手洗いが大切であることは言うまでもありません。しかしその一方で、手洗いは角層の油分や保湿成分も洗い流してしまいます。水分をキャッチする保湿成分は、水と仲良しなのです。そのため、手洗い後の潤いがなくなった手は、バリアを失った無防備な状態になっています。
手洗い後には、まずはしっかり水分を拭き取りましょう。皮膚に水分が残っていると、蒸発する気化熱で、皮膚はますます乾燥してしまいます。また体温も奪われるので、しもやけの原因にもなります。
手を拭くときは、そっとタオルを押しつけるようにして水分を拭き取ってください。ゴシゴシこすると、0.02mmしかない角層が傷んでしまいます。その後すぐ、ハンドクリームでケアしましょう。
また、最近は保湿成分を配合したアルコール消毒液も増えています。こちらを使った方が、手洗いよりも手は荒れにくいでしょう。

手荒れの症状に合ったハンドクリーム選びを

この季節、薬局・薬店にはたくさんのハンドクリームが並びます。どう選べばよいのでしょうか。
市販のハンドクリームは、「化粧品」「医薬部外品」「指定医薬部外品」「医薬品」の4つに分類されます。
「医薬部外品」には手荒れを予防する有効成分が入っています。「指定医薬部外品」「医薬品」には、治療効果のある有効成分が配合されています。これらの成分はパッケージに表示されています。おもな有効成分は下表の通りです。炎症やかゆみを鎮める成分、血行を促進する成分はしもやけにも有効です。
とくに注目してほしい成分はグリセリンです。保湿により、皮膚の柔軟性を回復させる働きがあるからです。多くのハンドクリームに含まれる成分です。
ひび、あかぎれの有効な成分

手荒れは、カサカサ(角層がめくれ始めている)→ひび(角層がめくれている)り深くまで達している)→皮膚がひび割れたりジュクジュクする……というふうに進行します。
いわゆる「カサカサ」は手荒れの初期段階なので、化粧品分類の製品でも対応できます。香りのバリエーションも楽しめます。ひびやあかぎれの段階になったら、指定医薬部外品や医薬品を選びましょう。
ハンドクリームを1週間塗っても改善しない場合、皮膚がジュクジュクしている場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。
手荒れは傷です。女性だけでなく、子どもや男性などケアの習慣がない方々にも、日々のハンドケアをおすすめします。
ハンドケアのポイント

イラスト:matsu