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からころ×e健康ショップ 連載企画!
2021年12月20日
健康レッスン1・2・3!

【第14回】おぼえておこう「3層防衛」家庭でできる感染対策の基本

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの流行など、この冬もさまざまな感染症の対策が必要ですね。
みなさんはすでにマスクや手洗いなどの対策を実行されていると思います。
より適切な感染対策へ、理解を深めていくために、今回は「感染対策の3層防衛」についてご紹介します。

答えてくれた人

大幸薬品株式会社

マーケティング本部 戦略学術グループ 薬剤師・医療環境管理士
下川道世さん


●大幸薬品
https://www.seirogan.co.jp/
下川道世さん

「3層防衛」で感染を広げない!

新型コロナウイルスはもちろん、風邪やインフルエンザウイルスなどの感染症流行時には、ウイルスや菌などの病原体を「持ち込まない」、「持ち出さない」、「拡げない」という原則に基づいて、それぞれの感染経路に適した感染対策を行なうことが大切です。
そこで、「3層防衛」という対策方法を覚えておくと、ご家庭や職場で適切な感染対策ができます。

第1層は、ウイルスや菌が体や身のまわりの物に付着しないように予防する物体防衛。第2層は、屋内の空間中にあるウイルスや菌の量を減らす空間防衛。第3層は、ウイルスや菌が体内に入ったり、体内で増殖するのを抑える体内防衛。以上3つの感染対策を「3層防衛」と呼びます(下図参照)。
2009年の新型インフルエンザ、最近では新型コロナウイルス感染症が世界中で流行しました。こうした新たな感染症の流行は、いつまた起こるかわかりません。そのため私たちは「3層防衛」の徹底をご提案しています。
疲れのサインチェックリスト

第1層「物体防衛」の基本は手洗い、マスク

新型コロナウイルスもインフルエンザ、ノロウイルス、食中毒など家庭や職場で起こる感染症も対策の基本は手洗いです。流水でよく手をぬらしたあと、石けんをつけ、手の甲から洗っていきます。 とくに洗い残しの多い、指先、指の間、親指、手首を意識して洗いましょう。
手洗いのあとにアルコール消毒をしておくと、より徹底できます。外出時には小さなアルコール消毒剤を持ち歩くと安心ですね。

飛沫感染で感染する新型コロナウイルスやインフルエンザなどでは、マスクの着用やソーシャルディスタンスも重要です。マスクは正しく装着することはもちろんですが、素材によって有効性が異なることがわか ってきました。
飛沫抑制効果は、不織布がもっとも高く、布→ウレタンの順に低くなります。通気性はこの逆で、ウレタンがもっとも高く、布→不織布の順に低くなります。
不織布マスクは息苦しいというイメージもありますが、息苦しさに配慮した不織布マスクや鼻筋やあごのラインなどにフィットするように工夫したマスクも販売されています。

第2層「空間防衛」換気の徹底を

新型コロナウイルスの感染経路として、飛沫感染、接触感染に加え、エアロゾル感染が注目されています。
エアロゾルはマイクロ飛沫とも呼ばれます。ウイルスを含んだ飛沫よりもさらに小さく、空気中を浮遊することで他者に感染します。
リ空気感染と同じようにエアロゾル感染予防には換気の徹底が必要です。窓の開かない密閉された会議室で会議を行なうときは、ドアを開けたり、飛沫抑制効果の高いマスクを着用し2メートル以上の距離をとりまし ょう。

これから冬を迎えますが、室内の換気は1時間に2回以上が推奨されています。対角線上にある2つの窓を開けるのが効率的です。 窓がない場合や夜間などは、台所の換気扇を回しておくだけでも効果があります。
このような対策がとれない場所では、空気清浄機や、ウイルス除去に効果がある二酸化塩素の除菌剤の使用をおすすめします。
疲れをためないコツ
忙しい人ほど疲れに気づかないので要注意 忙しい人や、バリバリと活発に動きまわっている人ほど、疲れに気づいていないことがあります。ふつうは、ひと晩ぐっすり眠る、または数日休めば、疲れはとれます。回復しないうちに、また心身に負荷をかけてしまうと、疲れがたまっていきます。 疲れは「休め」のサイン 心身に負荷がかかって生じるのが疲れです。生理現象であって異常ではありません。「疲れたな」と思ったら、それはあなた自身の体からの「休め」のサインだと受けとめましょう。 第一に十分な睡眠をとること 「疲れているのに眠れない」という症状もめずらしくありません。睡眠の質が低下すれば寝ても疲れが取れず、さらにまた眠れない……負のパイラルに入ってしまいます。疲れ対策はまず、十分な睡眠時間を確保することです。 「規則正しい生活」が疲れをためない生活の基本 毎日決まった起床時間、栄養バランスのよい食事、十分な睡眠時間。あたり前のことばかりですが、こうした生活習慣が疲れに強い体をつくります。 。

イラスト:matsu