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からころ×e健康ショップ 連載企画!
2019年6月20日
健康レッスン1・2・3!

【第5回】経口補水液ってなに?

暑い夏に、なにより注意したいのは脱水状態や熱中症。
予防できる?なってしまったらどうする?今回は脱水状態の予防と対策についてとりあげます。
脱水状態になったときは、水やスポーツドリンクよりも「経口補水液」が効果的です。

答えてくれた人

坂下 悠一 さん

株式会社大塚製薬工場
OS-1事業部 マーケティング部 OS-1担当
プロダクトマーケティングマネージャー


●大塚製薬工場「OS-1」 商品情報サイト
https://www.os-1.jp/
下川道世さん

熱中症につながる「脱水状態」とは?

毎年、夏になると「熱中症で緊急搬送」というニュースをよく耳にします。
熱中症とは、高温の環境下で起こる脱水状態や臓器障害のこと。脱水状態は、大量の汗で体液(水分と塩分)を失うことによって起こります。
「脱水」がときとして命にかかわるのは、体液が減ると体が正常に機能しなくなるから。次のようなさまざまな症状が生じます。
1.脳→めまい、立ちくらみ、集中力・記憶力の低下、頭痛、意識消失、けいれん
2.消化器→食欲低下、悪心(おしん)、嘔吐、下痢、便秘
3.筋肉→筋肉痛、しびれ、まひ、こむら返り

『かくれ脱水』のサインを見逃さないで

では、どれほどの体液が失われると、脱水状態になるのでしょうか。
一般的には、体重の2%の体液が失われると「軽度」の脱水状態。3~9%失われると「中等度」10%以上失われると「重度」。命にかかわるおそれがでてきます。

とはいえ、1.2.3の状態になるまでは、なかなか自覚できないものです。いわゆる『かくれ脱水』の場合も多く、熱中症を増やす大きな原因になっています。とくに注意が必要なのは、高齢者と子どもです。
高齢者には「エアコンをかけたがらない」「夜中のトイレがイヤで、水分を摂らない」という方々も多い。周囲の方々の目配りが大切です。
以下に、脱水状態のチェックポイントをまとめておきます。
●食事量が減っている
●37度以上の発熱が24時間以上続いている
●いつもより汗が多い
●尿の回数が少なく、量も少ない
●便秘気味
●いつもより意識がハッキリしない

脱水状態
子どもと高齢者の脱水状態

規則正しい生活とこまめな水分補給で、脱水状態を予防する

脱水予防の基本は、規則正しい食生活です。
水分は、水やお茶などの飲料水からだけ摂っているのではありません。食べ物に含まれる水分、さらには食べ物が体内で代謝されることで生まれる水分もあります(代謝水)。
たとえば体重50キロの人が1日に2500mLの水分を摂ろうとすると、1200mLは飲料水から、1000mLは食べ物から。残りの300mLは代謝水です。水分の多い野菜やくだものを食べることは脱水予防に適しているわけです。

もちろん、こまめに水分補給することも大切です。
「1日8回を目安に、ノドが渇く前に飲む」これがコツです。でも、お酒はNG。利尿作用があるので、飲みすぎると尿の量が増えて、脱水予防どころか逆効果です。
また睡眠不足や過労などによる体調不良も脱水の原因になります。

「経口補水液」は脱水状態に適している

脱水状態になってしまったら、速やかに水分と塩分を補給する必要があります。このとき効果的なのが「経口補水液」です。
ふつうの水ではだめ?残念ながらNGです。
脱水時に水だけをたくさん飲むのは逆効果。体液中の塩分がさらに薄まってしまうからです。
その点、経口補水液は、塩分(ナトリウムやカリウムなどの電解質)と水分が速やかに吸収されるようバランスよく配合されています。糖分が含まれているのは、塩分をより速やかに体に吸収させるためです。
スポーツドリンクにも電解質が含まれていますが、濃度が低いので脱水時には向きません。とくにはげしい下痢や嘔吐による脱水には不十分です。

経口補水液は市販されています。電解質の濃度は商品によってちがいますが、医療用にも使われる「病者用食品」のマーク付き商品なら濃度は十分です。
気をつけていただきたいのは、経口補水液をふだんから飲んでも脱水予防にはならないことです。塩分が多いので、ふだん飲みすると塩分のとりすぎになってしまう。ふだんは水やお茶を飲みましょう。

これから暑い季節がやって来ます。急な脱水に備えて、経口補水液を冷蔵庫にストックしておくと安心です。

脱水対策のコツ