ホーム  >  からころ連動企画  >  健康レッスン16_自宅でも使える「抗原検査キット」とは?

からころ×e健康ショップ 連載企画!
2022年6月20日
健康レッスン1・2・3!

【第16回】気になったらセルフチェック!自宅でも使える「抗原検査キット」とは?

体調不良のとき、新型コロナウイルス感染症にかかっていないかどうか不安になりますよね。
それを調べるには、PCR検査、抗原検査、抗体検査など、いろいろな検査方法があります。
それぞれの違いをご存知ですか?知っているようで知らない、新型コロナウイルス感染症の検査について解説いたします。

答えてくれた人

信濃坂クリニック  院長
東京医科大学 名誉教授
高沢 謙二先生


高沢 謙二先生

新型コロナウイルスの検査は3種類

新型コロナウイルス感染症の初期症状は、風邪と似ているのが特徴といえます。
鼻水やせき、のどの痛み、発熱などはふつうの風邪で見られる症状です。それでも今は、「もしかしてコロナ?」と不安になってしまいますよね。
コロナ感染の有無を調べる検査には3種類あります。現在感染しているかどうかを調べるのは、PCR検査と抗原検査です。過去に感染したかどうかを調べるのは抗体検査です。

PCR検査と抗原検査どう違う?

PCR検査では、体内にコロナ遺伝子があるかどうかを調べます。鼻の粘膜や唾液から検体を採取します。
以前は、検査する場所は医療機関や検査機関のみで、発熱などの症状が出ている人に限られていました。
現在は、自治体によって違いはありますが、街中に検査会場があり無料で受けられるところもあります。詳しくはお住まいの自治体のHPなどで確認してください。医療機関で受けた場合、結果は翌日わかることがほとんどです。

抗原検査は、新型コロナウイルスの抗体を使った検査です。
抗体とは、ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入したときに、体が反応してできるタンパク質のことです。体内にコロナウイルス特有のタンパク質(抗原)があれば、それに抗体が反応し「陽性」と示します。
検体はPCR検査と同じく鼻の粘膜や唾液から採取します。結果が出るまで約15分で早いのが特徴です。

3種類めの抗体検査は、過去に新型コロナウイルスに感染したかどうかを調べる検査です。
過去に感染したことがあれば、そのときにつくられた新型コロナウイルスの「抗体」が体内に残っています。抗体があれば、感染経験があるということです。
新型コロナ検査の違い

「抗原検査キット」を家に常備しよう

PCR検査も抗原検査も、セルフチェックできる「検査キット」が市販されています。
ちょっと熱があり、風邪かコロナか知りたいというとき、家にキットがあると便利ですよね。
なかでも「抗原検査キット」は、多くは2000円前後で買えますし、結果が15分程度で出るのでおすすめです。家にキットを常備しておくと、発熱したときに慌てずに済みます。
自治体によっては、抗原検査キットを買える薬局の案内をしています。お住まいの自治体のHPを確認してみてください。

抗原検査だけでは不安という方もいらっしゃるかもしれません。たしかに以前は、抗原検査の結果が「陰性」でもPCR検査を受けたほうがいいと言われてきました。しかし現在は、PCR検査と抗原検査の陽性・陰性の一致率は90%以上であることがわかっています。
これまで、抗原検査では陽性の場合のみ確定診断ができていましたが、2020年6月厚生労働省は「発症2日目から9日目までの患者については、陰性の確定診断が行なえる」としました。
つまり、症状が出て抗原検査が「陰性」であれば感染していないと判断され、追加のPCR検査は不要ということです。「発症日」がわかるよう、発熱やのどの痛みなどを感じた日に記録をつけておくことが大切です。

また、検査キットを購入する際は、「体外診断用医薬品」であることを確認してください。少数ですが、中には「研究用」という国の承認が得られていない製品も販売されているのでご注意ください。
そして、検査結果が「陽性」だった場合はすみやかに地域の相談窓口、医療機関に連絡することをお忘れなく。
抗原検査の流れ

イラスト:matsu