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からころ×e健康ショップ 連載企画!
2018年12月20日
健康レッスン1・2・3!

【第4回】空間除菌のイロハ

かぜやインフルエンザの流行する季節がやってきました。
予防はもちろん、身近な人が感染した場合、ウイルスを拡散させないよう配慮も必要です。
上手に予防して、冬を元気に過ごしましょう!

答えてくれた人

下川 道世 さん

大幸薬品株式会社
戦略企画学術部マネージャー
薬剤師・医療環境管理士


●大幸薬品「クレベリン」 商品情報サイト
http://www.seirogan.co.jp/cleverin/
下川道世さん

インフルエンザは飛沫と接触で感染

気温と湿度が下がる冬場は、かぜやインフルエンザのウイルスが、人に感染しやすい環境です。おもな感染ルートは、飛沫感染と接触感染の2つ。
飛沫感染とは、罹患者のくしゃみや咳で周辺に飛び散ったウイルスを吸い込み感染すること。
接触感染とは、罹患者のウイルスを含んだ飛沫が者に付着し、それに触れた手で、口や鼻、目などを触り、感染することです。 一般的にインフルエンザウイルスは生存時間が短く、環境にもよりますが、2~8時間といわれています。案外、短命のようです。

一方、食中毒を引き起こすノロウイルスは、かなり強力で、10~100個程度で感染するといわれています。生の魚介類(カキや二枚貝など)や十分に加熱されていない食物から感染します。
おもに接触によって感染しますが、罹患者のふん便や吐瀉物を介した二次感染が多いので、とくに注意が必要です。

予防には手洗いと室内換気が重要

かぜやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症予防の基本は、まず手洗いです。 ウイルスが付着しやすいドアノブやテーブルの上、電車のつり革などに触れた手で、無意識に口や鼻をつい触ってしまいがち…。こまめな手洗いが有効です。
公共の場にある共用タオルは使わず、備え付けのペーパータオルを使うなどの心がけも必要です。手洗いの後、消毒剤を使えば、さらに有効です。

あまり知られていませんが、予防に効果的なのが室内の換気です。空気の入れ換えによって室内のウイルスや細菌を減らすことができるからです。換気はいちばん手軽な除菌策なのです。
その点では、古い「すきま風のある家」は除菌効果が高かったのですが、最近の住居は気密性が高いですよね。閉めきった部屋はウイルスには好都合。これから寒い季節を迎えますが、こまめに換気しましょう。

ウイルスや細菌を減らす「空間除菌」とは?

とはいっても、室内をこまめに換気するのは大変ですし、窓のない風呂場や洗面所、トイレなど、換気しにくい場所もありますね。そこで有効なのが「空間除菌」です。空間除菌とは、室内に存在するウイルスや細菌などの病原体を減らすことです。

家庭でできる除菌方法には次の3つがあります。
1.除菌機能を備えた空気清浄機を置く。
2.布製品向けの消臭除菌スプレーを使う。
3.二酸化塩素を含有した除菌剤を使う。
このうち、空間除菌にもっとも効果的なのは、二酸化塩素による除菌剤です。

除菌アイテム

換気しにくい場所に効果的な二酸化塩素

二酸化塩素には酸化作用があり、ウイルスや細菌のたんぱく質を酸化させることで不活化することができます。
二酸化塩素を使用した除菌剤には据え置きタイプとスプレータイプがあります。

人の出入りがあり、かつ換気しにくい場所、また窓を開けられないオフィスの閉鎖空間などでは、据え置きタイプの二酸化塩素除菌剤が有効です。外から持ち込まれたウイルスや細菌も、しばらくすれば除菌されます。
一方、ピンポイントで素早く除菌したいときに効果的なのが、スプレータイプ。来客や会議の出席者が咳をしていた、かぜっぽかった…というときは、その人が退席した後すぐに室内やテーブルなどにスプレーするといいでしょう。スプレータイプは家族が感染した場合にも便利です。罹患者が触った物や飛沫が付着しやすい物にシュッとスプレーしておきましょう。

とくに家族がノロウイルスに感染した場合は、2週間程度はトイレの周辺、便器の外側と内側の除菌も必要です。この場合、スプレータイプと据え置きタイプの両方を使うとより効果的です。二酸化塩素のほか、次亜塩素酸も有効です。

もうすぐ、かぜの季節。感染症の予防には、手洗いと換気を。窓を開けられない場所では空間除菌剤を上手に活用しましょう。

空間除菌のコツ 3つのポイント