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からころ×e健康ショップ 連載企画!
2024年6月20日
健康レッスン1・2・3!

【第24回】コラーゲンを上手に摂取!大人のひざケア

ひざの痛みを抱える人が増えています。関節の「軟骨」が加齢とともにすり減っていくのが原因の一つです。
痛みの対策に適度な運動やストレッチは欠かせませんが、コラーゲンを取り入れるのもおすすめです。
ところで、「コラーゲン」とは何か、ご存知ですか?
体全体に必要な成分ですが、とくにひざに大事な成分です。

答えてくれた人

キューサイ株式会社 

プロダクト開発部
冨永 祐里さん


●キューサイホームページ
https://corporate.kyusai.co.jp/
冨永 祐里さん

体をつくるたんぱく質の30%はコラーゲン

コラーゲンというと美容のイメージがあるかもしれませんが、じつは人体を構成する大事な成分、たんぱく質の一つです。体内のたんぱく質の約30%がコラーゲンです。
コラーゲンは、全身の組織をつなぎ体を支える結合組織(骨、軟骨、腱、靱帯)の主成分であり、皮膚や筋肉、血管、腸の内壁などあらゆる組織に存在しています。肌に弾力を与えるだけなく、丈夫な骨をつくったり関節の動きを滑らかにする役割を担っており、さらに爪や髪のツヤの維持にも影響を与えます。
ひざやひじなどの関節を覆っている軟骨はクッションの役割を担い、その15~20%がコラーゲンで構成されています。しかし年齢とともにだんだんとすり減っていくことで、関節に炎症が起こったり関節が変形したりします。これがひざの痛みの原因の一つです。
すり減った軟骨は、残念ながら再生しません。しかし、食生活や生活習慣の工夫次第で軟骨のすり減りを遅らせることはできます。

コラーゲンは年齢とともに減少

軟骨がすり減る要因の一つとして、軟骨の合成と分解のバランスが崩れることが挙げられます。
軟骨の主成分であるコラーゲンは20歳ころから減少し、50歳では20歳のころの半分くらいに減ってしまいます。
年齢別体内コラーゲン量

また、ひざ関節の痛みは女性により多く見られます。それには、加齢に伴う女性ホルモンの減少が関係しています。 女性ホルモンの一種であるエストロゲンは骨の形成に関わっています。そのため、エストロゲンの分泌が急激に減る閉経後は骨がもろくなる傾向があります。ひざ軟骨のすり減りによって生じる「変形性膝関節症」の患者さんも、中高年の女性に多く見られます。
また、筋肉量が少ないことも要因になります。ひざ関節にかかる負担(体重や持ち物の重さなど)を支える太ももの筋肉量が少ないため、ひざに直接負担がかかってしまうのです。

コラーゲンを食事に取り入れて

健康なひざを維持するためには軟骨の成分を補うことも必要です。
まずは食事からコラーゲンを取り入れましょう。コラーゲンは動物にとっても主要な成分なので、動物性食品に多く含まれています。
肉類では、牛スジ肉や鶏手羽先、豚足など、見るからにプルプルと弾力がありそうな食材に多く含まれています。魚では、とくに皮や鱗に多く含まれています。
コラーゲンを多く含む食材

コラーゲンの1日の摂取目安量は1日5~10gとされています。しかし、一般的な食生活でこれだけのコラーゲンを摂るのはなかなかむずかしいかもしれません。サプリメントを利用するのもおすすめです。粉末なら、牛乳やコーヒー、味噌汁などの飲み物にも溶けて無理なく続けやすいと思います。
ところで、食べたコラーゲンは直接、軟骨に届くわけではありません。コラーゲンは複数のアミノ酸で構成されたたんぱく質ですから、一度胃や小腸でアミノ酸やアミノ酸が数個つながったペプチドという状態に分解されます。その後、腸から体に吸収され、まざまな部位に運ばれて、たんぱく質に再合成されたり、細胞に刺激を与えたりするのです。
コラーゲンが体内で生成される際はビタミンCと鉄分が必要なので、これらの栄養素も意識して摂取するといいでしょう。たとえばオレンジジュースにコラーゲンを溶かして飲めば一石二鳥です。
コラーゲン特有の味やにおいは製品によって微妙に異なるので、気になる場合はさまざまな製品を試してみることをおすすめします。自分に合ったサプリメントを探してください。

ひざの負担を軽くすることが重要

ひざの痛みをやわらげるためには適度な運動が必要です。太ももやひざにしっかり筋肉がついていれば、関節にかかる負担を受け止めることができます。ただし、ひざに過度な負担のかかる運動は逆効果です。
負担を軽くする意味では体重を減らすことも有効です。1kg減らすだけでもひざの負担はかなり減らせます。
重たい物の持ち運びや長時間の正座もひざに負担をかけます。生活習慣を見直してみてください。
関節の痛みが治まったとしても、軟骨が増えたわけではありません。あくまでも現状維持か、減る速度が遅くなっている状態です。痛みが消えても油断せず、コラーゲンを意識した食事や運動を続けることをおすすめします。
まとめ

イラスト:matsu