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セルフメディケーションコラム
2016.6.16更新
何となく胃の調子が悪い時、とりあえず市販の「胃薬」を飲んで様子をみるという人は少なくないと思います。胃の不調といっても胃痛や胸やけ、胃もたれ、食欲不振など、その症状はさまざまで、胃薬の選び方や飲み方によっては、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。また、一言で「胃薬」と言っても、胃酸を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬、漢方薬など様々なタイプの薬があります。市販薬は数種類の成分が配合されているものが多く、様々な症状に効くようになっています。症状に合った薬を上手に使うために、今回は市販の「胃薬」の正しい選び方と飲み方をご紹介します。
主に胃酸の出過ぎによって起こる症状です。胃酸は暴飲暴食やコーヒー、香辛料などの刺激物の摂りすぎ、ストレス等が原因となって多量に分泌されます。胃酸はとても強い酸で、過剰になると胃壁の粘膜をも攻撃して粘膜が荒れてしまい痛みなどの症状が出ます。また、出過ぎた胃液が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激してみぞおちの辺りが焼けるように感じるのが胸やけです。この様な場合、胃酸を抑える薬が有効です。
特に症状が強い場合には
「H2ブロッカー」が効果的です。 H2ブロッカーは胃酸を出すスイッチであるヒスタミン受容体に作用して胃酸の分泌を強力にブロックし胃粘膜の修復を促します。H2ブロッカーは食事に影響を受けないので食前食後を問わず症状のある時にすぐ飲む事が出来ます。続けて飲む場合には8時間以上間隔を空けて、1日2回までにしましょう。また、2週間を超えて続けて飲むことは禁じられていますので、予防的に飲んだり長期連用は避けてください。
また、胃酸を出すもう一つのスイッチであるムスカリン受容体に作用し胃酸の分泌を抑える
「M1ブロッカー」も胃痛・胸やけにおすすめです。成分としては
ピレンゼピン塩酸塩で、胃酸を抑える効果はH2ブロッカーに比べて劣りますが、胃粘膜の保護作用を併せ持ちます。
1,058円(税込)
胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきに 胃に1回1包10mgH2ブロッカー胃腸薬。
1,058円(税込)
水なしでも服用できる 胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきに 1回1錠10mg。
702円(税込)
症状の原因となる「胃酸」の出過ぎをコントロールし、胃粘膜の修復を早めるお薬。
1,026円(税込)
胃酸をコントロールし、胃酸から胃を守りながら痛み・胸やけを和らげる胃腸薬。
929円(税込)
出過ぎてしまった胃酸を中和、そして過剰な胃酸分泌を抑制します。
929円(税込)
M1ブロッカー配合胃腸薬です。過剰な胃酸分泌をブロック!
胃の粘膜が荒れていたり、胃の機能が低下している可能性があります。通常、胃の中の食べものは2~3時間で消化されますが、加齢や体調などの影響で食べものの消化に必要なぜん動運動が弱くなってしまうと消化が進まなくなるため、消化のために胃酸がいつまでも分泌されることになり、その結果、胸やけなどの不快症状が起こります。このような場合には
「制酸薬」 や
「胃粘膜保護成分」 を含む薬がおすすめです。
「制酸薬」は胃の中で直接胃酸と中和反応を起こし、胃粘膜を刺激する胃酸を弱めてくれます。成分としては
炭酸水素ナトリウムや
水酸化マグネシウムなどがあり、効果は即効性で、服用するとすぐに胸やけ、むかつきなどがすっきりしますが、作用時間はあまり長くありません。炭酸飲料を一緒に飲むと作用が低下してしまうため、炭酸飲料での服用は避けてください。制酸剤に含まれるアルミニウムやナトリウム、マグネシウムは、透析をしている人や高血圧の方では服用を避けるべき成分ですので注意が必要です。
「胃粘膜保護成分」は荒れてしまった胃粘膜を保護するために、胃の粘膜血流を増やして粘液量を増やす作用を持つ薬剤で、
アルジオキサ 、
スクラルファート 、
テプレノン 、
アズレンスルホン酸ナトリウム 、
ソファルコン 、
トロキシピドなどにこの作用があります。
950円(税込)
水がなくても服用できるチュアブルタイプの胃腸薬です。どこでも手軽に服用OK!
680円(税込)
年齢とともに感じやすくなる、くり返す胃もたれに。弱った胃を元気にします。
1,026円(税込)
胃痛のもと(荒れた患部)を保護・修復。すばやく溶ける顆粒剤です。
1,296円(税込)
弱った胃粘膜の抵抗性を高め,傷ついた胃粘膜を保護・修復します。
胃痛、腹痛、さしこみ等の症状は胃や腸を動かしている内臓平滑筋のけいれんや過度の緊張により起こります。この様な場合には胃腸の運動をコントロールしている副交感神経に作用して、過度の緊張を和らげる作用のある
「鎮痛鎮痙薬」が有効です。
成分としては
ロートエキスや
ブチルスコポラミンなどがあります。ただし、排尿障害のある人や緑内障の人は症状が悪化するおそれがあるので、服用しないでください。また、まれに目のかすみ等の症状が現れることがありますので、薬を飲んだ後は乗り物又は機械類の運転操作をしないでください。鎮痛鎮痙薬には胃の痛みを和らげるために
オキセサゼインや
アミノ安息香酸エチルなどの局所麻酔成分が配合されていることもあります。噛み砕くと口の中が麻痺してしまいますので、噛み砕かずにそのまま飲むようにしてください。
痛みが激しい場合には重篤な病気が潜んでいる可能性があるため、すぐに受診して下さい。痛みといっても頭痛などの痛みとは全く異なるもののため、解熱鎮痛薬では効果がない上、かえって胃を荒らしてしまいます。
1,296円(税込)
胃腸の異常な緊張を和らげ、胃痛・腹痛・さしこみなどの痛みにすぐれた効果。
513円(税込)
淡い甘味のある白色の顆粒剤。すぐれた効き目の鎮痛鎮痙剤、制酸剤を含んでいます。
734円(税込)
胃酸やアルコールなど、胃粘膜への刺激によるムカムカ、はきけ、胃痛に効きます。
胃もたれは、胃の消化能力が低下したり、食事の量が胃の消化能力を超えた場合に起こる一種の消化不全で、胃が重く感じられる不快感です。この場合、消化を促す
「消化酵素」や弱った胃の働きを回復させる
「健胃薬」を選びます。
「消化酵素」には脂肪を分解する
リパーゼ、炭水化物やでんぷんを分解する
ジアスターゼ、アミノ酸、タンパク質を分解する
プロザイム、
ビオタミラーゼ、でんぷん・たんぱく質の複合消化酵素である
ビオヂアスターゼ、
タカヂアスターゼ、
パンクレアチン、脂肪の消化吸収を促進する胆汁成分のひとつである
ウルソデスオキシコール酸などがあります。市販薬では多くの場合、数種類を配合しています。また、これらの消化酵素は胃腸の働きを整える健胃薬と一緒に飲むとより効果が高く、消化を助ける薬ですので食後に服用します。糖の吸収を抑制する血糖降下薬を一緒に服用すると血糖降下薬の効き目が悪くなる場合があるため、糖尿病でお薬を服用している人は使用前に薬剤師に相談するようにしてください。
「健胃薬」には
カルニチン塩化物や
トリメブチンマレイン酸、
健胃生薬などがあり、唾液や胃液の分泌を促すことにより弱った胃の働きを回復させます。また、胃酸の分泌を促し胃の働きを活性化させる作用も持っています。健胃生薬は、生薬が持つ香りや苦みにより味覚神経を刺激して、唾液や胃液などの分泌を促し、消化不良の状態を改善します。
オウバク、
センブリ、
ウコン、
ケイヒ、
オウレン、
ショウキョウチンピ、
ユウタン、
ウイキョウ、
コウボク、
チョウジ、
ショウジュツ、
リュウタンなどがあります。
胃の蠕動運動が弱っている可能性が高いので、 「健胃薬」 が適しています。
494円(税込)
苦味健胃薬のオウレンに胃腸機能亢進作用を有する芳香性健胃薬のキジツを配合。
324円(税込)
動物胆(牛胆)、ウコンエキスなどを配合し、飲みすぎ・胃もたれ・便秘などに効果。
3,024円(税込)
衰えている胃腸機能をおだやかに回復させます。
626円(税込)
ウコン・ニンジン配合!9種類の生薬配合液体胃腸薬です。
消化不良の可能性が高いため、 「健胃成分」 + 「消化酵素」 が適しています。
1,404円(税込)
「脂物を食べると胃がもたれる」「食べすぎで胃がもたれる、むかつく」という方に。
432円(税込)
1日1回1本飲みで「もたれ」や「はきけ」などに効く液体胃腸薬です。
1,029円(税込)
3つの働きで胃もたれなどの弱った胃の症状を改善します。
734円(税込)
胃の中の脂肪分を分解して胃に対する負担をやわらげ、不快な症状を改善します。
薬は「1日3回毎食後」に飲むものと思われがちですが、必ずしもそうではありません。症状が違えば薬の成分も異なり、飲むタイミングも変わります。飲み方を間違えると、効果が弱まることもありますので、服用の際は添付文書で必ず飲むタイミングも確認するようにしましょう
胃の症状には重大な病気が隠れていることがありますので、改善がみられない場合には市販薬を長期間飲み続けるのではなく、医療機関を受診してください。
漢方薬は多数の有効成分を含んだ生薬を原料としていて、「一つ一つの症状を単独でとらえるのではなく、全身の症状や体質を総合的にとらえて治療していく」という漢方の考え方を基本としています。そのため全身に働きかけて自然治癒力を高め、今出ている胃の痛みやもたれなどのさまざまな症状を改善しながらも、一時的に症状を抑えるだけでなく、胃が本来持っている消化や吸収の力を取り戻すことによって胃を根本的に元気にしていきます。漢方薬は症状だけでなく、体質(漢方では「証」といいます)によって選ぶことが大切です。
体力がなく冷えやすい人の慢性の胃炎や胸やけには、体を温める
安中散(あんちゅうさん)が適しています。ストレス性の胃炎にも効果が高い漢方薬です。胃もたれのある人は胃から腸への内容物の排出を高める働きのある
六君子湯(りっくんしとう)が良いでしょう。胃腸の機能低下によって生じる消化不良や食欲不振、胃痛などの症状に対して良く効きます。体力が中等度で、みぞおちがつかえた感じがある人には
甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)が適しています。胃腸の機能が低下して胸がつかえて消化不良になっている、口臭がする、不安や緊張を感じやすい人におすすめの漢方薬です。
1,296円(税込)
弱った胃のはたらきを高め、慢性胃炎、胃腸虚弱にすぐれた効果をあらわします。
1,058円(税込)
体力中等度以下で、腹部は力がなく、胃痛または腹痛のある方に適したお薬です。
2,295円(税込)
「安中散」から抽出したエキスより製した服用しやすい顆粒です。
950円(税込)
自律神経が乱れることによって起こる、神経性胃炎や慢性胃炎を改善します。
1,728円(税込)
胃酸の逆流などでみぞおちがつかえる方の、胃痛、嘔吐などのつらい症状を改善。
3,672円(税込)
「六君子湯」から抽出したエキスより製した服用しやすい顆粒です。
1,009円(税込)
みぞおちがつかえた感じがある方の気になる口臭、胃腸炎、口内炎に。
一般的に空腹時に飲んだ方が成分の吸収が良いため、食前または食間に飲むのが効果的です。食間とは食事と食事の間で、食後2~3時間くらいが目安です。一般の飲み薬と同様にたっぷりの水かぬるま湯で飲み、用法用量を守ることも大切です。
食べ過ぎや飲み過ぎの時には、寝る前に飲んでおくと翌朝の胃もたれや胸やけを防ぐこともできます。
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