専属薬剤師監修のオリジナル記事「知っておきたいセルフメディケーションコラム」健康管理には、日頃から適度な運動と栄養バランスのよい食事に気をつけ、しっかりと睡眠時間をとり、自然治癒力を高めることが大切です。
かぜや軽いケガなどの軽度な体調不良は、OTC医薬品(一般用医薬品)を利用して、自分で手当てすること(セルフメディケーション)も健康管理に役立ちます。体との関係を知って上手に取り入れましょう。
2018.10.26
第47回 知っておきたい体温計の正しい使い方
健康管理の必需品の体温計、皆さん正しく使えていますか?
わきに挟むだけで良いのでは?正しい使い方なんてあるの?と思われた方にぜひ読んでいただきたい意外に知らない体温計の正しい使い方についてお話します。
知っておきたい体温計の正しい使い方
体温はどこの温度のこと?
皮膚表面の温度は暑い寒いの気温などの環境に左右されるため、影響を受けにくい内臓などの身体の奥の温度が体温とされていますが、内臓などの温度を直接測ることなんて実際にはできませんよね。
ですので身体の奥の温度に近い数値を示す部位(わき、口の中、肛門(おしり)、耳(鼓膜))の温度を体温としています。
体温計はどんな種類があるの?
1.電子体温計 2.耳式体温計 3.非接触式体温計
大まかに、このような3種類が市販されています。
電子体温計
●予測式
体温計の数値上昇比率から、およその予測数値を算出して体温を計測するタイプです。測定時間が短いという長所がありますが、予測であるため実測式よりも誤差が出る可能性がある短所があります。市販されているものは予測式・実測式兼用です。
●実測式
体温計に伝わる熱を忠実に表示するタイプです。体温が正しく測れる半面、測定時間に長くかかります。JIS規格では、わきで測定する場合は10分以上必要と規定されています。市販されているものは予測式・実測式兼用です。
●婦人体温計(基礎体温計)
女性の体のリズムを知るために、基礎体温を測定するための体温計。体温が安定している口の中で測定します。一般的な体温計が小数点第一位までの計測に対し、婦人体温計は小数点第二位まで表示されるようになっています。そのため、微細な体温の変化が分かります。
耳式体温計
赤外線センサーで鼓膜の温度を測定するタイプです。短時間で測定できるので、小さなお子さまに向いてます。お子さまがいるご家庭だと予防接種の前やプールなど何かと計測が多く、特に忙しい朝には便利です。
非接触式体温計
赤外線センサーでこめかみの皮膚温度を測定し、体温に予測換算するタイプ。測定時間が非常に短く、触れずに測定できるため、要介護者や寝ている状態のままでの計測に向いています。皮膚表面の温度から換算するため誤差が大きい短所があります。
予測・実測式
1,625円(税込)
約60秒でしっかりと正確な検温ができます
予測・実測式
4,093円(税込)
聞き取りやすいメロディーでお知らせ
予測・実測式
2,160円(税込)
約15秒ですばやく予測検温
婦人体温計
5,431円(税込)
本体ひとつで基礎体温が管理できます
婦人体温計
1,598円(税込)
毎日使いやすい軽量、スリムタイプ
4,752円(税込)
発熱が一目でわかるバックライト付き
3,456円(税込)
赤色の点灯アラーム音で発熱の目安をお伝え
4,320円(税込)
おでこでも耳でも測定できます
10,584円(税込)
肌に触れずに0.7秒で測定
体温の測り方
今回は代表的なわきと口の中での測定方法をご紹介します。
わきでの測定方法
まず、わきの汗はしっかりタオルなどで拭き取りましょう。わきの中央のくぼみに体温計の先端を下から上に向かって押し上げるように挿入します。体温計が上半身に対し30度くらいになるようにしてわきをしっかり閉じ、アラーム音が鳴るまでその位置を動かさないように固定します。
ポイント
1.体温計をわきの中心にあて、下から上に向かって挿入し、わきをしめる
2.体温計が上半身に対し30度くらいの角度
3.しっかりわきを閉じて指定時間まで固定
薬剤師から
店頭でお客様の対応をした経験では、上記3つのポイントができていなかったりご存知ない方は2、3割いらっしゃった印象でした。正しい測り方を心がけてみてください。
口の中での測定方法
体温計の先端を、舌の裏の左右どちらからのくぼみに触れるよう奥まで挿入。
ポイント
1.口を完全閉じ、測定中は会話をしない
2.測定前に熱いもの、冷たいものを食べない
3.測定中は鼻呼吸
薬剤師からひとこと
基礎体温の測定の場合は、朝目が覚めたら身体を動かさず、寝たままの状態で測定します。
できるだけ同じ時刻に測定するのが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ぜひご自身の測定方法を見直して、正しい使い方を心がけてみてください。
風邪や発熱などのときにしか出番があまりない体温計ですが、定期的に救急箱から取り出して測ってみてください。電池切れで使えなかった経験をした私からの提案です。
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