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専属薬剤師監修のオリジナル記事「知っておきたいセルフメディケーションコラム」健康管理には、日頃から適度な運動と栄養バランスのよい食事に気をつけ、しっかりと睡眠時間をとり、自然治癒力を高めることが大切です。 かぜや軽いケガなどの軽度な体調不良は、OTC医薬品(一般用医薬品)を利用して、自分で手当てすること(セルフメディケーション)も健康管理に役立ちます。体との関係を知って上手に取り入れましょう。

2023.06.30

第58回 薬剤師の恋愛・結婚事情

「自分の日常は他人にとっての非日常」ということで、私自身が当たり前に思っていることでも、周りからはびっくりされることが時々あります。結婚観もその1つです。
私の周りの限られた統計なので、地域差や世代によっても異なり、必ずしもそれだけではないこともあるかと思いますが、そんなこともあるのね~くらいにお楽しみいただけたらうれしいです。

薬剤師はモテるのか ?

これは「並」ですね。恋愛的観点でのステータスにはならないので、結局は「人物により」な気がします。
女性については、ひと昔前にリケジョと呼ばれた方がちょっとした騒ぎになったり、理系の女性全体が「とっつきにくい」「ちょっと変わってる」とネガティブなイメージをもたれやすい風潮もあり、看護師さんや保育士さんなどの優しそうな包容力のありそうな職業と比べてしまうと、マイナススタートな部分も多少あるかもしれません。
しかしながら、結婚適齢期といわれるような年齢以降は、状況がだいぶ変わってきます。薬学生から新卒数年後付近の時期とは、人の寄ってくる圧が別物で、いわゆる手のひら返しといったところでしょうか。
薬剤師なら「安定して稼いでくれそう」「日本中どこにでも仕事がある」など、結婚相手としては都合がいいからなのでしょうね。
なので結婚願望のある人であれば、薬剤師免許を保有していることは多少のアドバンテージにはなるかもしれません。

出会いのチャンスはどこに?

薬局は、一見すると女性ばかりの職場なので「出会いなんてないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そんなこともないとは思います。

薬局には出入りする業者がたくさんいらっしゃいます。製薬会社のMR、卸、分包機のメンテナンス業者、レセコンや電子薬歴のシステム業者などなど、毎日入れ替わり立ち代わり、あらゆる方々が来ます。
これだけでは単なる取引先として、なかなか親しくなるイメージはわきにくいですが、ではどんなチャンスがあるかというと、主に行事です。
一般企業としては考えにくいですが、地域の健康促進イベントや、納涼会、忘年会といった季節行事など、薬局は何かと近隣の処方元のクリニックと合同で開催される行事があり、その時に製薬会社、卸各社も一緒に盛り上げてくださったりするわけです(地域柄や薬局方針にもよります)。
ほかにも、製薬会社からの定期的な勉強会があったり、何かと外部業者と間でお互いに人となりを知れるような機会はあります。

どうやらこれは、薬局のみならず医療機関で働く女性あるあるのようなのですが、若い世代の女性の医療スタッフは、出入りする業者さんの中にお気に入り男性がいたり、一方的に勝手にファンになっていることがそれなりにあります。
おそらくスーツマジックもあるのかなとは思います。環境的に白衣やスクラブ等のユニフォームばかり見慣れてしまうせいもあり、自分がまだ新卒後数年で社会人として習うことばかりの立場の時だと、少し年上で仕事ができる風のスーツの男性というだけでキラキラ見えてしまうものなのです。

患者さんとの出会いは、ほぼないと思います。患者さん側からということは稀にあるようですが、なかなか薬剤師と患者さんという立場を越えることは難しいです。
あとこれもレアケースですが、在宅訪問でお年寄りの患者さん宅へ定期的に薬を届けているうちに、「うちの嫁に…」ということもありましたので、きっかけが全くないわけでもないとは思います。

お医者様との出会いは?

これも時々うける質問のひとつですが、なきにしも…くらいです。
前述のとおり出会える機会はありますが、ただ恋愛関係に発展することはあっても、残念ながら結婚にいたった例までは聞いたことがありません。
やはり男性医師は本当に人気があるので自分以外の女性が出現しやすかったり、ご家庭がお医者様家系だったりで、両家の家族間の関係性が難しいなど、理由はさまざまです。
知り合いに、男性医師と女性薬剤師のご夫婦もいることはいますが、大学で出会っているので薬剤師として職場で育まれたわけではないパターンです。

薬剤師同志の組み合わせはある?

これは少ないと思います。私の周りは1組だけいますが、これもまた大学時代からおつきあいをしていて結婚にいたったパターンなので、社会で薬剤師として出会ったわけではありません。
なぜでしょうね。これといった理由はよくわかりませんが、あくまでも私の一個人の意見としては、マウント合戦まではいかないにしても、パートナーと変に張り合ったり、微妙なライバル心がどちらかに芽生えてしまうときついかなと思います。
同じ業界内だと比較がしやすくなってしまうので、それであれば、全く異業種でお互いそれぞれの世界をもって、という方が平穏な心が保てそうです。年齢が離れていたり、初めからパワーバランスが確立しているうえでならよいのでしょうけれど。
ただ恋愛感情になるかは別として、薬剤師同志だと話しやすさをとても感じます。なんとなくですが、おおかた自分と似たような環境を生きてきたんだろうなと予測がつくので初対面でも安心感がありますし、伝えたいことが伝わりやすかったり、薬剤師独特の思考が共感しやすかったりします。
結婚式

薬剤師の未婚率

厳密な数値まではわかりませんが、私の体感上、女性薬剤師の場合、社会一般の未婚率より高いと思います。
男性の場合は、あまり高い低いを感じたことはなく、おそらくですが、社会一般とそう変わらないのかもしれません。

薬剤師は結婚願望がうすい?

自分も含めて周りの未婚薬剤師の意見を聞いていると、けして独身主義者ではありませんし、結婚したくないとまでは思っていません。ただ、遭遇するであろう諸々の困難を乗り越えてでも籍を入れたいかというと、そこまでではないといったところが本音です。
やはり自立できる働き方をしやすいことが理由の1つにはあると思います。世の中には、経済的理由が結婚につながるケースもあると思いますが、薬剤師のようにそれなりにひとりでも生きていける術をもってしまうと、そういう動機も生まれないので、籍を入れるという大きな一歩を踏み出しにくくなる気がします。
さらにそうこうしているうちに、結婚以外にも趣味や目標、交友関係など楽しい世界を見つけだしてしまい、このままで十分楽しいからわざわざ生活を変えるのも…といった境地にいたってしまうのですかね。
また、子どもがほしいので結婚するという考えも世の中的にはあるようですが、薬剤師の友人を見ていると、未婚のまま出産したカップルや、真面目に精子バンクの話をし始めた友人もいたり、どうやら「子どもがほしい⇒結婚」のように直結もしないようです。

おわりに

次に薬局に行かれた際、薬局内ではそんなことが起こっているのか?!など妄想をしながら投薬を待ってみると、おもしろい発見があるかもしれません。
余談ですが、医療事務の女性は人気がありそうな気がします。男性薬剤師が事務の方とカップルになるパターンも聞いたりします。女性の私であっても、若かりし頃、ミスをして薬局長に怒られて落ち込んでいたときに事務の優しいおねえさんにはいつも慰められたり癒されたり、今もいい思い出です。