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専属薬剤師監修のオリジナル記事「知っておきたいセルフメディケーションコラム」健康管理には、日頃から適度な運動と栄養バランスのよい食事に気をつけ、しっかりと睡眠時間をとり、自然治癒力を高めることが大切です。 かぜや軽いケガなどの軽度な体調不良は、OTC医薬品(一般用医薬品)を利用して、自分で手当てすること(セルフメディケーション)も健康管理に役立ちます。体との関係を知って上手に取り入れましょう。

2018.8.23

第46回 知っておきたいおくすりのあれこれ ~基本編~

くすりの飲むタイミングなどの基本的なことや、飲み方のちょっとしたコツなどをお話しします。
くすりを飲むタイミングはそれぞれのくすりに最も適したものが設定されています。指示されている用法・用量で正しく服用しないと効果が弱くなってしまったり、副作用を引き起こす原因にもなります。
知っておきたいおくすりのあれこれ ~基本編~

くすりを飲むタイミングは主に3つ

 食後  食事のあと30分以内
胃の中に食べ物が入っているタイミングです。消化を助ける胃薬、食べ物と一緒でないと吸収されない薬、胃に負担をかける薬などは食後に飲む必要があります。

 食前  食事の1時間~30分前
胃の中に食べ物が入っていないタイミングです。胃薬など胃の働きをよくする薬、漢方薬などの胃に食べ物が入っていないほうが吸収や効果が良い薬などは食前に飲みます。

 食間  食後2時間後
食事と食事の間、食前と同じ胃の中に食べ物が入っていないタイミングです。食前もしくは食間と記載されていることが多いです。
「食間」は食事中に飲むことだと勘違いされている方も多いのでご注意ください。

 頓服(とんぷく)  決まった時間ではなく症状が出たとき
頓服とは、症状が出たときにくすりを飲むこと。1日1回とか毎食後とか決められたときに薬を飲むのではなく、症状が出て必要になったときに薬を飲むことです。「頓服」は聞きなれない言葉なので、痛み止めや解熱剤のことと誤解されたり、包装紙にくるんだ薬のことだという誤解もあります。

くすりを飲み忘れたら…

くすりの種類、回数、気がついた時間によって対応が違います。慌てて2回分の薬を1回で飲んでしまうと薬が効きすぎて副作用を引き起こす可能性がありますので慎重に対応しましょう。
1.定められた服用時間からそれほどたっていない場合は、気づいたときに服用ください。
2.次の服用まで近い場合は飲み忘れた分は抜かして、次の服用時点で1回量を服用してください。
飲み忘れ防止グッズを使って薬の飲み間違え、飲み忘れを防ぐ方法を試してみましょう。
投薬カレンダー 1日3回用
1,998円(税込)
重複・飲み忘れ防止にお薬管理

2週間投薬カレンダー 1日4回用
3,888円(税込)
2週間分の投薬カレンダー。1日4回用



くすりが飲みにくいときは?

おくすりには様々な形状があります。わたしが薬局店頭にいた際、お客さまからよく聞かれたおくすりの飲み方に関する質問をご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
~錠剤編~
 Q  錠剤が大きくて飲みづらいので、噛み砕いて飲んでもよいですか?
 A  NGです。コーティングにより、ゆっくり溶けだし効果を持続させたり、時間差を使って腸内で溶けるようにしたり、くすりには様々な工夫が施されています。さらに、ニオイが強いものや、苦味などもコーティングによって感じないようにつくられていますが、噛み砕いてしまうとこうした工夫が台無しになり、くすりによっては効き過ぎてしまったり、効果がすぐに切れてしまったりします。
薬剤師

錠剤が飲みにくい場合、最近では口の中にいれるとラムネのように溶けて飲みやすい工夫がされた「口腔内崩壊錠」というものも一部のおくすりで販売されています。選択肢の一つにされてみるのはいかがでしょうか。
~カプセル編~
 Q  カプセルが飲みづらいので、中身だけ取り出して飲んでよいですか?
 A  NGです。錠剤同様、せっかくの工夫が台無しになってしまいます。カプセルは正しい飲み方をすれば決して飲めないものではありません。カプセルを飲用する際に上を向く人が多いのですが、カプセルは一般的に水より軽く空気を含むため水に浮かびます。顔をあげて飲んでしまうと水が先に流れて、カプセルだけ残りうまく飲めないことがあります。カプセルを飲むときは顎を少し引いて水と一緒に飲み込むのがコツです。
~粉薬(散剤・顆粒)編~
 Q  粉薬が苦手なのですが、良い飲み方はありますか?
 A  同じ成分で、違う剤型(形状)のおくすりがないかを確認してみましょう。例えば、錠剤やカプセルタイプ、シロップタイプです。粉薬しかない場合はオブラートを使われてみてはいかがでしょうか。
現在オブラートは進化して様々な種類が販売されています。シート状のオブラートには、包み方で選べるスタンダードな丸型から袋型、カップ型があります。さらに味付きオブラートや、つるんと飲みやすいゼリー状オブラート、苦いお薬に適した服薬用のチョコレートなどがあります。
オブラート 丸型 200枚
486円(税込)
ソフトタイプの丸型オブラート。ケース付き

オブラート 袋 イチゴ味 50枚
540円(税込)
飲みやすく包みやすい


オレンジケア オブラート袋型(100枚)
599円(税込)
粉量が多い場合は袋型がオススメ

国光オブラート カップオブラート(100枚入)
864円(税込)
オブラートの受け皿容器付きで使いやすい


らくらく服薬ゼリー レモン味(200g)
378円(税込)
レモン味のゼリー状オブラート。合成着色料・保存料不使用

にがいのにがいのとんでいけ(5g×3袋入)
194円(税込)
お薬が飲みやすくなるチョコレート


薬剤師
 ワンポイントアドバイス 
健胃薬といわれる一部の胃薬には、苦味や芳香を感じることによって胃腸の動きを活発にするものがあります。苦いからとオブラート等を使用すると、香りや味の刺激が期待できず、効果が低下してしまうので注意が必要です。可能であれば、おくすりはお水や白湯で飲むのが理想です。