専属薬剤師監修のオリジナル記事「知っておきたいセルフメディケーションコラム」健康管理には、日頃から適度な運動と栄養バランスのよい食事に気をつけ、しっかりと睡眠時間をとり、自然治癒力を高めることが大切です。
かぜや軽いケガなどの軽度な体調不良は、OTC医薬品(一般用医薬品)を利用して、自分で手当てすること(セルフメディケーション)も健康管理に役立ちます。体との関係を知って上手に取り入れましょう。
2025.03.10
第60回 紫外線対策のコツ
step1:紫外線のダメージは蓄積する
太陽光線のうち、可視光線より波長の短いものが紫外線です。紫外線は体内でビタミンDを生成するのに不可欠ですが、浴びすぎると日焼けをはじめさまざまなダメージを受けます。
紫外線の中でも波長の長いUV-Aは皮膚の奥に届き、シミやシワの原因となります。波長の短いUV-Bは皮膚の表面にしか届きませんが、紫外線から肌を守るメラニン色素の分泌を促し日焼けを引き起こします。
短期間に強い紫外線を浴びると、目が充血したり、皮膚が炎症を起こしたりします。長期にわたるとダメージが蓄積し、肌の老化に加え、白内障や皮膚がんなどの深刻な病気を発症するおそれもあります。
近年は地表に届く紫外線量が増え、悪影響が大きくなっています。性別や年齢を問わずしっかりと紫外線対策をしましょう。
step2:日よけと日焼け止めを併用する
もっとも効果的な紫外線対策は日に当たらないことです。外出の際は帽子やアームカバー、日傘、サングラスなどの日よけグッズを活用しましょう。どうしても日に当たってしまう部分には、日焼け止めをしっかり塗ってください。
日焼け止めの成分には、大きく2つのタイプがあります。紫外線を吸収する吸収剤と、反射する散乱剤です。紫外線を防ぐ効果はどちらも同じくらい。散乱剤は酸化チタン・酸化亜鉛などの白い粉末がベースになるため塗ったところが白くなりやすく、吸収剤は透明ですが、稀にかぶれる人がいま
す。一長一短なので、自分が使いやすいものを選びましょう。
パッケージに記載されている「PA」はUV-Aの遮断効果を、「SPF」はUV-Bの遮断効果の持続時間を表す指標です。PAは「+」~「++++」まであり、
+が増えるほど効果が高くなります。SPFは「2」~「50+」まであり、数字が高いほど効果が持続します。
step3:こまめに塗り直して効果を維持する
せっかく塗った日焼け止めも、汗や摩擦などで少しずつ落ちてしまいます。屋外ではこまめに塗り直しましょう。スプレーやスティックタイプは塗り直しに便利です。広い範囲に塗るときは、乳液やジェルタイプが向いています。シチュエーションや使用時間の長さを考えて、日焼け止めを選びましょう。迷ったら薬剤師にご相談ください。
うっかり日焼けして、肌が赤くなったり熱を持ったりしたときは、まず患部を冷やしてください。範囲が広いときは、水風呂につかるのもおすすめです。皮膚の温度をすばやく下げ、炎症や熱を抑えましょう。その後は化粧水などを塗って保湿します。赤みや痛みが引かない場合は、速やかに受診してください。その際、受診前にどんな処置をしたのか伝えることも忘れずに。
紫外線対策のコツ
イラスト:みやしたゆみ 出典:からころ75号(2024年6月20日発刊)※記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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