防腐剤の入っていない点眼薬は汚染されやすいので、汚れに十分気をつける必要があります。
点眼時に容器の先が目やまつげに触れると目の汚れが目薬の中に逆流して汚染の原因となってしまいますので、容器を目から離して液だけが目に落ちるように滴下します。使用後はキャップをしっかり締め、開栓後10日以上過ぎたものは使用しないでください。
容器が目に触れないように点眼するのが難しい人は点眼補助器をおすすめします。カップ型の補助器に目薬を取りつけて使用するもので、手がブレやすい人や高齢者の点眼に使用すると便利です。
■洗眼も目薬で■
涙には、老廃物や外界から侵入物を洗い流す役目もあります。ドライアイで涙の量が減少すると、侵入物を洗い流すことができずに目の炎症をもたらすこともあります。さらに角膜に傷がついてしまうとますますドライアイが悪化してしまいます。
洗眼で異物を洗い流すことは炎症予防に繋がりますが、清涼感を与える成分や防腐剤が含まれている洗眼液を頻回に使用するのはドライアイの眼にとってはあまり良くありません。ドライアイの人は、防腐剤や刺激物の含まれていない目薬を用いて、洗い流すように洗眼することが適切です。
目薬を用いた洗眼の方法はとても簡単です。
1.上を向いて、清潔な手で上下のまぶたを開く。
2.上から3~4滴の目薬を点眼する。
3.そのまま 目をグルグル回して、すべての箇所が点眼液で洗い流されるようにする。
4.ティッシュなどであふれた液をそっと吸い取る。
朝起きたとき、外出から帰ったとき、掃除をしたあとやほこりっぽい場所にいた後などに行うとよいでしょう。
「ビタミンA」は目のビタミンと呼ばれるほど目の機能にとって必要な成分です。
角膜などの傷を治して正常に保持する作用があり、暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能にも関わっています。
ビタミンAが不足するとドライアイになったり夜盲症となります。
ビタミンAとして働く成分を多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、マーガリン、チーズ、卵、緑黄色野菜などです。食品から摂取し難い人はサプリメントもおすすめですが、ビタミンAは脂溶性ビタミンですので過剰摂取には要注意です。必ず用量を守って摂ってください。
「オメガ3脂肪酸」もドライアイに大変効果があります。オメガ3脂肪酸とは「DHA」、「EPA」、「ガンマリノレイン酸」を含む必須脂肪酸の事で、厚生労働省が日本人が摂取すべき栄養素として推奨している成分です。オメガ3脂肪酸はマグロ、サバ、ブリ、イワシなどの魚の油やエゴマ油、亜麻仁油などの植物性油に多く含まれています。海外では実際にドライアイの患者にオメガ3脂肪酸を含むサプリメントを投与し、症状の著しい改善が見られたという報告もあります。
オメガ3脂肪酸は熱に弱く、加熱調理で壊れてしまうため「お刺身」で食べるか、加熱する場合は溶け出した油も摂取できるスープや煮物などがおすすめです。
また、オメガ3脂肪酸は酸化しやすいので、体内に入った後の酸化を防ぐために、抗酸化作用の高いビタミンEやビタミンC等と同時に摂取する事が理想的です。しかし、お刺身をたくさん食べるのも意外と大変です。こんな時はサプリメントを上手に活用するのもおすすめです。