暑い夏、熱中症や脱水症についてのニュースを毎日のように耳にします。夏はどうしても奪われる水分量が多くなるため、補給する水分の内容や量に配慮する必要があります。
体の水分を総称して「体液」と呼び、血液、リンパ液、消化液などがあります。
主成分は水で、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの電解質、ブドウ糖、たんぱく質、尿素などの非電解質から構成されています。
体液は、年齢や性別、体格によって含有率が異なりますが、新生児から小児では、体の約70~80%、成人は約60%、高齢者は約50%を占め、成人・高齢になるほど減少します。体液の主な働きは、必要な酸素や栄養素を細胞に運ぶ、不要になった老廃物を運び出す、体温を調節することです。
夏に大量の汗をかくと、水分とともにナトリウムなどの電解質も失われるため、その分を補給することが大切です。最近は夏の水分補給として、
スポーツドリンクや
経口補水液も多くの種類が販売されています。これらの違いは何でしょうか?
スポーツドリンクは、水分・ミネラルの補給を目的としたもので電解質濃度が低く、糖質の量が多いのが特徴です。
経口補水液は、水分、塩分、糖分、カリウムなどが体に最も吸収されやすいように適切な割合で配合されたものです。
軽い運動や入浴などの軽度の発汗では、失われるナトリウムの濃度はそれほど高くないため、
スポーツドリンクで十分です。ただし、少し汗の量が多いと感じたときは、ナトリウム濃度が高めのスポーツドリンクを選びましょう。 発熱、下痢、嘔吐があるときは、多くの電解質が失われているため、
経口補水液を選びます。
また注意したいのが、日常生活の中でそれほど汗をかいていなければ、失われる電解質の量も少ないため、必ずしもスポーツドリンクや経口補水液を摂る必要はなく水やお茶で十分です。のどの渇きを感じる前にこまめに補給するようにしましょう。