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管理栄養士監修!食を通じた様々な話題をまとめたコラムとレシピをお届け! 健康づくりには、正しい栄養や食事が重要です。毎日の暮らしの中で役立つ情報を、管理栄養士がご紹介します。

2023.4.28

第50回 便秘を解消しよう

若い人から高齢の人まで起こりうる「便秘」は腹痛、お腹が張る、食欲不振、肌荒れなど日常生活に支障をきたすこともあります。人によってその原因はさまざまで食生活の偏り、運動不足、不規則な生活、ストレスによるものなどです。

便はどのようにして作られる? 

便は食べ物から必要な栄養素を吸収した後の残りかす。食べた物は、胃で消化され小腸で栄養素が吸収されます。そして、この吸収された残りかすに消化液が加わった大量の水分が大腸に流れます。大腸で徐々に水分が吸収され、液状→半流動状→粥状→半粥状→固形化と、形のよい、程よい固さになって便が直腸に達すると排便の信号が脳に伝わり便意を感じるようになります。
便秘の場合、大腸の蠕動(ぜんどう)運動(腸の中を移動したり便を排出させる動き)が弱まり、ゆっくり大腸を通過するため水分がより多く吸収されてしまい固い便になります。逆に下痢の場合は、大腸を早く通過するためほとんど水分が吸収されません。

便秘とは? 

慢性便秘症診療ガイドラインでは、便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されていて、「何日以上」という具体的な日にちは定められていません。毎日出ても少量で残便感や不快さがあれば便秘であるといえます。一方2日~3日に1回の排便でも十分量であれば便秘とはいえないこともあります。個々によってその幅は異なります

便秘の種類 

便秘は、なんらかの病気により腸の内腔が狭くなって起こる器質性便秘と、大腸の働きの異常によって起こる機能性便秘があります。器質性便秘は医療機関での治療が必要となります。機能性便秘はさらに、直腸性・弛緩(しかん)性・痙攣(けいれん)性に分類されます。
機能性便秘の種類

便秘予防対策

まずは日頃から便秘にならないような生活習慣を心がけましょう。
(1) 朝食を摂る
朝食を摂ると、腸に刺激を与え快適な排便へ導きます。簡単なものでよいので摂るようにしましょう。

(2) 水分補給は十分に
起床後、牛乳や水をコップ1~2杯飲むと腸を刺激し排便を促します。また十分な水分は便を柔らかく出しやすくします。とくに便秘の時は、腸に便が長く留まり、水分吸収されて便が固くなるため、水分を十分摂ることが必要です。

(3) 食物繊維を積極的に摂る
食物繊維には水溶性不溶性があります。水溶性は便を柔らかくして腸を通過しやすくし、不溶性は水分を吸収して膨れ、便のかさを増やし、腸管を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。

(4) 発酵食品を積極的に摂る
みそ、納豆、漬物、チーズ等の発酵食品は、乳酸菌等の善玉菌を含んでいます。さらに善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を一緒に摂ると、より善玉菌を増やし腸内細菌のバランスを整えてくれます。
[オリゴ糖を含む食品…アスパラガス、ごぼう、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、バナナ等]

(5) 腸を刺激する食品を活用する
香辛料、酢、果物、炭酸飲料、アルコール等は腸を刺激し排便を促します。ただし痙攣性便秘の場合これらは控えます。

(6) 油を適度に摂る
油を適度に摂ることで、大腸の蠕動運動を刺激し、また便が適度に油分を含んで便のすべりも良くなります。とくに不飽和脂肪酸(オレイン酸、α-リノレン酸、EPA、DHA等)は、便の水分を保持し便を柔らかくする働きがあります。魚や亜麻仁油、オリーブオイル等がおすすめです。

(7) 朝トイレにいく習慣をつける
朝食後、便意がなくてもトイレにいく時間と余裕を作りましょう。

(8) 腸を動かす適度な運動やマッサージを
例えば、食後に散歩をする、上半身をねじる、寝そべってお腹を「の」の字にマッサージする等で腸に刺激を与えて、蠕動運動を活発にしましょう。

お腹マッサージ

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維 

便秘の改善に欠かせない食物繊維には、水溶性不溶性があります。水溶性は、水に溶けてゲル状になり便をやわらかくします。不溶性は、水分を吸収して便のかさを増し、腸管を刺激して排便を促します。下の表は、食物繊維が多い食品を水溶性・不溶性別に量を記したものです。ただし、痙攣性便秘の方は、腸を刺激する不溶性食物繊維の摂りすぎに注意しましょう。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

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★おすすめレシピ★ローズマリーのじゃがいも炒め

じゃがいもは、1個あたり(可食部100g)食物繊維が8.9gも含まれている優秀食材。ただし糖質量が多いため、摂り過ぎには気をつけましょう。
ローズマリーのじゃがいも炒め
<材料>4人分 
<調理時間>35分
1人分あたり:エネルギー104kcal、食物繊維 8.9g、塩分0.2g
じゃがいも 4個
にんにく  1片
ローズマリー 3本
オリーブ油 大さじ1
ハーブ塩など 適宜
胡椒 適宜

作り方

  1. にんにくは皮をむいて包丁で押しつぶす。ローズマリーは枝から葉を取る。
  2. じゃがいもをよく洗い、1個を4等分に切る。
  3. フライパンにオリーブ油を熱し、にんにくを入れて香りがしてきたらじゃがいもを入れて中火で約20分焼く。
    途中色目がついてきたころ、ローズマリーを入れ蓋をして蒸し焼きにする。
  4. 仕上げにハーブ塩や胡椒で味を調える。