食の健康コラム |砂糖| e健康ショップ

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ホーム > コラム > 砂糖

2016.6.10更新

Vol.30　砂糖

砂糖は料理に甘さや美味しさを与えてくれる一方で、太る・虫歯になる・血糖値を上げてしまうなどと、悪者にされがちな食材です。今回はそんな砂糖について少しご紹介しましょう。

砂糖は、さとうきびの茎やテンサイの根に含まれる汁を搾り、加熱濃縮し結晶させたものです。どちらも結晶の成分は「ショ糖」（ブドウ糖と果糖が一つづつ結びついたもの）です。6～7世紀ごろ、初めてつくられた砂糖の原料はさとうきびで、テンサイの砂糖が製造されたのは、18～19世紀になってからです。日本では、沖縄県や鹿児島県でさとうきびが、北海道でテンサイが栽培されています。砂糖の日本の自給率は、約30％です。

一般に市販されている砂糖は、製造工程によって下のように分類されます。

砂糖の種類

黒糖・黒砂糖	さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めたもの。濃厚な甘さと強い風味があり、沖縄県や鹿児島県の南西諸島で作られている。
加工黒糖	粗糖や糖みつ等に黒糖（黒砂糖）を加えて加工したもの。黒糖（黒砂糖）の含有量は製品の5％以上とされている。
赤糖	粗糖や糖みつ等を主原料に製造された砂糖。
上白糖	結晶が細かく、しっとりとソフトな風味を持つ。しっとり感を出すためビスコ(糖液)をかけている。何にでも合い、国内で使用されている砂糖の約半分を占める。
三温糖	糖液を煮詰めることで茶褐色となっている。特有の風味を持ち甘さも強く煮物、佃煮などに適している。
グラニュー糖	結晶が上白糖よりも大きく、サラサラとしたクセのない甘さを持つ。コーヒー、紅茶に最適で菓子用や料理用にも広く使われる。
粉砂糖	グラニュー糖などの純度の高い砂糖を細かくすりつぶしたもの。果物にかけたりケーキやクッキーのアイシング、洋菓子のデコレーションに使う。

砂糖のはたらき

人間の脳は、体重の2％にすぎませんが、血液中の糖質（ブドウ糖）のみをエネルギー源として利用しています。脳は体全体のエネルギーの15～20％を使います。お腹が空いている時など血糖値が低い状態のときに砂糖を摂ると、消化吸収が速いため素早く血糖値を上げてくれて、脳が働くようになります。他に、疲労回復を促す、脳内の神経物質に働きリラックスさせる効果もあるといわれています。

調理と砂糖

水分を取り込む

生クリームのホイップや卵白の泡立ては、砂糖を入れるとうまくいきます。砂糖には水分を取り込む性質があるため、食品の水分が保たれて固くなりにくくなります。（例：すし飯、パン）

タンパク質が固まるのを抑える

たんぱく質は、熱によって固まりますが、砂糖を使うと、たんぱく質が固まる温度が上がるため、たんぱく質が固まりにくくなり料理がやわらかく仕上がります。（例：肉料理、プリン）

香りをひきたてる

砂糖には食べ物のにおい成分をとりこむ働きがあり、肉や魚の料理に砂糖を加えると、生臭さが消えます。さらに熱を加えることで、砂糖とたんぱく質が変化を起こして（アミノ・カルボニル反応）、焼き色をつけて香りが漂うようになります。（例：魚の照り焼き、ケーキ）

食品を長持ちさせる

砂糖は、水分を取り込む力が強いため、カビや細菌をよせつけない働きがあり、長持ちさせます。（例：きんとん、砂糖漬け）

摂り過ぎると、どうなる？？

砂糖に限らず、砂糖を含んだジュースや菓子などを摂り過ぎることは、血液中の中性脂肪やコレステロールを上昇させやすく、また必要以上に血糖値を上昇させるためインスリン分泌量が多くなり、体脂肪がつきやすくなります。

砂糖は、体にとって重要なエネルギー源ですが、過剰に摂ることは肥満や糖尿病、脂質異常症などを招くことになります。疲れや心を癒してくれる砂糖ですが、摂り過ぎには気をつけましょう。

やわらか牛丼

肉を砂糖と揉み込んで、やわらかくしてから煮ます！