2015.12.11更新
Vol.24 上手に減塩しよう
生命活動に「塩分」は必要不可欠なものですが、塩分の摂り過ぎは、日本でもっとも患者数の多い生活習慣病である高血圧や腎臓病の主な原因となります。高血圧治療ガイドラインでは、1日食塩摂取量6g未満が目標とされています。厚生労働省による平成25年国民健康・栄養調査結果では、成人1日あたりの塩分平均摂取量は、男性11.1g、女性9.4gで年々摂取量は減ってきています。
塩分を1g減らすと、収縮期血圧は、高血圧の人で1.0mmHg、高血圧でない人で0.5mmHg低下するといわれています。塩分が気になっている人は、毎日の中でできることから始めてみましょう。
1、漬物の食べ方を考えよう
漬物は食べてわかるとおり高塩分です。なるべく浅漬けや即席漬けを選びましょう。またごはんのときだけでなく、しょうゆや塩などの調味料代わりとして、サラダや和え物、冷奴、パスタ、揚げ物などに漬物を使うのもいいでしょう。
2、麺類の汁は残そう
ラーメン屋さんへ行くと、つい汁を飲みきっていませんか?少しの量でも汁を残すことで、体に入る塩分量は変わります。また、汁を飲まない人でも、麺そのものや麺にも汁がからんでいるため、塩分が含まれていることを忘れないようにしましょう。
体に入る塩分量 |
かけそば (1杯) |
しょうゆラーメン (1杯) |
すべて飲んだ |
6.4g |
8.1g |
つゆを1/2残した |
3.2g |
4.6g |
つゆを1/3残した |
4.3g |
5.8g |
スープの塩分は みそ < とんこつ < しょうゆ < 塩 の順に多くなります。
3、食材の風味やうまみをいかそう
自然の食材の風味や旨味を利用することで、加える塩分の量が少なくても、食材本来の味を楽しむことができます。旨味成分たっぷりの昆布、かつお節、干し貝柱、干しえび、干し椎茸などを利用してみましょう。
食材 |
旨味成分 |
特徴 |
アサリ・ハマグリ |
アラニン、グリシン、グルタミン酸など |
加熱時間が長いと固くなるため短く |
ホタテ |
グルタミン酸、イノシン酸など |
生より干した方が成分が凝縮している |
桜えび |
グルタミン酸 |
旨味と塩分があり塩の代わりに使える |
きのこ類 |
グルタミン酸、グアニル酸 |
弱火で加熱すると旨味成分が水分と流れ出るため強火で手早く加熱する |
こんぶ |
グルタミン酸、マンニット(表面の白い粉) |
表面の白い粉は洗い流さずふきんで軽くこする程度で |
玉ねぎ |
グルタミン酸 |
加熱すると甘味が増し旨味成分もアップ |
4、汁物は天然だしで具だくさんに ~1日1杯を目安に~
味噌汁1杯には、1.5~2.0gの塩分があります。1食ごとに摂ると1日の摂取量を超えてしまうため、スープや味噌汁などの汁物は、1日1杯までにしましょう。そのためには、味噌の量を減らすだけでなく、かつお節や煮干し、こんぶなどからしっかりだしをとりましょう。
5、しょうゆ、ソースなどは、付けて食べよう
たとえばとんかつを食べるとき、ソースをかけますか?それとも付けますか?とんかつ1枚に、たっぷりソースをかけた場合は塩分1.1g(大さじ1強)、少なめにかけた場合は塩分0.6g(大さじ2/3弱)、付けた場合は塩分0.3g(小さじ1)の塩分になります。とんかつを食べるときは、ぜひ「付ける」ようにしましょう。
さらにソースを、ぽん酢やレモン汁で薄めると、より減塩になります。
6、食品に含まれる塩分量を確認しよう
食品に含まれる塩分量を知っておくことも、減塩をしていくうえで大切です。とくに加工食品やインスタント食品は、製造の過程などで塩分が多く含まれるため、気をつけてとりたい食品です。食べる前に、栄養成分表示をチェックする習慣をつけましょう。2015年4月1日から施行された「食品表示法」により、ナトリウム量の表示だけでなく、「食塩相当量」の表示が義務付けられることになりました。(生鮮食品については
4月から1年半、加工食品については5年の経過措置があります。)
インスタントスープ |
1袋 |
約1.5g |
インスタント麺 |
1個 |
約5.0g |
即席みそ汁 |
1人分 |
約2.4g |
レトルトカレー |
1人分 |
約2.5~3.0g |
また、食品の中にどのくらいの塩分が入っているかは、下のPDF『食品の塩分はどのくらい?』の表をぜひ参考にしてみてください。

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7、酸味や香り、香辛料を上手に利用
ハーブ、香辛料、酢や柑橘類を、焼き物や煮物、酢の物、汁物などの料理に入れると、しょうゆや塩などの塩分が少なくてすみ、また味にアクセントを付けることができます。
香辛料 |
こしょう、わさび、からし、山椒、一味・七味唐辛子、カレー粉、マスタードなど |
柑橘類 |
ゆず、レモン、すだち、かぼす、グレープフルーツ、シークワーサー、オレンジなど |
香味野菜 |
ねぎ、しょうが、パセリ、みつば、みょうが、にんにく、青じそ、セロリ、バジル、ローズマリー、タイムなど |
たとえば、炒め物は、ねぎ、しょうが、にんにくをたっぷり入れて香りを出してから他の食材を入れる、煮物は薄味にして七味唐辛子をふりかける、揚げ物や魚には、しょうゆではなくレモンをかける などです。
8、調理法を工夫しよう
調理の過程で、少し工夫をすることで減塩につながります。そして温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるようにしましょう。
焼き魚 |
下味の塩をふらないで、食べる直前にしょうゆを少しかける
すだちやレモンなどの柑橘類を絞る
|
煮物 |
みりんや砂糖の量が増えると、しょうゆなどの塩分量も増えるため少なめに
こんぶや煮干し、かつおぶしなどの天然素材のだし汁を使う
|
揚げ物 |
下味は胡椒だけにして、塩はふらない
レモンやライムを絞って、ソースはかけずに食べる
かけるなら、どろっとした中濃ソースよりさらりとしたウスターソースを
|
酢の物 |
野菜に下味の塩を付けない
合わせ酢には塩を加えず、ごまやわさび、しょうがなどを入れて風味や味を補う
|
炒め物 |
2つ以上の食材を炒める場合、すべての食材に味を付けない
香味野菜を最初にじっくり炒めて香りを出す
|
最初は抵抗を感じてしまうかもしれませんが、毎日続けることによって習慣化されてきます。今日からできそうなことを、ぜひ試してみましょう。
ゴーヤとひき肉のサンチュ包み
香辛料と香味野菜を使った 簡単減塩レシピ♪
【材料】2人分【調理時間】15分
豚ひき肉:100g
ゴーヤ:1/2本
玉ねぎ:1/2個
サンチュ(レタスやえごまなどでもよい):6枚
油:大さじ1
カレー粉:大さじ1/2
トマトケチャップ:大さじ2
しょうが:小1片 (チューブ゙でも可)
【つくり方】
- ゴーヤは、わたを取り除いてみじん切りにする。玉ねぎ、しょうがもみじん切りにする。
- フライパンに油を入れて熱し豚ひき肉を入れ、火が通ったらゴーヤと玉ねぎを加えて、火が通るまで炒める。
- カレー粉を加えて十分に香りが出るまでよく炒め、トマトケチャップ、しょうがを入れてさらに炒める。
- 盛り付けて、サンチュで巻いて食べる。
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