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管理栄養士がお届けする食の健康コラム

2015.2.13更新

Vol.14 乳酸菌のチカラ

便秘やガスがたまりやすい、肌荒れ・にきびができやすいなどの不調はありませんか?それは腸内環境の悪化によるものかもしれません。

人の腸には、1000種類以上、9000兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しているといわれています。腸内細菌は大きく分けて、善玉菌悪玉菌、どちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌があります。健康な体を維持するためには、腸に「善玉菌」を増やすことが大切です。
「善玉菌」は、ビフィズス菌やブルガリア菌、ヤクルト菌などがあります。これらは乳糖やブドウ糖を食べて増殖し、乳酸や酢酸を作って腸を酸性にして悪玉菌が増えて腸が腐敗するのを防ぎます。また、便秘や下痢を防ぎ消化吸収を助けたり免疫細胞を活性化します。
一方「悪玉菌」には、ウェルシュ菌やブドウ球菌などがあり、タンパク質などを原料に発がん物質や有害物質をつくり出し、腸内を腐敗させます。「日和見菌(ひよりみきん)」は、腸が健康な場合はなにもせず、悪玉菌が増殖して腐敗すると一緒に悪い働きをします。腸内に悪玉菌が多いか善玉菌が多いかで、腸内環境は大きく変わります。この細菌のバランスは、人によって異なり年齢や食生活などによっても日々変化しています。

腸内細菌の一つである「乳酸菌」は、善玉菌です。ビフィズス菌、ヤクルト菌、LG21、ラブレ菌、KW乳酸菌、L29乳酸菌などがあり、小腸や大腸に住んでいます。

乳酸菌の主なはたらき

1.腸の運動を活発にして便通をスムーズにする
乳酸菌がつくる乳酸や酢酸などの酸性物質が、腸を刺激し蠕動運動を活発にして便を押し出します。
悪玉菌いっぱいの腸内では、便秘だけでなく肌に吹き出物ができることも。
乳酸菌によって腸が活発になり便通がよくなると、吹き出物もなく肌の新陳代謝がよくなります。腸の不調はお肌にも表れますョ!
2.悪玉菌がつくりだす有害物質を吸着して排出する
3.腸内の善玉菌を増やす
どうやって善玉菌を増やすの?

オリゴ糖が、乳酸菌などの善玉菌のエサになります。オリゴ糖を食べると腸内に善玉菌が増え、有害物質などの増殖を抑えて整腸作用を強めます。

オリゴ糖は、玉ねぎ、ネギ、キャベツ、ゴボウ、アスパラガス、ジャガイモ、ニンニク、トウモロコシ、大豆などに多く含まれています。
4.免疫力を高める
体には、外から侵入した病原菌に対して立ち向かって撃退をする防御システム(=免疫)があり、このシステムがはたらき、免疫細胞が活躍します。乳酸菌はウイルスや細菌などの病原菌が入ってくると、免疫細胞を活性化することで抵抗力を高めます。

このほかに乳酸菌は、胃潰瘍を起こすとされる“ピロリ菌”をやっつけるはたらきがあります。また乳酸菌が乳製品中のカゼインを分解することで作られるラクトペプチドは、血管収縮を促す酵素の働きを抑える働きがあるため高血圧を予防したり、乳酸菌が歯周病の原因菌を攻撃して口臭や炎症を抑えるといった働きも注目されています。

花粉などのアレルギーと乳酸菌の関係

L-92乳酸菌、KW乳酸菌、フェカリス菌といったものが花粉症の症状を緩和させるといわれています。花粉症などのアレルギー発症者は、Th1細胞とTh2細胞という2つの免疫細胞のバランスが崩れています。乳酸菌には、このTh1とTh2細胞のバランスを整える働きがあり、アレルギー症状を緩和するとされています。
※花粉症対策でこれらを含んだ乳酸菌の食品を摂る場合、花粉が飛び始める2カ月くらい前から摂るとよいでしょう。

大腸がんとの関係

近年大腸がん患者が増加傾向にあり、原因として動物性脂肪の過剰摂取、食物繊維の摂取不足、加齢による細胞の老化、免疫機能がうまく働かないことなどがあげられています。たとえば高脂肪や高たんぱく質の食生活を続けることで腸内に悪玉菌が優勢となり有害物質を作り出すため、腸が腐敗し発がん物質を作り出すともいわれています。そのため、善玉菌を増やすことは、大腸がんのリスクも低減されると考えられています。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌
乳酸菌は、大きく分けて植物性乳酸菌動物性乳酸菌に分けられます。一般的に植物性乳酸菌の方が酸に強く、腸内で生存する確率は動物性乳酸菌の10倍といわれており、苛酷な環境でも生き抜くことのできる強い菌です。
動物性は、乳糖をエサにして生きていきますが、植物性は、エサの種類が豊富で、ブドウ糖や果糖、ショ糖、麦芽糖などの多糖類を食べて生きていきます。また、動物性乳酸菌は塩分濃度が高いと生きていくことができず、植物性乳酸菌は高濃度でも生きることができます。植物性乳酸菌は、しょうゆ、みそやぬか漬け、しば漬け、酒など日本の伝統的な食品に多く含まれています。
なにから摂ればいいの?
乳酸菌は、発酵食品に豊富に含まれていますが、中でもヨーグルトは効率よく乳酸菌をとることができます。しかし乳酸菌を摂りいれても、その人の腸との相性が合わない場合があります。たとえば便通改善をしたい場合、1、2回ヨーグルトを食べて効果がないとやめてしまう方も多いですが、腸内環境を変えるためには2週間くらい同じ菌のヨーグルトを食べて、それでも改善が見られない場合は別の菌で試すようにしてみましょう。
トマトとヨーグルトのカプレーゼ
水切りヨーグルトでクリームチーズ風に!
トマトとヨーグルトのカプレーゼ
【材料】2人分【調理時間】10分※水切り時間は除く
トマト:1個
ヨーグルト:200g
バジル:適量
【A】
オリーブオイル:大さじ2
レモン汁:小さじ1
塩こしょう:適量
粗びき黒胡椒:適量

【つくり方】
  1. 【下準備】ボウルの上にざるを入れて、ガーゼまたはキッチンペーパーを敷いた上にヨーグルトをのせ、上からラップをかけて半日から1日置いて水切りをする。
  2. トマトを太めの薄切りにする。バジルは洗っておく。
  3. トマトの上に水切りヨーグルトをのせて順に並べ、バジルを散らす。
  4. 混ぜ合わせた【A】を(3)にかける。

★手軽に乳酸菌を!

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124円(税込)
フェカリス菌を含んだ、プレーンヨーグルト風味の乳酸菌ソーダです。

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1,296円(税込)
乳酸菌・ビフィズス菌と、ガラクトオリゴ糖や食物繊維を配合。ヨーグルト味の粉末タイプ。


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届く強さの乳酸菌(200mL)
154円(税込)
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