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管理栄養士がお届けする食の健康コラム

2014.5.15更新

Vol.6 食中毒対策

いよいよ夏が近づいてきました。梅雨から夏にかけては、気温や湿度が高く食品に付着している細菌の増殖が活発になるため食中毒が起こりやすくなります。食中毒にはどのような種類があるのか、どのような食材から起こりやすい、そして食中毒を予防するためには家庭でどのような点に気をつければよいかについてお伝えします。

食中毒は、食物に含まれている有害・有毒な原因物質を摂取することで発症しますが、その食中毒の原因によって下のように分類する事ができます。
厚生労働省のデータでは、平成25年の食中毒発生は931件、
うち飲食店での発生が549件と最も多く、次に家庭での食中毒が71件となっています。
また平成25年の食中毒の病因物質は、細菌性ウイルス性が全体の76%を占め、サバにいるアニサキスなどの寄生虫、フグや毒キノコなどの自然毒、農薬や漂白剤が食品中に生産・加工・保存・流通、消費の過程で混入した化学物質の順になっています。
1番発生件数の多い細菌性食中毒とは、食品中に増えた食中毒菌や、食中毒菌が産生した毒素を食べることなどで起きます。発生件数が最も多いのは「カンピロバクター」で、鶏肉を生で食べたり、加熱が不十分な場合に起こりやすく、細菌が増殖しやすい夏頃とくに多く発生します。症状は腹痛、下痢、吐き気、嘔吐や発熱、頭痛などです。

2番目に多いウイルス性食中毒とは、ノロウイルスによるものが代表的で、カキやハマグリなどの二枚貝や刺身などが原因となることが多く、秋から春先(11月~3月)にかけて集中発生します。症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱等です。


下は、食中毒の原因となる主な細菌の種類と関係する食材です。
細菌の種類 関係する主な食品群
病原性大腸菌 生や加熱不足の肉、殺菌不十分な生野菜など
サルモネラ属菌 卵、肉製品、牛乳など
腸炎ビブリオ 海産魚介類、さしみ、野菜の浅漬けなど
カンピロバクター 生の鶏肉や牛レバーなど
黄色ブドウ球菌 素手でにぎったおにぎり、サンドイッチ、ケーキなど
ボツリヌス菌 自家製の海産物や、保存状態の悪いびん詰など
ウエルシュ菌 スープ、食肉、魚介類の加熱調理食品(肉ダンゴ、肉煮付けなど)
セレウス菌 焼飯、チャーハン、ピラフなど
●プチコラム
これからの時期、外でバーベキューや焼き肉をすることが多くなりますが、細菌性で最も多いのは「カンピロバクター」で、鶏肉の加熱不足が大きな原因です。鶏肉は時間をかけてよく加熱し、中心の色が変わってから食べること、準備の際に生肉と野菜は別々のお皿にする、生肉専用の箸を用意し、生肉を触った箸で食事をしないなど、菌を食べないように気をつけましょう。
これらにあげてきた食中毒の原因として、食材の洗い方や加熱が不十分であったり、保存・保管の仕方が適切でない、手の洗浄をしっかりと行わずに調理をした、まな板や包丁などからうつる二次感染などがあります。

【家庭での調理で気をつけること】

食品の購入
新鮮な食品を取り扱っていたり、冷蔵・冷凍ケースでの保存がしっかりできている店を選ぶ
・消費期限を確認する
・肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる
・冷蔵・冷凍品を購入したら、なるべくすぐに帰る
・食品は、必要な量だけ買う
・肉や魚介類、卵、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入する
保存
・冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保存する
・常温保存できる食品であっても、高温になりやすい場所、日光のあたる場所、湿気が多い場所での保存は避ける
・開封、開栓した食品は、早めに使い切る
・肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする
冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下に保つ
下準備
・石けんで丁寧に手を洗う
・野菜などの食材を流水できれいに洗う(カット野菜もよく洗う)
・生肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理の済んだものにかからないようにする
生肉や魚、卵を触ったら手を洗う
・包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けると安心。使用して洗った後、熱湯をかけて殺菌する
・冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用し、自然解凍は避ける
・使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる 
調理
・調理の前に手を洗う
・調理を始める前に、キッチンの汚れをチェック。タオルやふきんは、清潔にしておく
・肉や魚は十分に加熱。中心部を75度で1分間以上の加熱が目安
食事
・食べる前に石けんで手を洗う
作った料理は、長時間、室温に放置しない
・盛りつけは清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に
・余った料理を温め直すときは、十分に加熱する
もしも食中毒になってしまったら・・・
食中毒の主症状は下痢や嘔吐、腹痛、発熱です。症状が激しいと体力を消耗し、体内の水分やミネラルが欠乏する脱水症状に陥る可能性があるため、ミネラルと水分を補う必要があります。重症の下痢のときの食事は、白湯、重湯、野菜スープ、スポーツ飲料、味噌汁などとり、軽症、回復してきたら、おかゆ、煮込みうどん、ウェハース、ポテトの裏ごし、豆腐、半熟卵、白身魚などが消化によくおすすめです。また冷たい飲み物は胃腸を刺激しますので、常温でとりましょう
お粥は、胃腸への負担が少なくおすすめです。水の比率(体積比)を変えることで3分粥、5分粥と硬さを調節することができます。今回は、米から作る方法と炊いたごはんから作る方法をご紹介します。
米からつくるおかゆ
米からつくるおかゆ
【材料】     【調理時間】約1時間35分
米 : 下記表を参考に
水 : 下記表を参考に



たとえば、5分粥を1人分作る際は、米20ccと水200ccくらいで作ることができます。しかし量が少ないと焦げやすくなりますので、少し多めに作って保存容器に入れ冷凍しておくこともおすすめです。
【つくり方】
  1. 米を洗って30分程水につける。
  2. 厚手の鍋に米と分量の水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、1~2cmほど隙間ができるようにふたをずらして約1時間炊く。(むやみにかき混ぜないようにする) 途中水分が少なくなったら、少量の水を足す。
  3. 火を止め、フタをきっちりして5分間蒸らす。
ごはんからつくるおかゆ
ごはんからつくるおかゆ
【材料】      【調理時間】約35分
米 : 下記表を参考に
水 : 下記表を参考に



【つくり方】
  1. 厚手の鍋にご飯と分量の水を入れてふたをして火にかける。
  2. 沸騰したら弱火にし、1~2cmほど隙間ができるようにふたをずらして、吹きこぼれないように気をつけながら20分程炊く。
  3. 火を止めて、フタをしたまま5分間蒸らす。
家でできる!経口補水液の作り方
食中毒になってしまった場合、下痢や嘔吐などにより脱水状態を来たしやすいため、水分やミネラルが補給できる経口補水液が有効です。いざというときに、家庭で作れる簡単な方法をご紹介します。
家でできる!経口補水液
【材料】      【調理時間】約30秒
砂糖 : 20~40g (大さじ4と1/2)
食塩 : 3g (小さじ1/2)
水   : 1L 
【つくり方】
  1. 上記材料を合わせると、出来上がり!
    ★飲みにくい場合は、レモン果汁やグレープフルーツ果汁を少し加えると、飲みやすくなります。


★家庭での食中毒対策に!

消毒用エタノール(500mL)
第3類医薬品
1,404円(税込)
お酒と同じ成分のアルコールなので安全。冷蔵庫・まな板・食器類の洗浄消毒に!

フルーツ除菌 アルコールスプレー(400mL)
562円(税込)
食品に使われるアルコールとフルーツ成分を使用。ウイルスやバイ菌をしっかり除去!


キッチンミューズ 本体(250mL)
医薬部外品
505円(税込)
幅広いバイ菌をしっかり殺菌・消毒。魚や肉などの手についたニオイもサッと落とします。

ハンドラボ 手指消毒ハンドジェルVS(300mL)
医薬部外品
756円(税込)
ノンエンベロープウイルスを含む幅広いウイルス・細菌に効く!


スコッティ ハンドタオル100(200枚(100組))
124円(税込)
ソフトタイプだから、手にやさしい!使い捨て商品なので、とても衛生的です。

アルコール除菌タオル(100枚入)
562円(税込)
天然成分(天然発酵アルコール+グレープフルーツ種子エキス)配合。拭くだけで強力除菌!