管理栄養士監修!食を通じた様々な話題をまとめたコラムとレシピをお届け!
健康づくりには、正しい栄養や食事が重要です。
毎日の暮らしの中で役立つ情報を、管理栄養士がご紹介します。
第1回 冷え性について
冷えって?!
人は、食べること・体を動かすことで内臓や筋肉で熱を作り出し、その熱が血液によって体のすみずみまで運ばれ、細胞に酸素と栄養を供給することで体温をキープしています。しかし7℃以上の温度差やストレス、服装のしめつけや露出、女性ホルモンのバランスが崩れる(生理痛、生理不順、月経前症候群など)などにより自律神経が乱れることで、体温調節がうまくできなくなります。血液の循環が悪くなると、体の熱がうまく流れていかず、末端の細胞に酸素や栄養素を供給できなくなり、排出されるはずの老廃物もたまったままになるため、細胞の代謝が進まず、手足などの末端から温度が下がってしまいます。これによって低体温を招き、手足や腰などがいつも冷たく感じられる症状がおこってきます。
冷えるとどうなるの?!
冷えからくる体のトラブルには、手足が冷たい、肩こり、白髪が増えた、抜け毛が多い、生理痛がつらい、生理不順、太りやすい、肌が荒れる、むくみがひどい、風邪をひきやすい、下痢、便秘 などの症状がみられることがあります。
さらに、体の冷えから内臓も十分な働きができないために、アレルギー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症、子宮内膜症・不妊症などの婦人科疾患、更年期障害、メタボ、うつ病、がんなど様々な病気を引き起こすといわれています。
食事と冷えとのカンケイ
無理なダイエットなどで食事量が少なくなったり、栄養バランスが悪いと、吸収される栄養素が少なく体の中で作りだすエネルギーが少なくなるため、冷えや低体温を招きます。冷えが気になる人は、常温より冷えているものはなるべく食べない・飲まない、加熱したものを食べるようにする、体を温めるといわれている食材を意識してとるなどの工夫をしてみましょう。
冷え症の方におすすめの栄養素としては、熱エネルギー源となり代謝を上げるたんぱく質(納豆、豆腐などの大豆製品、牛乳、卵、チーズなどの乳製品、あじ、カツオなどの魚類、牛、豚、鶏などの肉類)、糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変えて体温を上昇させるビタミンB群(豚肉、ハム、玄米、そば、ピーナッツ、レバー、うなぎ、卵、チーズ、納豆、さば、カレイ、ししゃも)、末梢血管を拡張して血行をよくし新陳代謝を高めるビタミンE(かぼちゃ、アボカド、あじ、アーモンド、ピーナッツ、松の実、植物油、ごま) 、血液に含まれるヘモグロビンの合成に必要で、体の各器官に酸素を運ぶ鉄分(レバー、ひじき、切干大根、ホウレンソウ、小松菜、ピーマン、わかさぎ、あさり、しじみ、大豆、高野豆腐)をとることを意識してみましょう。
体を温めやすい食べ物には、寒い地方で採れたり冬が旬のもの、色が濃いもの、地下で育つもの(根菜類)、塩分が多いもの、辛さのあるもの、色の濃いもの、発酵食品などがあります。
体を冷やしやすい食べ物には、暖かい地方(南国等)で採れたり夏が旬のもの、地上で育つもの、白っぽいものなどがあります。例えば、バナナ、マンゴー、パイナップルといった南国が産地のもの、ブラジルやエチオピアなど暑い地域で収穫されるコーヒーは、体を冷やす性質のものが多くあります。
トマト、きゅうり、レタスなどの生野菜は、体を冷やしやすいため、蒸したり茹でたりと加熱してとるのがおすすめです。体を冷やす食べ物は、加熱調理をしたり、生姜、こしょう、山椒、にんにく、みそといった体をあたためる調味料と一緒に調理することで、冷やす性質が弱まります。
種類 |
体を温める食べ物・飲み物 |
体を冷やす食べ物・飲み物 |
食材 |
鶏肉、ねぎ、たまねぎ、ニンジン、しょうが、にんにく、ごぼう、かぼちゃ、にら、れんこん、桃、くるみ、くり、松の実、玄米、もち米、納豆、チーズ |
きゅうり、なす、レタス、セロリ、もやし、トマト、しめじ、バナナ、パイナップル、みかん、キウイ、白いパン、大麦、あさり、カニ、タコ、わかめ、チョコレート、ケーキ |
飲料 |
生姜湯、ほうじ茶、紅茶、ココア、日本酒、葛湯、甘酒 |
コーヒー、緑茶、ビール、清涼飲料水 等 |
調味料等 |
みそ、からし、酢、山椒、黒砂糖、赤唐辛子 |
白砂糖、食品添加物、合成甘味料、化学調味料 |
(カラダを温める・冷やす食べ物については、書籍も多く出版されており、著者によって分類には若干の差があります)
★体を温める主なスパイス
スパイス |
期待できる効果 |
唐辛子 |
辛味成分・カプサイシンが血流をよくし、体温を上昇させる。高い発汗作用あり |
しょうが |
加熱すると、辛味成分ジンゲロールがショウガオールに変わる。発汗を促す働きがあり、末端部分まで血液を行きわたらせる |
胡椒 |
辛味成分ピペリンは、新陳代謝を活発にし、血液の循環をよくし代謝を上げる |
山椒 |
辛味成分・サンショオールは、新陳代謝を活発にする。とくにお腹を温める |
桂皮(シナモン) |
末梢血管の拡張作用があり、血行を改善する。発汗作用・殺菌作用がある |
八角 |
喉の炎症を抑え、冷え症の緩和、消化促進作用がある |
POINT!紅茶やコーヒーにシナモンをふりかけたり、そば・うどんにも七味唐辛子をかけたりすると手軽にとれます。
体あたため代表格“しょうが”に含まれるショウガオール、ジンゲロールという辛味成分には、からだを温める効果があります。今日は冷えがつらい!!というときには、しょうがたっぷりの食事をしましょう。毎日の生活に取り込んでいけば、代謝や免疫力が上がるなど、体質改善に役立ちます。紅茶にジンジャーパウダーや生姜をすり入れた生姜紅茶もおすすめです。1日分の目安は、生しょうがなら、親指の先ぐらいの大きさ。チューブのしょうがなら、10~15cm程度です。
体を温める食材を使ったレシピ
【材料】2~3人分
鶏もも肉 : 1枚
長ねぎ : 2本
エリンギ : 2本
しょうが : 1かけ~2かけ(お好みで)
赤唐辛子 : 1本
オリーブ油 : 少々
水 : 1/3カップ
A・酒 : 大さじ2
A・砂糖 : 大さじ1/2
A・しょうゆ : 大さじ1と1/2
つくり方
- 鶏もも肉は1口大、長ねぎ2本は5cmに切り、エリンギは4~8等分の食べやすい大きさに切り、しょうがは千切りにする。赤唐辛子は、種をとって小口切りにする。
- フライパンにオリーブ油を入れてなじんだら、鶏肉の皮を下にして焼き色がつくまで3分程度焼く。
- 焼き目がついたら、裏返して1分ほど焼く。(脂が多く出たら、キッチンペーパーなどで吸い取っておきましょう)
- ねぎを入れて焼き目を入れ、エリンギ、しょうが、赤唐辛子を入れて軽く炒める。
- 水とAを入れて、ふたをする。
- 5~10分煮たらふたをとり、汁気がなくなるまで煮る。
【材料】1人分
紅茶の茶葉 : スプーンにたっぷり1杯分
ジンジャーパウダー : 小さじ1程度(お好みで)
湯 : カップ8分目くらい
牛乳 : カップ半分くらい
つくり方
- カップ8分目くらいの水を鍋に入れて、沸騰させる。
- 茶葉を入れて、2分程度紅茶を濃く浸出させる。
- ジンジャーパウダーを小さじ1杯程度入れ、よく混ぜる。(砂糖はお好みで)
- 30秒ほどたったら、カップ半分くらいの牛乳を入れ、沸騰直前に火を止めて、茶こしで茶葉を濾してカップに入れる。
588円(税込)
中華料理や魚料理をはじめ、ジンジャークッキーやジンジャーティーとしてティータイムにもお楽しみ下さい。
168円(税込)
牛の濃厚な旨みが溶け込んだスープに赤唐辛子がガツンと利いた、クセになる辛さのユッケジャンです。ご飯やおにぎりを入れてクッパにしてもおいしく食べられます。
525円(税込)
厳選された静岡県産の煎茶にフレーバーをバランスよくミックスしたお茶です。
ほっこり心が和む甘くほろ苦い香り。
315円(税込)
有機大根100%使用のこだわりのしょうが湯です。
身体温まるしょうが湯に、有機栽培に取り組む方々の農場で採れた大根を丸ごと加えました。
1,050円(税込)
高知県産の酒粕を風味豊かなまま乾燥させ、砂糖や馬鈴薯でんぷんで甘みととろみをつけた、しょうが風味の甘酒です。
462円(税込)
しっかりとしたココアのコクに豊かなミルクの味と香りが広がります。お好みの量や濃さで楽しめます。
~おまけの冷え症対策~
★お風呂に入ってポカポカ
お風呂は体の汚れを落とす時間なんて思っていませんか?体を休める副交感神経が優位になり、毛細血管が広がって血流がよくなります。38~40度のお湯に、20~30分つかるようにしてみましょう。バスソルトや炭酸ガス入り入浴剤、日本酒や薬草を入れると、入浴後の保温効果もあります。
★筋肉をきたえて、熱をつくる
毎日の生活の中で、少しでも歩いたり運動をしたりする時間をもち、積極的に体を動かして筋肉を使いましょう。基礎代謝が上がり、熱エネルギーを作りだす体になります。ヨガ、ラジオ体操やダンベル体操、バランスボールエクササイズも筋肉を強化します。
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