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管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。 このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。 食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。

2016.8.26更新

第31回 高齢者のフレイル

厚生労働省は、2014年度の要支援・要介護の認定者が600万人を超えたことを発表しました。これは、前年度より22万人増え、認定率は17.9%とこれまでで最も多くなっています。2014年度の介護保険の給付費は、これまでで最も多い8兆9005億円。高齢者1人あたりの給付費は、前年度より4000円高い27万円で過去最高となっています。一方で国の財源はきびしく要介護1や2の人の給付縮小を検討するなどとあわせ、介護状態になることを防ぐため、早期発見・早期介入が望まれています。

最近「フレイル」や「サルコペニア」という言葉がよく取り上げられています。
元々「frailty(フレイルティ)」=虚弱・弱さ という意味で欧米では20年前から医療現場で使われていたそうです。日本老年医学会では、「フレイル」を「高齢期に生理的予備能力が低下することでストレスに対する脆弱性が更新し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、
筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念」と定義しています。
また、厚生労働省では、「加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能など)が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態」としています。

フレイルは、健常な状態と要介護状態の中間の状態です。
フレイルの状態の方は、健常の人に比べて、要介護状態に至る危険性が高いだけではなく、生命予後が悪く、入院のリスクが高く、転倒する可能性も高いと言われています。

フレイルが起こるのは下図のように、高齢者は種々の要因で活動量の低下や食欲低下などによって栄養摂取量が減少しやすくなり、それが低栄養、サルコペニア(筋肉量減少を主体とした筋力・身体機能の低下)につながり、筋量が減少することで基礎代謝量も低下し、さらに活動量が低下する・・・というスパイラルがあります。


以下の5つのうち、3つ以上が該当するとフレイルとみなされます。

フレイルを予防するために食事でできること

特に、筋肉のもとになる「たんぱく質」を摂ることが大切です。 肉や魚、大豆製品や卵、牛乳といったたんぱく質の多い食品は、なるべく毎食摂るようにしましょう。しかし食事から摂ることが難しい場合は、プリンやバニラなどのアイスクリームや栄養補助食品等からも摂ることができます。食品の栄養成分をみて、たんぱく質が多くて食べやすいものを選択しましょう。

食事だけでなく、たとえば退職後には地域の趣味のグループに入る、介護予防教室に参加するなど社会性・活動性を維持する、要支援・要介護状態であれば、介護保険による社会資源、たとえば通所リハを利用して身体機能の維持・向上を図るなどで、筋力・体力・活動性をなるべく維持するようにしましょう。

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