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管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。 このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。 食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。

2015.3.19更新

Vol.14 食事中の『むせ』を防ごう!

むせは、食べ物や飲み物が気管に入ってしまったために起こる、誤嚥(ごえん)の症状です。
むせが起こる原因として考えられるのは、食べるときの姿勢が不安定であったり嚥下(えんげ)力が弱くなっていること、食べ物の形態が合わない、塩味や酸味の強い食品を食べたことなどが考えられます。

嚥下は、食べ物を飲み込むときに喉頭蓋が閉じて気管に蓋をし、食べ物を食道に送る反射運動です。しかし、この嚥下と気管に蓋をするタイミングがうまく合わないと、気管に液体や固体が入ってむせの原因になります。とくに水などの液体は、嚥下のスピードが速いのでむせが起こりやすくなります。
なにかを食べた際にむせている場合は、水やお茶などの液体でむせているのか、食べ物(半固形状か固形物)でむせているのかなどを注意して見てみましょう。

『むせ』を防ぐ方法

姿勢をよくして食事する
食べるときや飲むときの姿勢は正しいですか?
いすに座って食べる場合、いすに深く腰をかけてかかとをしっかり床につけ、あごを引いた姿勢でいただきましょう。あごを上げていると、口と気管の角度が開くため、口に入れたものがそのまま気管に入りやすくなります。
介助する場合も、立ったまま介助すると、食べる側はあごを上げる姿勢になるため、食べる側の目線と合うくらいの位置に座って介助しましょう。

嚥下しやすい形態にする
液状のものを飲み込んだときや口の中でバラバラになりやすい食べ物でむせやすい場合は、とろみをつけてまとまりを作り、のどを通過するスピードをゆっくりにします。

口をしっかり閉じて、息を止めてごっくんする
口が開いていると嚥下力が弱くなるため、しっかり口を閉じましょう。そして飲み込むときは、意識的に息を止めて飲み込みましょう。そうすることで、嚥下に集中ができるうえ、飲み込むタイミングを合わせることができます。

繰り返しごっくんし、口の中にも残さない
食後口の中に残留物があり、それを誤嚥してしまうことは多くあります。1回のごっくんで嚥下しきれていない場合は、2回飲みこむようにしましょう。
また、飲み込みにくいものを食べた後、とろみをつけた味噌汁やお茶ゼリー(Vol.3 『嚥下しやすい食品・しにくい食品』に掲載)を食べるなどを交互に行うと、口の中に食べ物が残るのを防ぎます。
むせてしまったら・・・

前かがみになって、しっかりと咳をしましょう。
むせたときに背中を叩くと、気管に入りかけた食べ物をさらに肺へと落としてしまいますので、優しく背中をさすりながら声をかけましょう。

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