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管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。 このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。 食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。

2014.11.20更新

Vol.11 高齢者の便秘

日本消化器学会では「便秘症」は、

『健常成人は通常1日1回の排便があるが、便秘症では排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指しますが、明確な定義があるわけではありません。排便習慣は個人差が大きく、毎日排便があっても硬便や排便困難を感じる場合もあるし、排便が2~3日に1回で、便が硬くても軟らかくても何の苦痛感を感じない場合もあります。問題となるのは排便困難や腹部膨満感など症状を伴う便通異常です』

と説明しています。
高齢になると、食事量や運動量が少なくなることに加え、大腸の働きが低下したり便を押し出す力の低下によって便秘になりやすくなります。
食べ物が便になるまで
口から入った食べ物は、食道を通過し胃で胃液と混ざり粥状になった後、十二指腸で消化液が加わり小腸に到達します。(ここまでで約2.5時間から5時間)小腸では消化液によりタンパク質はアミノ酸へ、炭水化物はブドウ糖へ、脂肪は脂肪酸へ分解され吸収されます。また約8割の水分が小腸で吸収されて、残りは大腸へ運ばれます。小腸通過には約5~8時間かかります。最初液状だったものは、水分や電解質が吸収されて食べ物のカスが固まりとなり、だんだん固形便へと形を変えます。便は大腸に15~20時間滞留しやがて排泄されます。

便のタイプを知る
「ブリストル便スケール」というものがあります。
このスケールは英国のブリストル大学で1997年に開発された世界的な「便」の基準を示すものです。日本でも最近、病院での問診に多く利用されています。介護する側も、このスケールを使うことでどのような便がでているか医療従事者へわかりやすく伝えることができます。

タイプ6~7のような硬い便は大腸内の貯留時間が長いことを示し、排便時に痛みを伴うこともあります。この便の場合は水分不足が考えられます。水分をあまり摂らず体内の水分が少なくなると、便を作る際に水分量が不足し、硬便となり、便が腸に留まりやすくなってしまうのです。まずは食事をきちんとたべられているか、お茶やスープ、味噌汁などから水分が十分にとれているか食生活を見直してみましょう。(食事を3回食べると、約1Lの水分がとれます)
タイプ3~5は正常な便です。とくにタイプ4がよい便です。日本ではソーセージ状というよりバナナ状という方が一般的かもしれません。タイプ1、2は下痢の状態です。

食物繊維の多いものや乳酸菌を摂ろう
食物繊維は、緑黄色野菜や根菜、こんにゃく、こんぶやひじきなどの海藻、豆類や乾物、さつまいもなどに多く含まれています。また汁物などに粉末状の食物繊維を添加するものを利用してもよいでしょう。ヨーグルトや乳酸菌飲料を飲んで乳酸菌やビフィズス菌を取り入れると、これらが作り出す乳酸や酢酸には、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしたり便の水分量を調整する作用があります。

※薬の副作用によって便秘の症状があらわれることもあります。その場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

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