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管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。 このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。 食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。

2014.8.21更新

Vol.8 低栄養

「低栄養」という言葉を聞かれたことはありますか?
「低栄養」とは、高齢者によく観察される栄養障害で、人が生きていくために必要なエネルギーとたんぱく質が不足した状態をいいます。高齢者の低栄養の原因として、噛む力や飲み込む力の低下、唾液分泌の減少、腸の動きの低下、味覚低下や嗜好が変わることなどによる食事摂取量の減少や、生活環境要因(一人住まいや老夫婦のみの生活、無刺激による閉じこもりなど)や様々な精神的要因による食欲低下などが関わっています。食事摂取量が減少することで、さらに脱水を招き低栄養状態になります。そして体内の栄養素を利用することになり、結果体重減少や免疫機能が低下して感染症などにかかりやすくなったりと、生命への危険を招くこととなります。

低栄養になると、【やせてくる・傷やじょくそうが治りにくい・抜け毛や毛髪の脱色が多い・下肢や腹部がむくむ・皮膚の炎症をおこしやすい・かぜなどの感染症にかかりやすい】などの変化がみられます。
また、低栄養であるかどうかは、体重の変化や血液のアルブミン値などによって判断されます。

体重の変化
1か月~6か月の体重減少率の数値により、低栄養がどの程度かわかります。
まずは、体重減少率を計算します。

血清アルブミン値
アルブミンは、血液中の主要なたんぱく質で、その数値は栄養状態の指標の一つです。3.5g/dlを下回ると内臓たんぱく質の減少などがみられると報告されています。また加齢や脱水、感染症や炎症性の病気などで数値が影響を受けることがあります。
※厚生労働省の研究によれば、血清アルブミン値と体重減少率を指標にして栄養状態を調べたところ、入院患者や入所および在宅療養者の約3割~4割に低栄養の高齢者が確認されたそうです。
低栄養を解決するためには、きちんと食事をとるようにすることに加え、経腸栄養剤(医薬品・食品)を利用したり、汁物・飲み物にパウダーを入れるだけでたんぱく質とエネルギーがとれるもの、高カロリーゼリーなどを利用することもおすすめです。

低栄養時の食事のポイントは?
(1)バランスの良い食事
―高齢者はとくにたんぱく質(肉・魚など)、カルシウム(乳製品など)、ビタミン(野菜、果物など)が不足しがちのため、これらを意識して摂りましょう。

(2)1日3食にこだわらない(回数を増やす)
―1回の量は多くなくてもよいので、少しずつ数回に分けてとるようにしましょう。少量でも高エネルギーがとれる飲み物やゼリーなどを組み合わせて摂るのがおすすめです。

(3)水分不足(脱水)に注意
―脱水症になることから食欲不振になり、食事量が低下してさらに脱水状態を進行させてしまうことがあるため、脱水にならないようにこまめに水分補給しましょう。

(4)個人・症状にあわせた食べやすい形態
―食事は、その方が嚥下しやすい食形態に合っていないと、摂食量が減ってしまいます。

(5)胃腸への負担が少ない(消化が良い)ものを摂る
―高齢者は消化機能がおちているので、なるべく胃に負担が少ないものをとりましょう。

好き嫌いや薬剤による味覚障害などで食欲がない場合は無理せず、バランスよりも、まずその方の好きなものや食べられそうなものから摂るようにしてみましょう。

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