管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。
このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。
食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。
2014.6.19更新
Vol.6 脱水症
今回は、脱水症についてです。
脱水は夏の暑さや発熱、下痢や嘔吐などにより大量の水分が体から失われたときに起こります。とくに高齢者は脱水を起こしやすく注意が必要です。また脱水症にならないための水分の摂り方をご紹介します。
●脱水症とは?
体内の水分(体液)が不足した状態です。とくに水と電解質(とくにナトリウム)が不足しています。
症状は?
初期段階では、のどの渇き・唇や口の乾燥・食欲不振・尿の色が濃くなるなどありますが、高齢者の場合、意欲の低下、無気力、せん妄などの精神神経症状が出やすい特徴があります。また血液が濃縮され血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞なども起こりやすくなります。
原因は?
高齢者は、水分を多く含む組織である筋肉の量が減少しているため、体の水分の量が体重の50%(成人は60%)と少ないこと、喉が渇いたという自覚をしにくいことや、摂食嚥下障害、認知症などが加わり適切な水分補給ができにくいこと、食事の量が減るため水分全体の摂取量が減ることなどがあります。
脱水になっていると思ったら?
水を飲める意識がある場合は、水分補給をしましょう。
このとき、ナトリウムを含んだ水を摂る必要があるため、経口補水液(塩分、糖分、水分が体に吸収されやすい配合でつくられている飲料)を利用します。
手元にない場合は、500mLの水に塩1.5g(または梅干し1個)を入れたり、スポーツ飲料に少し塩を足すことで対応できます。経口補水液500mL~1Lを、ゆっくり時間をかけて飲みましょう。
かなりの脱水になっているときに水やお茶ばかり飲むと、不足した分のナトリウムが補えず水分ばかり補給されることになり、体のナトリウムの量は減り水分量が増える「低ナトリウム血症」を招くことがあります。症状は疲労感や頭痛などで、ひどくなると意識障害、昏睡になることもあります。
一方水を飲むことができないくらいの意識の場合、すぐに医療機関で点滴をするようにしましょう。
しかしこのような脱水症にならないために、まず予防することが大切です。
予防のためには?
3食きちんと食事がとれていれば、約1000mLの水分をとることができます(食事のときに飲むお茶などは含まない)。食事から摂れる水分量は、1日に必要な水分量の約半分です。さらに食事以外でも水分をこまめにとることが大切です。1日のうちで7~8回以上、意識して水分をとるようにしましょう。
※腎臓病や心臓病の方で水分の制限が必要な方、カリウムの制限がある方は 医師にご相談ください。
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