ホーム  >  コラム  >  亜鉛

管理栄養士監修!食を通じた様々な話題をまとめたコラムとレシピをお届け! 健康づくりには、正しい栄養や食事が重要です。毎日の暮らしの中で役立つ情報を、管理栄養士がご紹介します。

2023.8.16

第51回 亜鉛

亜鉛ってどんなもの? 

亜鉛は、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、鉄、銅、セレンなどの「ミネラル」の一つで、体内に約2gとごくわずかしか存在しない「微量ミネラル」の一つです。体内で合成できないため食事で補う必要があり、全身の細胞に存在している健康維持に大切な栄養素です。

働き

●約200種以上もの酵素の構成成分
新しい細胞を作る際にDNAの複製やたんぱく質の合成が必要で、これに関わるのが酵素です。亜鉛は、この酵素に不可欠な構成成分で、これにより傷の治りを早くする、成長を促す、毛髪を維持するといった働きがあります。

●味覚や嗅覚を正常に保つ
舌の上皮細胞は亜鉛が豊富で、食べ物の味を感じ取る「味蕾(みらい)」という器官の機能を保っています。不足すると味覚障害を起こすことがあります。

●インスリンの構成成分
膵臓のインスリンの合成・貯蔵・分泌に関与し、不足するとインスリンの分泌が減少して血糖値が上昇しやすくなります。

●肝臓でのアルコール分解を助ける
肝臓でアルコールが酢酸まで分解される際に使われるアルコール脱水素酵素等は、亜鉛を原料としています。またアルコール自体が尿中への亜鉛の排泄を促します。

●免疫の機能に関わる
免疫細胞の活性化や、免疫反応における情報伝達物質に関わっています。不足すると、感染症等にかかりやすくなると言われています。

●ビタミンAの代謝を促す
亜鉛は、血液中にビタミンAを運搬するために必要なレチノール結合たんぱく質の成分です。

1日にどのくらい必要?

1日の推奨量と耐容上限量

亜鉛は少し不足傾向
推奨量と平均摂取量を比較すると、50代男性では1日推奨量11mg(左表)に対し、平均摂取量は9.2mg(右表)。とくに男性で、推奨量より1~1.5mg程度不足している傾向があります。 これは、食品でもサプリメントでも補える量(納豆1パックやカシューナッツ14粒に相当)です。

不足すると?

亜鉛不足による症状として、「皮膚炎・脱毛」「貧血」「味覚障害」「発育障害」「性機能不全」「食欲低下」「下痢」「骨粗しょう症」「創傷治癒遅延」「易感染性(感染しやすい)」などがあげられます。

亜鉛が多く含まれる食品は? 

亜鉛は水溶性で熱に弱い物質です。吸収率は約30%(カルシウムと同程度)で、年齢とともに低下します。亜鉛はすべての細胞に存在しているため、肉、魚、ナッツ類、穀類など様々な食品に含まれていますが、とくに 肉や魚に多いです。動物性たんぱく質をあまり食べない、ダイエット等で食事量が少ない、インスタント食品や加工食品の摂り過ぎで栄養バランスが崩れているといった場合、亜鉛が不足しやすくなります。
亜鉛が多く含まれる食品
亜鉛の吸収を高めるもの
●クエン酸(梅干し、レモン等)
●動物性たんぱく質
●ビタミンC(ピーマン、ブロッコリー、いちご等)
亜鉛の吸収を妨げるもの
●食品添加物
リン酸塩(インスタントラーメン等)
ポリリン酸(ハム・かまぼこ等)
グルタミン酸ナトリウム(化学調味料)
●穀類や豆類に多く含まれるフィチン酸
●ほうれん草などに多いシュウ酸

亜鉛不足が気になる場合、食品から摂ることが一番ですが、難しい場合は、サプリメントを 利用する方法もあります。サプリメントを摂る場合、以下のことに気をつけましょう。

●記載の1日の摂取目安量を超えない範囲で
過剰症は通常の食事では起こりにくいですが、1日の摂取目安量を守らず慢性的に耐容上限量を超えて摂っていると、銅や鉄の吸収阻害やそれに伴う貧血、免疫障害、神経症状、下痢等の過剰症になることがあるとされています。

●サプリメントを摂っていても食事はしっかり!
サプリメントは食事の代用にはなりません。糖質、脂質、たんぱく質といった栄養素がなければサプリメントの効果は発揮されないため、きちんと食事を摂るようにしましょう。

●薬を服用する際は医師・薬剤師に相談を!
医薬品との飲み合わせで効果が減弱する場合があるため、医師や薬剤師にサプリメントを飲んでいる旨を伝えましょう。(亜鉛も、医薬品の効果が減弱する可能性があるものがいくつか報告されています。)

●小分けで摂るのもおすすめ
亜鉛は吸収率が低く体外に排出されやすい特徴があります。吸収されずに排出されてしまう量を減らすため、1日2-3回に分けて、吸収率のよい食後に飲むのがおすすめです。

こちらもチェック

ディアナチュラスタイル 亜鉛 60日分(60粒)
572円 (税込)
1日14mgの亜鉛で毎日元気に!毎日の元気が気になる方に。

JELLY&ME マルチミネラル巨峰ゼリー(21g×7個入)
356円 (税込)
鉄・亜鉛・銅+カルシウム・マグネシウムの5つのミネラルをミニゼリーで手軽に摂れる。



キレートレモン クエン酸2700ゼリー(165g)
205円(税込)
疲労感を軽減するクエン酸が2700mg入った機能性表示食品のレモンゼリー。


クエン酸500(2g×24袋入)
754円(税込)
クエン酸をそのまま美味しく食べられるレモン風味に仕上げたサプリメント。


シナールEXチュアブル錠e 60錠
1,027円 (税込)
【第3類医薬品】ビタミンCの補給に適したビタミン剤。水なしでかみくだいてのめるチュアブル錠。

ディアナチュラ ビタミンC・亜鉛・乳酸菌・ ビタミンB2・ビタミンB6 60日分(120粒)
778円(税込)
2粒にビタミンCを1,000mg配合。さらに亜鉛、乳酸菌、ビタミンB2、ビタミンB6も一緒に摂れる。


★おすすめレシピ★牛肉のカシューナッツ炒め

夏にもおすすめスタミナメニュー♪
牛肉のカシューナッツ炒め
<材料>2人分 
<調理時間>約20分
1人分あたり:エネルギー270kcal、亜鉛4.5mg
牛肉 130g
ブロッコリー 100g
ミニトマト 4個
カシューナッツ 40g
片栗粉 適量
油 大さじ1
A:しょうゆ 大さじ1/2
A:酒 大さじ1/2
A:オイスターソース 大さじ1/2
A:鶏がらスープの素 小さじ1
※Aは合わせておく

作り方

  1. カシューナッツは、フライパンで乾煎りし、ブロッコリーは茹でておく。ミニトマトは半分に切る。
  2. 牛肉を食べやすい大きさに切り、片栗粉をまぶす。
  3. フライパンに油を入れて熱し、牛肉を炒め、火が通ったらブロッコリーとミニトマトを入れ炒める。
  4. Aとカシューナッツを入れて手早く炒め、お皿に盛る。