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管理栄養士監修!食を通じた様々な話題をまとめたコラムとレシピをお届け! 健康づくりには、正しい栄養や食事が重要です。毎日の暮らしの中で役立つ情報を、管理栄養士がご紹介します。

2018.2.9

第37回 雑穀

雑穀というと、きび、あわ、ひえ、黒米といったものを想像する人は多いと思いますが、雑穀とは、「米」と「小麦」以外の穀物全般を指します。雑穀は白米よりも栄養価が高いということから、近年「五穀米」「十六穀米」なども注目されています。
雑穀は、今から約3000年前の縄文時代から栽培されているといわれています。日本古来の書物「古事記」の中で「稲、あわ、小豆、麦、大豆」が五穀として記されています。また「日本書紀」の中では、古事記の五穀が「稲、あわ、小豆、麦、大豆、ひえ」の「六穀」となって登場しており、古来より日本人の基本的な食料であったことがわかります。
白米が食べられるようになったのは奈良時代の頃ですが、貴族階級の人しか口にできませんでした。諸説ありますが、庶民は、黒米と呼ばれる精白度の低いうるち米に、ひえやアワを合わせて食べており、江戸時代に入ると、白米を食べるようになったようです。
今回は代表的な雑穀についてご紹介しましょう。
雑穀

赤米

●古代米(稲の原種に近い野生稲の特徴を受け継いでおり、自然な赤や紫などの色素を含んだ米)の1つで、白米と炊くと、ご飯全体がほんのりとピンク色になる
●赤い色素は、ポリフェノールの一種であるタンニンで、強い抗酸化作用をもつ
●白米と比較すると、食物繊維は約8倍、カルシウムは約4倍、マグネシウムは約4倍、カリウムは約3倍、ビタミンB1は約5倍含まれている

アマランサス

●雑穀の中でも栄養バランスが抜群に良いとされる
●脂質やたんぱく質の代謝を促すビタミンB2、ビタミンB6を多く含む
●白米と比較すると、カリウム6.7倍、カルシウム32倍、マグネシウム11倍、リン5.6倍含んでいる
●鉄の量が非常に多いのが特長だが、非ヘム鉄のため、吸収率は低い
アマランサス

あわ

●風味が「淡い」ことから「あわ」とつけられたと言われている
●甘味があり、もっちりとした食感で、くせがない
●白米と比較して、ビタミンEは約5倍、マグネシウムは約4倍、鉄分は約5倍含まれている
●とくに食物繊維は、白米の約6倍と豊富である

大麦

●大麦にも「押し麦」「もち麦」「米粒麦」など様々な種類がある
●食物繊維は白米の約20倍、カルシウムは白米の3倍、カリウムは2倍多く含まれている
●水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれており、とくにコレステロールの吸収抑制や血糖値の上昇を緩やかにしてくれる水溶性食物繊維の「β-グルカン」が多い

きび

●もちもちとした食感とコクが特徴的
●黄色い色素はポリフェノールで、細胞を酸化から守る
●体内では生成されない必須アミノ酸であるメチオニンが含まれ、肝機能を高めるなどの働きがある
●白米と比較して、食物繊維約3倍、カルシウム約2倍、マグネシウム約4倍、鉄分約3倍、カリウム約2倍。ビタミンB群やナイアシン、亜鉛なども多く含まれる

キヌア

●ぬかのような独特の香りがある
●アメリカのNASA(航空宇宙局)が、宇宙食として絶賛したことで知られる
●白米と比較して、たんぱく質は約2倍、食物繊維は約14倍、鉄分は5倍、葉酸は約15倍も多く含まれる。またビタミンB群も豊富である
キヌア

黒米

●中国では滋養強壮作用があるとされ、長寿米として現在でも使われている
●白米と一緒に炊くと、全体が赤紫色に染まる。これは、アントシアニンという色素によるもので、抗酸化力が高く、眼の機能改善や動脈硬化予防によいとされている。
●白米と比較して、食物繊維は白米の約6倍、ビタミンB1は約5倍、ビタミンB2は約4倍、カルシウムやカリウムは2~3倍多く含まれている

はと麦

●穀物の王様と称されるほど、栄養素の高い穀物
●漢方では、ヨクイニンと呼ばれ、滋養強壮によいとされている
●白米に比べて約2倍の食物繊維があり、またたんぱく質も約2倍多く含まれている。雑穀の中でも最も良質なタンパク質を豊富に含んでいるとされる
はと麦

ひえ

●「冷え」に耐えられるほど寒さに強い穀物であることが名前の由来だといわれている
●食物繊維は白米の約8倍で、とくに腸の蠕動運動を促して腸内環境を整える不溶性食物繊維が豊富
●白米と比較すると、マグネシウムは約5倍、鉄分は約2倍、カリウムは約3倍含まれている
●ひえそのものはアクが強くぱさつきやすいため、やわらかめに炊いたりスープに混ぜるのに適している
最近は、ご飯と一緒に炊くだけでなく、茹でた雑穀をスープに入れたりひき肉とまぜる、クッキーや焼き菓子に入れるなどといった方法も多く紹介されて、色々な料理で雑穀を楽しむことができます。ぜひミネラルや食物繊維の豊富な雑穀を日々の食事に取り入れてみましょう。

★おすすめレシピ★簡単!もち麦と豆のトマトスープ

もち麦は、水で戻さずそのまま鍋に入れるだけ!
もち麦と豆のトマトスープ
<材料>3~4人分 <調理時間>25分
もち麦:50g、玉ねぎ:1/4個
ミックスビーンズ(缶):110g
カットトマト缶:1缶、水:300cc
コンソメ:小さじ2、オリーブオイル:大さじ1
塩・こしょう:適量、砂糖:大さじ1/2程度
粉チーズ:適宜

作り方

  1. 鍋を熱し、オリーブオイルを入れた後、粗みじん切りにした玉ねぎを炒める。
  2. 火が通ったら、ミックスビーンズ、もち麦、カットトマト缶、水、コンソメを入れて約15分煮込む。
  3. もち麦が膨らんだら、塩・こしょう、砂糖で味付けをする。(トマトの酸味のお好み具合で調整してください。酸味が強いときは、ケチャップを入れると少しやわらぎます)
  4. 器に盛り、お好みで粉チーズをふる

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1,080円(税込)
白米と比較して、鉄分10倍、マグネシウム10倍、カルシウム32倍、カリウム6倍、亜鉛4倍


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