「デイサービスに行っても、楽しめない。とくに男性は……」そんなご意見が本誌にも、数多く寄せられます。
一口に「デイ」と言っても、サービスの中身はさまざま。
『男性に人気のデイサービス』があると聞いて、『ソラスト立川』(東京都立川市)にうかがいました。
▲真剣な様子で麻雀卓を囲む利用者さん。麻雀卓を2台用意するほどの人気。
取材に訪れた日、エントランスを入ると、すぐ前のスペースで数人の利用者さんが、一心に紙粘土の置物を作っています。「きれいなお花! 素敵ですね」「だろ。女房にプレゼントするんだからね」
また、フロアの一角では、別の男女4人が、真剣な表情で麻雀卓を囲んでいました。なんか、熱気がある!多くのデイサービスでも、入浴や食事、リハビリのほかに、レクリエーションを取り入れています。
一般的なのは、歌、体操、工作。指先や体を動かし、人と交流することで、脳に刺激を与えることが目的です。でも、とくに男性の利用者さんには、レクの苦手な人も多いというのが実情です。
「ソラスト立川をご利用いただいている方は、男性が7割なんですよ」と、施設管理者・佐藤圭佑さんは言います。「やはり、ご本人が夢中になって取り組めることが、大事ですよね。うちでも麻雀や、囲碁、将棋などが人気で、われわれスタッフが声をかけなくても、男性同士で、すぐうちとけますよ」
▲スタッフのみなさん。左から佐藤圭佑さん(施設管理者)、 遠山真紀子さん、萩田一樹さん、木澤尭さん(センター長)。利用者さんか ら「スタッフさんが明るいので、こっちまで元気になる」と評判。
運動レクが充実していることも、人気の理由です。フィットネス・フロアには、エアロバイクからレッグプレスまで、マシンが7台。
「午前中にフィットネスで体を動かして、入浴。午後は将棋や麻雀などの趣味活動に。女性に人気なのは、手芸やお菓子づくりです。まる一日、楽しんでいただけます」取材して思ったのは、利用者さんたちの笑顔が輝いていること。「そうなんです。ふだん見せないような、笑顔になる。レクは、施設の特徴が出るところ。これからも力を入れていきたいですね」 (左は筋力の維持・向上が望めるスリング。音楽に合わせて運動。)
また、入浴にも利用者さんの尊厳を傷つけない配慮を感じます。「広い浴場に大人数で入る施設も多いのですが、こちらでは一人ひとり入浴します。ほかの利用者さんに見られることもありません」
ソラストは、多摩地域に5つの施設を運営しています。「大きな施設であれば多くの人と接する機会が増えます。少人数の施設では、専門性の高い工作など、より親密なおつきあいができるなど、使い分けてみてください」
1.総合的なサービスが受けられる
マシンを持つ多くの施設はリハビリに特化したデイサービスですが、
ここでは運動もレクもすべて楽しめます。
2.豊富なレクリエーション
工作、麻雀、将棋、囲碁、カラオケ、お菓子作りなど、多彩なレクがあります。
個人の特性にあったレクを行う施設を選ぶことで、新たな趣味や生きがいづくりにつながります。
3.フィットネスが充実
7台のフィットネスマシンを使い、一人ひとりの状態に合わせたメニューを設定し、
フィットネストレーナーがサポート。
入院生活で車椅子が必要になった方が、自力で歩けるようになったケースも。
4.イベントで地域と交流
毎月、コンサートや阿波踊りなどのイベントを用意。
3か月に一度は市内の音大生の演奏会や保育園児の歌の披露もあり、地域との交流を大切にしています。
※通所の条件や料金について:ご提供するサービスによって費用が変わるため、
詳細は直接施設へお電話またはお問い合わせフォームよりお問い合せください。
取材・文・糸井里未 写真:柳大輔 編集:株式会社デコ(からころ編集部)
出典:からころ57号(2019年12月発刊) ※記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。