「デイサービス」とひとくちに言っても、そのサービス内容はさまざまです。
たとえば、認知症の方々に特別に配慮したデイサービスもあります。「ソラスト新松戸」(千葉県松戸市)を訪ねてみました。
▲介護歴の長い、顔なじみの職員が、ひとりひとりの性格や様子に合わせて接します。
認知症型デイサービスは、正式には「認知症対応型通所介護」。「認知デイ」とも略されます。
一般のデイサービスと同様に、介護保険サービスの一環として行われます。利用者の担当ケアマネと連携して、通所日程やサービス内容などを決めます。でも、充実した「認知デイ」があっても、本人が行きたがらないことがあると思うのですが……。
「ちょっと、もの忘れも出てきたようだから、元気の出る、楽しい所に行ってみない?
そんなふうに誘ってみてください」と、アドバイスしてくれたのは、株式会社ソラストの介護福祉士で、ディレクターの巽正志さんです。
「認知症の症状が強くなる前から、デイサービスに親しむことも、大事なんです。慣れ親しんだ施設なら、抵抗感も少ないですしね」。
この「ソラスト新松戸」では、一般デイ施設のなかに、認知デイ専用のスペースがあります。名前は、『わが家』。少人数制(最大12名)で、専門のケアワーカーがマンツーマンで対応します。(左:介護福祉士・ディレクターの巽正志さん、右:センター長の西海達矢さん)
「その方の個性や『人生』を知るには、一対一で向き合う必要があります。認知症の方にとって『いつもの人』は、とても重要です」。
『わが家』では、『いつもの人』が通所前日に電話をかけます。「明日のお迎えは、いつもの時間で大丈夫ですか?」『いつもの人』が迎えに来てくれるので、利用者も不安がらずに送迎車に乗れます。
▲体操やマシンを使った運動も行います。機能訓練指導員が見守っているので安心。
取材にうかがった午後、『わが家』では、二人の利用者が思い思いの時間を過ごしていました。
ひとりは歌詞カードを手に好きな曲を歌い、もうひとりは、肩を支えられながら、廊下を散歩。
同じスタッフがつかず離れずの距離から見守り続けていました。
▲建物内の廊下に飾られた絵。季節感と彩りにあふれ、目を楽しませてくれます。
『わが家』では、歩行訓練を兼ねた外出支援にも力を入れています。
レストランや認知症カフェに行ったり、街の風景を眺めたり……。
人とふれ合ったり、季節を肌で感じたりすることが、とてもいい刺激になるようです。
「施設で楽しい時間を過ごすことが、ご自宅でおだやかに過ごすことにつながります。
少しでも長く在宅生活を続けられるようお手伝いすることが、私たちの役目です」認知症の高齢者は、ついつい自宅に閉じこもりがちですが、逆効果。認知症が進んでしまいます。
ご本人と家族の負担とストレスを軽減するためにも、「認知デイ」はとても有効だと思いました。
▲認知デイの職員のみなさん。「毎日、いろいろな発見があって楽しいですよ!」
松戸市にお住まいの方が利用できるサービス。
「認知症になっても住み慣れた地域で暮らしていくこと」を大切にしています。
ソラスト新松戸の認知症対応型デイサービスの特徴は?
1.手厚い介護
定員12名の少人数制です。経験豊富な職員が多く、利用者にマンツーマンで対応します。
2.家庭的な雰囲気
ゆったり、落ち着いて過ごせる、まるで『自宅にいるような雰囲気』をめざしています。
3.なじみのある職員
「いつも同じ人」が対応します。顔なじみの職員が対応することで、
利用者は安心して過ごすことができます。
4.豊富なレクリエーション
ラジオ体操やカラオケなどの室内レク、歩行訓練を兼ねた外出支援など、
利用者を飽きさせない工夫をこらしたメニューをそろえています。
※通所の条件や料金について:認知症と診断され松戸市にお住まいの方に限ります。料金は介護度によって異なります。
取材・文:株式会社デコ(からころ編集部) 写真:柳大輔
出典:からころ56号(201年9月発刊) ※記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。