ホーム  >  特集  >  【特集】家庭薬・その1

くすりは人類の長い歴史から生まれた健康のための知恵のエッセンスです。永年多くの人に服用されてきた 「家庭薬(かていやく)」は日本の伝統と文化に育まれ、現代科学によって研ぎ澄まされた伝統と安心の医薬品です。子どもの頃から知っているくすり、知っているようで知らなかった家庭薬を再発見してください。今回はそんな家庭薬のメーカー別に諸品をご紹介します。
家庭薬とは
家庭薬は、病院等でお医者さんから処方される薬ではありません。薬局等で皆様が直接購入することができ、大衆薬あるいは一般用医薬品とも呼ばれています。また、家庭薬の中には伝統薬と呼ばれる薬がありますが、これは、明治あるいはそれ以前から代々受け継がれた処方と製法で作られてきた薬で、お祖父さんやお祖母さんが子供の頃から各家庭で常備薬として使われていたものです。

 

樋屋製薬株式会社
樋屋製薬の創業の歴史は古く、初代忠兵衛が奇応丸を創製した元和8年(西暦1622年)にさかのぼります。以来、三百有余年に亘り現在の大阪・天満の地で天災や火災、戦災を克服し、途絶えることなく操業を続けています。
「赤ちゃん 夜なきで こまったな~♪ かんむし 乳はき よわったな~♪ ひや、ひや、ひやの、ひや・きおーがん♪」 このCMソング、「知ってる!」という方も多いのではないでしょうか? ひや・きおーがんは生薬から作られた小児薬。説明文書には、本当にいろいろな効能・効果が書かれています。

ひやきおーがん 金粒 200粒
第2類医薬品
3,564円(税込)
食が細い・体重が増えないといった食の悩みに加え、3歳から6歳くらいまでに多い、かんむしやぐずりに効果的な小児五疳薬です。

ひやきおーがん EX 80粒
第2類医薬品
2,322円(税込)
胃腸の働きが弱く食が細いといった悩みに加え、神経質な面のある7歳から12歳くらいのお子さまにおすすめです。



ひやきおーがん 糖衣 120粒
第2類医薬品
1,566円(税込)
食が細い・体重が増えないといった食の悩みに加え、0歳から2歳くらいまでに多い、夜泣きやギャン泣きに効果的な小児五疳薬です。

小児薬 樋屋奇応丸 ハローキティ
第2類医薬品
1,534円(税込)
ハローキティベビーズ・パッケージ。粒が小さく、月齢の低いお子さまや、夜なきやぐずり傾向のあらわれはじめたお子さまに。



小児用せきどめチュアブル 24錠
指定第2類医薬品
972円(税込)
水なしでかんで飲めるお薬で、気になるせきを鎮めます。せき中枢に作用してせきを鎮める非麻薬性の成分を配合。ノンシュガー、ノンカフェイン。

ヒヤこどもかぜシロップS
指定第2類医薬品
1,021円(税込)
かぜの諸症状を緩和する総合かぜ薬です。3ヵ月以上7才未満のお子さま用に開発されたシロップ剤。ノンシュガー(キシリトール使用)・ノンカフェイン・のみやすいイチゴ味・無着色・安全キャップ採用。



奥田又右衛門膏本舗
奥田又右衛門膏本舗は、岐阜県下呂市に本社を置くメーカーです。1934年(昭和9年)、接骨医であった五世又右衛門が家伝の膏薬を患者の要望にこたえる形で地名から取った「東上田膏」の製造販売を開始、1950年(昭和25年)3月、六世又右衛門が「東上田膏」から「下呂膏」へ名称を変更しました。1972年(昭和47年)に七世又衛門が株式会社奥田又右衛門膏本舗を設立し、翌年には「下呂膏」を生薬配合消炎鎮痛貼付剤「奥田家下呂膏」と改名し製造販売を開始しました。

奥田家下呂膏20枚入
第3類医薬品
2,700円(税込)
黒の下呂膏として親しまれる奥田家下呂膏は生薬配合の貼り薬で、神経痛やリウマチ痛等の症状がみられる患部を直接治療いたします。また、和紙を採用しているので、患部を適度に固定し、痛みをやわらげます。

白光(ネオプラスター)20枚入
第3類医薬品
2,700円(税込)
白の下呂膏として親しまれる白光(ネオプラスター)は生薬配合の貼り薬で、天然樟脳(d-カンフル)を加え消炎力を増強し、神経痛や関節痛、腰や肩等慢性化した症状がみられる患部を直接治療いたします。



エースプラスター10枚入
第3類医薬品
1,728円(税込)
緑の下呂膏として親しまれるエースプラスターは生薬配合の貼り薬で、肩・腰・関節等腫れた症状(急性慢性症状)がみられる患部を直接治療します。メントールや天然熊笹エキスを配合。

奥田家下呂膏ID液
第2類医薬品
1,728円(税込)
効成分が痛みの元にすばやく浸透し、つらい痛みに効果的です。手軽に患部に塗ることができ、のびがよく、ベタつきません。柚子のほのかな香りで、目立たず人前でも安心です。



翠松堂製薬
翠松堂製薬は、、三重県四日市市赤堀に本社を置くメーカーです。創業は1570年、今から430余年前の室町時代末期です。江戸時代には時の関白二条家より直参調薬所としてのお墨付きをもらい、「二条殿御薬所」として日本全国で名が知られるようになりました。宮中をはじめ全国に薬を販売していた弊社には、江戸と長崎を往来する蘭法医たちが立ち寄るようになりました。その中の一人、歴史上の人物である松本良順が翠松堂製薬に滞在中に処方を伝授したのが「百毒下し」です。松本良順が自ら能書きに記したのが「男女老若、瘡毒一切に効あり」という一文。つまり、「すべての"毒"を根絶する」というもので、当時は解毒や性病の治療などに使われていました。近代医学の開祖である松本良順の処方とあって、発売直後から飛ぶように売れて全国に広まったのです。また、昔の人々は一生に一度、お伊勢参りをするのが夢だったといわれていますが、「百毒下し」はそのお土産としても人気が高かったようです。その後、1960年代にいくつかの配合成分を入れ替え、「百毒下し」は今日に受け継がれています。

翠松堂 百毒下し 480錠
第2類医薬品
1,782円(税込)
百毒下しは6種類の植物性生薬を配合。しっかりと効果を発揮するのに、腸全体に穏やかに働きかけるから下痢や腹痛がおきにくく、自然なお通じを促し便秘や便秘に伴う肌荒れ・お腹の張りを改善します。

翠松堂 百毒下し 2560錠
第2類医薬品
6,264円(税込)
百毒下しは6種類の植物性生薬を配合。しっかりと効果を発揮するのに、腸全体に穏やかに働きかけるから下痢や腹痛がおきにくく、自然なお通じを促し便秘や便秘に伴う肌荒れ・お腹の張りを改善します。



七ふく製薬
創業創業は、元禄三年(1690年)。大坂ミナミ(日本橋界隈)、高津に代々居を構え、和薬屋を営んでいた初代が、親しくしていた漢方医から「自分の処方で薬をつくってみないか」と誘われたのが始まりで、誕生したのが「七ふく」です。「排泄を旺盛にして、病気の源である体毒をなくす薬」としては販売されていました。
七ふく製薬があるのは、中央区高津。江戸時代から昭和初期にかけて、高津町は、高津宮に参拝する人で賑わった場所でした。高津詣にきた人々に口コミによって評判が広まり、店頭はいつも市をなしていました。「七ふく」という名前は、多くの人が1週間分(七服)をまとめて購入していったことからつけられました。

丸薬七ふく 1600粒
第2類医薬品
2,808円(税込)
自然に育った植物性の和漢薬(草根木皮)を原料としています。すべての原料をそのまま粉末にし、丸薬に製剤してあります。そのため和漢薬特有のニオイ・味があり服用量(粒数)も多くなりますが、これらは原料 の効き目をそのまま生かすためです。

御岳百草丸 4100粒
第2類医薬品
1,080円(税込)
自然に育った植物性の和漢薬(草根木皮)を原料としています。すべての原料をそのまま粉末にし、丸薬に製剤してあります。そのため和漢薬特有のニオイ・味があり服用量(粒数)も多くなりますが、これらは原料 の効き目をそのまま生かすためです。



長野県製薬
長野県製薬は、長野県木曽郡王滝村に本社を置くメーカーで、和漢薬御岳百草と御岳百草丸を古くから製造販売しています。「御嶽百草(おんたけひゃくそう)」は二百数十年の時を経て現在に伝わる、長野県を代表する伝統薬です。御嶽百草は御嶽山の開祖、覚明、普寛の二行者が御嶽山の開山にあたり、御嶽大神の御教えにより創製したる和漢薬と云われ、その製法を山麓の村人に教え、御嶽山に登拝する人々にわけ与えたのが今日の百草の始めなりと伝えられています。長野県製薬の御嶽百草は、その製法を受け継ぎ、御嶽山麓の工場で生産されており、幅広く利用されています。

御嶽百草 18g
第2類医薬品
1,080円(税込)
御嶽百草はキハダの内皮(オウバク)から抽出したエキスのみで製造され、オウバクの主成分ベルベリンが下痢、食あたりにすぐれた効果をあらわします。

御岳百草丸 4100粒
第2類医薬品
2,916円(税込)
御岳百草丸は、生薬よりなる胃腸薬で、胃腸に作用し、その機能を高め、胃弱、消化不良、食欲不振、胸やけ、二日酔・悪酔のむかつきなどを改善します。



■日本家庭薬協会 加盟会社(五十音順)
【あ行】
秋山錠剤株式会社 株式会社浅田飴 株式会社アラクス 株式会社池田模範堂
イスクラ産業株式会社 イチジク製薬株式会社 イワキ株式会社 うすき製薬株式会社
宇津救命丸株式会社 株式会社うどんや風一夜薬本舗 エーザイ株式会社 エムジーファーマ株式会社
株式会社近江兄弟社 大木製薬株式会社 大草薬品株式会社 株式会社太田胃散
株式会社オーヤラックス 奥田製薬株式会社 株式会社奥田又右衛門膏本舗
【か行】
株式会社カイゲン 株式会社金井藤吉商店 株式会社加美乃素本舗 株式会社亀田利三郎薬舗
河合製薬株式会社 株式会社キタニ 救心製薬株式会社 協和新薬株式会社
株式会社金冠堂 株式会社恵命堂 啓芳堂製薬株式会社 小林製薬株式会社
小林薬品工業株式会社
【さ行】
剤盛堂薬品株式会社 株式会社阪本漢法製薬 佐藤製薬株式会社 株式会社サンクロン
サンスター株式会社 参天製薬株式会社 三宝製薬株式会社 株式会社霜鳥研究所
白石薬品株式会社 信州製薬株式会社 翠松堂製薬株式会社 有限会社盛大堂製薬
ゼネル薬品工業株式会社
【た行】
大幸薬品株式会社 大東製薬工業株式会社 大日本除虫菊株式会社 株式会社大和生物研究所
株式会社立石春洋堂 玉川衛材株式会社 株式会社田村治照堂 田村薬品工業株式会社
株式会社丹源 丹平製薬株式会社 チベン製薬株式会社 株式会社ツムラ
株式会社東京甲子社 陶陶酒製造株式会社 株式会社トキワ漢方製薬 常盤薬品工業株式会社
株式会社トクホン
【な行】
長倉製薬株式会社 長野県製薬株式会社 日廣薬品株式会社 ノーエチ薬品株式会社
【は行】
原沢製薬工業株式会社 久光製薬株式会社 株式会社ヒサヤ大黒堂 七ふく製薬株式会社
日の丸漢方株式会社 日野製薬株式会社 樋屋製薬株式会社 福井製薬株式会社
福地製薬株式会社 双葉製薬工業株式会社 フマキラー株式会社 報国製薬株式会社
ホーユー株式会社 北海道水産工業株式会社 有限会社 本町薬品
【ま行】
町田製薬株式会社 摩耶堂製薬株式会社 無臭元工業株式会社 森下仁丹株式会社
株式会社守田治兵衛商店
【や行】
ユースキン製薬株式会社 株式会社雪の元本店 株式会社山崎帝國堂 養命酒製造株式会社
横山製薬株式会社 米田薬品株式会社
【ら行・わ行】
株式会社龍角散 ロート製薬株式会社 株式会社和歌の浦井本薬房 わかもと製薬株式会社
和光堂株式会社 ワダカルシウム製薬株式会社

こちらもチェック!『家庭薬ロングセラーの秘密─昔も今もこれからも"日本の元気"を守る家庭薬』
家庭薬は時代の流れの中で、暮らしの味方となり、家庭の生活を守る常備薬としてロングセラーの地位を築き上げてきました。本書は、なぜ家庭薬がこれほど多くのロングセラー商品を生み出してきたのか?その秘密はどこにあるのか?などを一般の方にも楽しめるように、豊富な写真や図版を使用してわかりやすく説明しています。

第1章の「家庭薬ロングセラー物語」では34社のロングセラー商品が興味をひく内容で紹介され、第2章では家庭薬の懐かしい販促品、店頭広告物等、第3章では全国家庭薬協議会会員100社の創業年と同時代の社会事象がコンパクトに紹介されています。第4章の「家庭薬の現代と未来」では、牧田潔明氏(全国家庭薬協議会会長)、堀正典氏(東京都家庭薬工業協同組合理事長)、柴田仁氏(大阪家庭薬協会会長)、藤井隆太氏(東京都家庭薬工業協同組合情報協業化委員会委員長)の4氏による座談会が、コラム形式でまとめられています。さらに、第5章の「家庭薬データ集」では、全国家庭薬協議会会員の企業概要が掲載されています。
全国の書店で販売されていますので、ぜひ手に取ってみてください。
・編著:家庭薬研究会
・協力:全国家庭薬協議会
・発行:薬事日報社
・定価:2,057円(税込)
・A5判 144ページ フルカラー