東洋医学では「アレルギーは体内に悪い水が停滞していることにより外敵に対抗できないことによる」と考えます。
悪い水が溜まる原因は冷えにあったり、胃腸の状態にあったりと様々ですが、漢方ではアレルギーの症状自体を抑えるのではなく、原因から改善しようという治療を行います。
悪い水が溜まる原因が人それぞれですので、同じアレルギー症状でも使用する薬が異なります。
漢方薬の説明書には体質や症状が独特の表現で書かれていますので、ご自分の体質や症状に一致すると考えられるものを選んでしばらく続けてみてください。
“荊芥連翹湯” は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質を改善する漢方薬に位置づけられています。
特に扁桃炎・鼻炎・皮膚が乾燥傾向でかゆみが激しいアトピー性皮膚炎の人に対して勧められています。
アレルギーによる鼻症状には
“小青竜湯” がよく用いられます。 小青竜湯は、透明でサラサラした薄い鼻水が出る、頻繁にくしゃみが出る、薄い水のような痰が出るような症状に良いとされています。また、鼻づまりがとれない、鼻の通りが悪いという人には
“葛根湯加川キュウ辛夷” や
辛夷清肺湯“がよく使われます。
漢方薬は即効性は少ないものの、眠気や便秘といった副作用もほとんど見られないという利点があります。
長めに飲み続ける必要があるので、花粉症の場合では花粉が飛び始める1~2ヶ月前には飲み始めます。
漢方薬は食前または食間(空腹時)に飲んだ方が効果的です。他の薬のように水で飲んでも効果はありますが、顆粒剤をお湯に溶かして香りと共にゆっくり飲むことでより高い効果が得られます。