日々の乾燥予防にお勧めしたいのは
“ワセリン”です。ワセリンは、皮ふの表面に膜を作って水分蒸発を防いだり、皮ふを保護する効果があります。塗り薬や化粧品の基剤となるもので、ほとんど刺激がなく肌が弱い人でも安心して使用できます。手洗いや入浴後にこまめに塗り、夜はワセリンを塗った上に手袋をして寝ると保湿効果が上がります。
“尿素”は角質層に入り込んで水分を保持する作用があり、皮ふをしっとり柔らかくします。保湿が間に合わずカサカサが進んだ場合にお勧めですが、ワセリンに比べて刺激があるため、ひび割れた箇所や荒れがひどい所に塗るとヒリヒリすることがあります。
“アロエ”には欠損した皮ふを修復する働き、炎症を抑える働き、水分を皮ふに留めておく保湿作用などがあります。パックリ割れを繰り返してしまう人の日々のお手入れにお勧めします。指先の乾燥は二枚爪など爪のトラブルにも繋がりますので、この時期は爪のケアの観点からも積極的に乾燥のケアをしたいですね。
ささくれが衣類に引っかかって広がってしまうと大変です。まずは清潔なハサミや爪切りなどでささくれを根元からカットしましょう。
それ以上悪化させないために液体ばんそうこうや保護テープを使用するのもひとつの方法です。液体ばんそうこうは塗布する時に少ししみますが、接着剤のように患部を覆って保護するとともに乾燥させて悪化を防ぎます。
組織の修復作用がある成分に
“アラントイン”や
“パンテノール”があります。アラントインは牛の羊膜の分泌液から見つけられた成分で、語源も羊膜(アラントイス)からきています。植物の新陳代謝の産物として、穀物の胚芽や煙草の種子、ヒレハリソウという植物の根などに存在します。角質ややけどのあとの古い組織を除去し、新しい表皮組織の生成を助ける作用があります。保湿効果や抗炎症作用、抗アレルギー作用もあります。パンテノールは“プロビタミンB5”とも呼ばれ、皮ふの中でビタミンB5に変わり、皮ふの細胞を活性化し、新陳代謝を高める作用をあらわします。
パックリ割れが辛い時や何度も繰り返す際にはこのような成分を含有する薬を選ぶと良いでしょう。
爪の周りや指先が赤く腫れてズキンズキンと痛む場合は、ささくれや深爪などの傷が細菌に感染して“ひょうそう(化膿性爪囲炎)”を起こしていると考えられます。こうなると患部を切開して膿を出したり、抗生物質を内服する必要があります。放置すると深部にまで炎症が広がってしまいますので、早めに受診してください。
爪も皮ふもタンパク質でできていますが、中でも
コラーゲンは美しい指や丈夫な爪には欠かせないタンパク質です。
コラーゲンは細胞と細胞の間を埋める細胞間物質で、皮ふに張りを持たせます。豚肉や軟骨に多く含まれますが、不足分はサプリメントで補うとよいでしょう。
ビタミンやミネラルも美しい指や丈夫な爪の維持に欠かせない栄養素です。
例えば
ビタミンAが不足すると肌の抵抗力が弱まり、指も爪も乾燥しやすくなりますし、
ビタミンB群が不足するともろくてうねりやすい爪になります。ダイエット中などに多く見られる
鉄分の不足は、鉄欠乏性貧血を引き起こし、その結果血行が悪くなりますので、ささくれや二枚爪になりやすくなります。
亜鉛はタンパク質の合成や骨の発育などに欠かすことのできない必須ミネラルですし、
ビタミンCはコラーゲンの生成を助ける働きをしますので、是非コラーゲンと一緒に摂取したい栄養素です。
これらの栄養素は日々の食事から摂ることが理想ですが、効率的に摂取できるサプリメントも多数ありますので試してみてはいかがでしょうか。