ホーム  >  特集  >  【特集】家庭薬・その2

くすりは人類の長い歴史から生まれた健康のための知恵のエッセンスです。永年多くの人に服用されてきた 「家庭薬(かていやく)」は日本の伝統と文化に育まれ、現代科学によって研ぎ澄まされた伝統と安心の医薬品です。子どもの頃から知っているくすり、知っているようで知らなかった家庭薬を再発見してください。今回はそんな家庭薬のメーカー別に諸品をご紹介します。
家庭薬とは
家庭薬は、病院等でお医者さんから処方される薬ではありません。薬局等で皆様が直接購入することができ、大衆薬あるいは一般用医薬品とも呼ばれています。また、家庭薬の中には伝統薬と呼ばれる薬がありますが、これは、明治あるいはそれ以前から代々受け継がれた処方と製法で作られてきた薬で、お祖父さんやお祖母さんが子供の頃から各家庭で常備薬として使われていたものです。

 

宇津救命丸株式会社
創業は1597年(慶長2年)で、創業者の宇津権右衛門は、下野国(現在の栃木県) の国主、宇都宮家の御殿医でした。宇都宮家の滅亡後は村の庄屋となり、半農半医の中で、村人の健康のために「金匱救命丸」を創製し、無料で配布しました。その処方は口伝とされ、調剤は長男だけに許されていました。救命丸の評判が広がると、多くの人の求めに応じるため、各地に取次所を設けて販売するようになりました。江戸時代中期には、徳川御三卿の一つ、一橋家に献上を始めましたが、将軍を輩出する当家ではお世継ぎを大切にしていたため、当時大人が飲んでいた救命丸を、子供の健康のために飲ませていました。明治の中期には、新しく構築された問屋ルートに載って全国に販売されるようになりました。 同時に、当時小児の健康状態が悪いのを憂え、主に成人が飲んでいた救命丸を、小児専門の薬として販売することにしました。同時に製品名も、「金匱救命丸」から「宇津救命丸」と改名しました。
創業以来、400年近く宇津救命丸だけを製造販売してきましたが、30年ほど前から小児用のかぜ薬を始めとする各種の小児薬をラインナップし、現在は小児専門の総合医薬品メーカーとなっています。

宇津救命丸 119粒
第2類医薬品
1,026円(税込)
直径2ミリの小さな粒、配合生薬のすぐれた作用により乳幼児特有の「疳」といわれる症状におだやかな効きめを現します。

宇津救命丸 247粒
第2類医薬品
1,998円(税込)
直径2ミリの小さな粒、配合生薬のすぐれた作用により乳幼児特有の「疳」といわれる症状におだやかな効きめを現します。



宇津救命丸金粒 103粒
第2類医薬品
1,512円(税込)
配合生薬のすぐれた作用により乳幼児特有の「疳」といわれる症状におだやかな効きめを現します。14才のお子さままで幅広い年齢層にご使用いただけます。

宇津救命丸「糖衣」
第3類医薬品
1,244円(税込)
飲みやすい糖衣でコーティング。配合生薬のすぐれた作用により乳幼児特有の「疳」といわれている精神的症状や肉体的症状におだやかな効きめを現します。



宇津こどもかぜ薬A 12包
指定第2類医薬品
1,069円(税込)
お子さまのかぜの諸症状に効果のあるすぐれた成分を配合した飲みやすいイチゴ味のかぜ薬です。

宇津ジュニアかぜ薬A 65錠
指定第2類医薬品
1,102円(税込)
小学生、中学生のための総合感冒薬です。すぐれた6種類の成分に、キキョウとカンゾウを配合しかぜの諸症状の緩和に効果的です。飲みやすい小さな糖衣錠です。



株式会社東京甲子社
東京甲子社は1943年(昭和18年)に誕生し、2013年には創業70周年を迎えます。「ホータイのいらない液状絆創膏」でおなじみの「コロスキン」は、60数年をの歴史を持つ商品です。創業当初、コロスキンをはじめ62品目を製造しており、コロスキンの名称は、1934年(昭和9年)に商標の出願をしましたが、名称の由来は、戦争により資料が焼失し詳細は明らかでありません。いくつかの説がある中で、「コロジオン(傷口に塗ると耐水性の被膜を作る成分の名)の被膜(スキン)」という解釈が、現在のコロスキンの形態、使用の目的にも適っています。
コロスキンは、愛用者がはがれにくくするための方法を見つけ、その情報を友人に広めていることが、現在まで多くの人に愛されている要因といわれています。また、プロ野球選手が指の爪が割れないように、マニキュアの代用品としてコロスキンを使用しているなど、様々な場面で使用されています。創業以来70年に渡り現在も主力製品として愛され、多くの皆様に喜ばれていますが、コロスキンだけでなく各種製品についてお寄せいただく「使ってよかった」といったお客様からの声が誇りであり、ずっと大事にしているとのことです。

コロスキン
第3類医薬品
950円(税込)
小切傷・すりきず・さかむけ(ささくれ)・あかぎれなどにぬると一瞬しみますが、透明な膜を作り、傷をホコリやバイキンから守ります。被膜は炊事、洗濯などの水仕事でもはがれにくい。

エクテマクリーム
第3類医薬品
972円(税込)
ひじ、ひざ、かかとのカサカサに20%尿素配合皮膚軟化剤。



エキシウクリーム 30g
1,944円(税込)
ニオイ発生の原因である発汗と細菌に対して、収れん(制汗)作用と殺菌作用によりニオイの元を抑えます。ミョウバン結晶を含む4種類の収れん成分を配合。

エキシウ S 38mL
1,728円(税込)
ニオイ発生の原因である発汗と細菌に対して、収れん(制汗)作用と殺菌作用によりニオイの元を抑えます。スプレータイプで携帯にも便利です。



山崎帝國堂
同社のルーツは、明治21年に創業者である山崎嘉太郎が開設した東京市神田区花房町の「山崎帝國堂薬房」。嘉太郎は、銀行・広告会社等の経営にも参加していましたが、特に売薬化粧品商に力を入れ、次々に事業を拡張。全国に多数の特約代理店を持つようになりました。昔も今も、山崎帝國堂を代表する製品といえば、便秘薬の『複方毒掃丸』。明治26年の新聞広告には「腹内毒掃丸」=「どくさうじぐあん」という名称で、1ヶ月で全治保証の新薬として売り出され、別名 「一月丸」=「ひとつきぐわん」ともよばれていたことが書かれています。処方の由来は、江州香川家の家伝薬「香川解毒剤」からのものといわれています。効能は 梅毒、そう毒、しつ毒、りん毒、たい毒他多数でした。その後、昭和20年代から便秘等を効能とした処方となる等、時代に合わせた進化を遂げ、現在に至ります。『複方毒掃丸』のパッケージには、虎のマークが描かれていますが、これは勇猛な虎が「すべての毒」を一声で取り除いてくれるようにとの強い願いを込めたもので、当時「毒掃丸」と命名した創業者の「毒」の危険に対するまっすぐな気持ちと、「体に悪いものを出す」という考えを色濃く継承しています。

複方毒掃丸 180丸
第2類医薬品
513円(税込)
複方毒掃丸は、6種類の生薬すべてが、日本薬局方の規格に適合する原料を配合したおだやかな便秘治療薬です。小さな丸薬で3歳のお子様からお年寄りの方まで症状に合わせて服用量を調節できます。

複方毒掃丸 1260丸
第2類医薬品
2,376円(税込)
複方毒掃丸は、6種類の生薬すべてが、日本薬局方の規格に適合する原料を配合したおだやかな便秘治療薬です。小さな丸薬で3歳のお子様からお年寄りの方まで症状に合わせて服用量を調節できます。



複方毒掃丸 2700丸
第2類医薬品
3,780円(税込)
複方毒掃丸は、6種類の生薬すべてが、日本薬局方の規格に適合する原料を配合したおだやかな便秘治療薬です。小さな丸薬で3歳のお子様からお年寄りの方まで症状に合わせて服用量を調節できます。

新ドクソウガンG 168錠
指定第2類医薬品
2,160円(税込)
センノシドを主成分とし、さらに日本薬局方の規格に適合する4種類の生薬を配合した穏やかな錠剤の便秘治療薬です。5歳のお子様からお年寄りの方まで症状に合わせて服用量を調節できます。



ドクソウガンE 便秘薬 30錠
指定第2類医薬品
583円(税込)
すぐれた効果が認められているセンノシドを主成分とし、さらに日本薬局方の規格に適合する生薬のサンキライとカンゾウを配合した15歳以上向けの便秘治療薬です。

新ビホナエース クリーム 20g
第2類医薬品
2,160円(税込)
白癬菌などに対して長い時間にわたって殺菌効果を示すビホナゾールを配合。通常1日1回の塗布により効果をあらわし、さらに、たまらないかゆみを抑える4つの成分をプラスした治療剤です。



ユースキン製薬
ユースキン製薬は、神奈川県川崎市に本社を置くメーカーです。ロングセラー商品『ユースキンA』をはじめとした、スキンケア製品(医薬品、医薬部外品、化粧品)の製造販売を行っています。 『人々の皮膚の健康と美に役立つ高品質で長く愛される製品を提供することにより、うるおいのある社会づくりに貢献します』という経営理念のもと、‘本当にお客様にとって必要とされるものは何か’を常に心がけ、こだわりを持って、お客様の声を大切にしています。
『ユースキンA』は、1955年に創業者、野渡良清が営む薬局へ、ひどくひび割れた手に悩んでいた婦人が訪れたことがきっかけで開発されました。「肌あれに効いて、ベタつかないクリームをください。」と来店されたのですが、当時その婦人が望むようなハンドクリームはなく、“ベタつくハンドクリーム”を渋々購入されていきました。しかしそんな声になんとかお応えしたい、と研究を重ねたのち、1957年に黄色いハンドクリームが誕生しました。効果は口コミでお客さまに広がっていきました。母から子へ、友達から友達へ、お店からお客さまへ。何度かの改良を経て『ユースキンA』は今に続くロングセラーとなりました。

ユースキンA120g
1,339円(税込)
皮ふのひび・あかぎれ・しもやけを治し、うるおいのある肌へ導くビタミン系クリームです。顔から全身まで使用できるクリームなので、乾燥の気になる部分の日々のケアにもおすすめです。

ユースキンI 110g
第3類医薬品
1,361円(税込)
肌にふわっとなじみ、広範囲にすばやく塗ることができる、新感触の医薬品クリームです。5つの有効成分でかゆみを止めるだけでなく、3つの保湿成分が肌にうるおいを与えます。



ユースキンメディリップ 8.5g
第3類医薬品
1,188円(税込)
くちびるのひび割れや皮むけを治す、ビタミンB2(黄)色の医薬品リップクリームです。

薬用ユースキンS クリーム70g
1,382円(税込)
乾燥肌、敏感肌をやさしく守るさらっとなめらかなクリームです。うるおい成分「しその葉エキス」を配合。カサカサに乾いた肌が、しっとりとうるおいます。



ユースキン あせもクリーム
第3類医薬品
758円(税込)
有効成分グリチルレチン酸が炎症を抑え、クロタミトン・ジフェンヒドラミンがかゆみを止め、イソプロピルメチルフェノールがバイ菌の繁殖を抑えて、症状の悪化を防ぎます。

ユースキン セヌール
378円(税込)
手が届きにくい背中のスキンケアをサポートする便利グッズ。スポンジ部分にクリームやローションを伸ばして孫の手のように使います。



龍角散
鎮咳去痰薬『龍角散』は、今から約200年前、東北地方有数の武家であった秋田藩20万5千石の藩薬として使用されていました。秋田藩代々の藩医であった藤井家の玄淵によって藩薬として文政年間に創製されたのです。2代目藤井玄信は蘭学を学び、漢方薬のベースに西洋生薬を取り入れて改良しました。さらに、明治初期の著名な医者でもあった3代目藤井正亭治(ふじい しょうていじ)が、藩主である佐竹義堯侯の藩医であった時、藩主の持病であった喘息を治すため長崎で蘭学を修めて帰藩し、藩薬の龍角散を喘息の処方に改良し、龍角散処方の基礎を確立したとされています。ちなみに「龍角散」の薬名が付けられたのもこの時期。処方に、龍骨・鹿角霜・龍脳が使われたことに由来します。
「ゴホン!といえば龍角散」のキャッチフレーズで全国の人々に親しまれてきた龍角散は、 現在の龍角散 約200年にわたって“日本のノド”を守ってきました。環境や生活様式がめまぐるしく変化する現代において、多くの方々からいただいた信頼を21世紀に伝えるために、「温故知新」こそが新しいと考えています。

龍角散 43g
第3類医薬品
1,512円(税込)
キキョウ・セネガの有効成分サポニン配糖体が、気管内面からの粘液の分泌を高め、線毛運動を活発にしてタンをとり去り、セキを鎮め炎症をやわらげます。

龍角散ダイレクト スティックピーチ
第3類医薬品
756円(税込)
のどのあれ・不快感をやわらげるお薬です。いつでもどこでも、水なしで服用できる顆粒タイプなので、生薬成分が患部に直接作用します。



龍角散ダイレクトトローチマンゴー 20錠
第3類医薬品
648円(税込)
微粉末にした生薬を配合した唯一のトローチです。生薬成分がのどの粘膜に直接作用し、弱ったのどの働きを回復させます。爽やかな味のトローチです。

おくすり飲めたね チョコレート味 100g
324円(税込)
薬の味やにおいをしっかりガードするゼリー状のオブラート。薬の服用が苦手の方でもラクに飲むことができます。



嚥下補助ゼリー200g
378円(税込)
薬の味やにおいをしっかりガードするゼリー状のオブラート。薬の服用が苦手の方でもラクに飲むことができます。

漢方薬服用ゼリーコーヒーゼリー風味 200g
378円(税込)
漢方薬を飲むのが苦手な人に。飲むときにゼリーにかき混ぜて使用。漢方薬がラクに飲むことができます



■日本家庭薬協会 加盟会社(五十音順)
【あ行】
秋山錠剤株式会社 株式会社浅田飴 株式会社アラクス 株式会社池田模範堂
イスクラ産業株式会社 イチジク製薬株式会社 イワキ株式会社 うすき製薬株式会社
宇津救命丸株式会社 株式会社うどんや風一夜薬本舗 エーザイ株式会社 エムジーファーマ株式会社
株式会社近江兄弟社 大木製薬株式会社 大草薬品株式会社 株式会社太田胃散
株式会社オーヤラックス 奥田製薬株式会社 株式会社奥田又右衛門膏本舗
【か行】
株式会社カイゲン 株式会社金井藤吉商店 株式会社加美乃素本舗 株式会社亀田利三郎薬舗
河合製薬株式会社 株式会社キタニ 救心製薬株式会社 協和新薬株式会社
株式会社金冠堂 株式会社恵命堂 啓芳堂製薬株式会社 小林製薬株式会社
小林薬品工業株式会社
【さ行】
剤盛堂薬品株式会社 株式会社阪本漢法製薬 佐藤製薬株式会社 株式会社サンクロン
サンスター株式会社 参天製薬株式会社 三宝製薬株式会社 株式会社霜鳥研究所
白石薬品株式会社 信州製薬株式会社 翠松堂製薬株式会社 有限会社盛大堂製薬
ゼネル薬品工業株式会社
【た行】
大幸薬品株式会社 大東製薬工業株式会社 大日本除虫菊株式会社 株式会社大和生物研究所
株式会社立石春洋堂 玉川衛材株式会社 株式会社田村治照堂 田村薬品工業株式会社
株式会社丹源 丹平製薬株式会社 チベン製薬株式会社 株式会社ツムラ
株式会社東京甲子社 陶陶酒製造株式会社 株式会社トキワ漢方製薬 常盤薬品工業株式会社
株式会社トクホン
【な行】
長倉製薬株式会社 長野県製薬株式会社 日廣薬品株式会社 ノーエチ薬品株式会社
【は行】
原沢製薬工業株式会社 久光製薬株式会社 株式会社ヒサヤ大黒堂 七ふく製薬株式会社
日の丸漢方株式会社 日野製薬株式会社 樋屋製薬株式会社 福井製薬株式会社
福地製薬株式会社 双葉製薬工業株式会社 フマキラー株式会社 報国製薬株式会社
ホーユー株式会社 北海道水産工業株式会社 有限会社 本町薬品
【ま行】
町田製薬株式会社 摩耶堂製薬株式会社 無臭元工業株式会社 森下仁丹株式会社
株式会社守田治兵衛商店
【や行】
ユースキン製薬株式会社 株式会社雪の元本店 株式会社山崎帝國堂 養命酒製造株式会社
横山製薬株式会社 米田薬品株式会社
【ら行・わ行】
株式会社龍角散 ロート製薬株式会社 株式会社和歌の浦井本薬房 わかもと製薬株式会社
和光堂株式会社 ワダカルシウム製薬株式会社

こちらもチェック!『家庭薬ロングセラーの秘密─昔も今もこれからも"日本の元気"を守る家庭薬』
家庭薬は時代の流れの中で、暮らしの味方となり、家庭の生活を守る常備薬としてロングセラーの地位を築き上げてきました。本書は、なぜ家庭薬がこれほど多くのロングセラー商品を生み出してきたのか?その秘密はどこにあるのか?などを一般の方にも楽しめるように、豊富な写真や図版を使用してわかりやすく説明しています。

第1章の「家庭薬ロングセラー物語」では34社のロングセラー商品が興味をひく内容で紹介され、第2章では家庭薬の懐かしい販促品、店頭広告物等、第3章では全国家庭薬協議会会員100社の創業年と同時代の社会事象がコンパクトに紹介されています。第4章の「家庭薬の現代と未来」では、牧田潔明氏(全国家庭薬協議会会長)、堀正典氏(東京都家庭薬工業協同組合理事長)、柴田仁氏(大阪家庭薬協会会長)、藤井隆太氏(東京都家庭薬工業協同組合情報協業化委員会委員長)の4氏による座談会が、コラム形式でまとめられています。さらに、第5章の「家庭薬データ集」では、全国家庭薬協議会会員の企業概要が掲載されています。
全国の書店で販売されていますので、ぜひ手に取ってみてください。
・編著:家庭薬研究会
・協力:全国家庭薬協議会
・発行:薬事日報社
・定価:2,057円(税込)
・A5判 144ページ フルカラー