からころ×e健康ショップ 連動企画!
2016年6月20日
教えて!健康アイテムの選び方
【第5回】介護食
今回のテーマは、誰でもおいしく手軽に食べられる「介護食」です。
介護食メーカーの担当者に選び方のポイントをお伺いします!
Q.介護食って、どんなもの?
やわらかくて、小さく、食べやすい食品です。ベビーフードと違うのは、ダシをしっかり使い、すこし濃い目の味付けをしているところ。全国のスーパーマーケットやドラッグストアなどで販売しています。
ただ、病気治療向けの食品と思われたり、レトルトは手抜きと思われるからと、存在は知っていても利用しない方も多い。介護の負担を軽減してくれるはずなので、ぜひ気軽に取り入れてもらいたいです。ふだん料理をされない方も、便利に使ってもらえます。
おおよそ1年半は保存しておけるので、非常時用にストックしておくのもおすすめ。ただし、冷凍するととろみややわらかさの度合いが変わることがあるので、注意してください。
Q2.どんな種類がある? 選び方のポイントは?
2000年から「ユニバーサルデザインフード」という、介護食品協議会に加盟する各メーカーで共通した基準を使っています。これは、食べやすさの指標です。かむ力と飲み込む力で区分しています。
●「ユニバーサルデザインフード」の区分表
「ユニバーサルデザインフード」の区分表
区分1 容易にかめる 区分2 歯ぐきでつぶせる 区分3 舌でつぶせる 区分4 かまなくてよい
かむ力の目安 かたいものや大きいものはやや食べづらい かたいものや大きいものは食べづらい 細かくてやわらかければ食べられる 固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安 普通に飲み込める
ものによっては飲み込みづらいことがある 水やお茶が飲み込みづらいことがある 水やお茶が飲み込みづらい
食品のかたさの目安 ごはん~やわらかごはん
焼き魚
厚焼き卵 やわらかごはん~全がゆ
煮魚
だし巻き卵 全がゆ
魚のほぐし煮(とろみあんかけ)
スクランブルエッグ ペーストがゆ
白身魚のうらごし
やわらかい茶碗蒸し(具なし)
まずは、召し上がる方の区分がどれなのか把握しましょう。その上で、パッケージ表面の表示を参考に選んでみてください。
●ぴったりの「ユニバーサルデザインフード」選びフローチャート
ぴったりの「ユニバーサルデザインフード」選びフローチャート
以下の中に1つでも当てはまることがある
・かたいもの(肉や繊維質の野菜など)がかみきれなくなった
・むせやすくなった(ときどき、むせることがある)
・口が乾きやすくなった
・歯の治療中である
家族と一緒の食事を食べてください
かむことに重度の障がいがある。
または、水やお茶が飲み込みにくい
医師や専門家にご相談ください
普通~やわらかめのごはんが食べられる
おかゆが食べられる
大きいもの※が食べられる ※一口で食べ切れないもの
一口大のものなら食べられる
食べ物がふつうに飲み込める
細かいもの(みじん切り程度)なら食べられる
※引用元:日本介護食品協議会ホームページ(一部改変)
Q3.使い方のポイントは?
「食事の楽しさ」を感じてもらえるように、ひと工夫していただきたいです。
たとえば、そのまま出すのではなく、ネギや三つ葉などを添えると、華やかな一品に。盛り付ける器を季節に合わせて変えてみるのもいいですね。
また、パンや野菜など、一般的な食材を加えてのアレンジもおすすめです。豆腐に白身魚のペースト食をかけ、わさび醤油で食べると、かまぼこの味わいになりますよ。メーカーのHPなども参考にしながら、ぜひ楽しんでみてください。
加齢や一時的な歯の痛みによって、かむ力や飲み込む力が弱くなると、食べるものに偏りがでたり、量が減ったり、栄養が不足することがあります。この低栄養の状態は、筋力の低下や、活動量の減少につながり、さらに食べなくなるという悪循環を生みます。
介護食をうまく使い、できるだけ自分の口で食事をおいしく食べ、栄養をとる。そのことが健康の維持につながるはずです。
選び方のポイント
食べる人の状態を把握し、「区分」にあわせて選ぶ。
1 「おいしく」「楽しく」食べられるものを選ぶ
食事は生活の質を保つ、とても大切な行為。かむ力や飲み込む力が弱まって、食欲が減退してしまう場合も多いです。召し上がる方の好きなメニューやデザートなど、おいしく食べてくれるものを見つけてください。
2 栄養面を強化した商品もチェックしてみる
特定の栄養素を増強した商品もあります。パッケージの表裏に記載があるので、不足している栄養素があれば、取り入れてみましょう。
3 手を加えて食べやすくする
食べにくいときは、開封前に指でつぶしたり、食べながらスプーンの背でつぶしたり、とろみ剤を併用したり、工夫してください
e健康ショップオススメの介護食
【区分1】 容易にかめる
【区分2】 歯ぐきでつぶせる
【区分3】 舌でつぶせる
【区分4】 かまなくてよい