ホーム  >  介護・栄養と食事コラム  >  介護コラム15[ユニバーサルデザインフード]

管理栄養士がお届けする介護コラム「栄養と食事」近年、高齢者の低栄養(栄養不足)が原因で起こる様々な心配が増えてきています。 このコラムでは、高齢者や介護現場で必要な知識や役立つ情報を発信していきます。 食事のバランスと質を考えて食生活を見直し、健康的な生活を送りましょう。

2015.4.17更新

Vol.15 ユニバーサルデザインフード

このような表示をみたことはありますか?
これはユニバーサルデザインフードのマークです。

ユニバーサルデザインフードとは、日本介護食品協議会が命名した、介護食品の名称です。日常の食事から介護食まで幅広く使える、食べやすさに配慮した食品です。種類も様々で、レトルト食品やゼリーなどの常温食品、冷凍食品、とろみ調整食品などの乾燥食品などがあります。
ユニバーサルデザインフードのパッケージには、必ず のマークがついていて、食品の「かたさ」や「粘度」により4つの区分に分類されており、その方に合ったものを選びやすくなっています。

●区分1 容易に噛める
【噛む力の目安】 かたいものや大きいものは、やや食べづらい
【飲み込む力の目安】 飲み込みに問題なし
食材の特徴・・・普通の食事にもっとも近い形状・かたさ、具材は大きめ

●区分2 歯茎でつぶせる
【噛む力の目安】 かたいものや大きいものは食べづらい
【飲み込む力の目安】 ものによっては飲み込みづらいことがある
食材の特徴・・・区分1に比べて少しやわらかい、具材にある程度の大きさがある

●区分3 舌でつぶせる
【噛む力の目安】 細かくてやわらかければ食べられる
【飲み込む力の目安】 水やお茶が飲み込づらいことがある
食材の特徴・・・区分2よりもやわらかく、口の中でまとまりやすいように粘性にも配慮している、具材をさらに小さくカット

●区分4 噛まなくてもいい 
【噛む力の目安】 固形物は小さくても食べづらい
【飲み込む力の目安】 お茶や水が飲み込みづらい
食材の特徴・・・ペースト状やゼリー状など固形物を含まない均質な状態 
その方の病態や症状、嚥下障害の度合いなどによって、どの区分に該当するかを、下のようなフローチャートで確認することができます。
またユニバーサルデザインフードとして売られているレトルト食品に少し手を加えることで、手作り感を出したり見た目を変えたりと、飽きがくることなく美味しく食べることができます。たとえば、レトルト食品の「肉じゃが煮」を卵で包む、「かぼちゃのクリームスープ」に茹でたマカロニを入れてグラタン風にするなどで、いつものレトルト食品とは違う味を楽しむことができます。

このほかに、食べものや飲み物にとろみをつけて口の中でまとまり飲み込みやすくするために、「とろみ調整」マークの表示もあります。この表示があるとろみ調整食品は、メーカー間で表示を統一して下のような4段階で示されています。

介護食でも、ユニバーサルデザインフードのマークがついていない食品もたくさんあります。
その方の嚥下・咀嚼能力や好みなどに応じた形状のものを選び、少しづつ口に入れてきちんと噛めているか、うまく飲み込めているかを確認するようにしましょう。

★見た目や味などメーカーごと特徴が!

明治やわらか食ごろっと野菜 チキンクリームシチュー(100g)
270円(税込)
【区分1】35g以上の野菜をおいしくとれるやわらか食です。

やわらか洋食 かぼちゃのクリームスープ(100g)
162円(税込)
【区分2】かぼちゃ、人参、たまねぎ、鶏肉などの具材がたっぷり入ったスープです。


やさしい献立 鶏と野菜のシチュー(100g)
194円(税込)
【区分1】やわらかく仕上げた鶏肉を玉ねぎ、にんじんなどとじっくり煮込んだシチュー。

やさしくラクケア とろとろ煮込みのクリームシチュー(80g)
184円(税込)
【区分4】じゃがいも、にんじん、鶏肉をすりつぶし、とろとろになるまで煮込みました!