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専属薬剤師監修のオリジナル記事「知っておきたいセルフメディケーションコラム」健康管理には、日頃から適度な運動と栄養バランスのよい食事に気をつけ、しっかりと睡眠時間をとり、自然治癒力を高めることが大切です。 かぜや軽いケガなどの軽度な体調不良は、OTC医薬品(一般用医薬品)を利用して、自分で手当てすること(セルフメディケーション)も健康管理に役立ちます。体との関係を知って上手に取り入れましょう。

2017.6.15

第41回 お薬の説明書(添付文書)の読み方

お薬を購入した時、箱の中に添付されている説明書を「添付文書(てんぷぶんしょ)」と言います。 添付文書は、医薬品を正しく使用する上で大切な情報を記載した文書で、ここに記載されている内容をよく守って使用することにより、お薬の効能・効果が発揮され、副作用の防止にもつながります。通常はお薬の箱の中に添付されていますが、ドリンク剤などの容器やお薬の外箱に直接印字されているものもあります。 使用する前には必ずよく読み、読み終わっても捨ててしまわないで、必要な時に読めるように大切に保管をしておきましょう。
添付文書1

添付文書はどんな時に必要?

お薬の効果が十分に発揮でき、副作用を防ぐために使用前に読んでいただくことは重要ですが、添付文書の通りに一定期間使用しても改善傾向が見られない場合や、症状の悪化が見られた時、副作用と思われる症状が現れた場合には使用をやめ、速やかに医師や薬剤師に相談する必要があります。医師や薬剤師は、その薬に「どのような成分」が「どのくらい」配合されているかといった情報を元に判断をしますので、添付文書を見せて相談しましょう。同じブランドでもシリーズなどによって成分や配合量が異なることがありますので、正確な情報を伝えるためにも必ず持参しましょう。また、お薬の飲み合わせによって様々な影響が出ることもありますので、使用している全てのお薬の添付文書(処方せんでもらった薬の場合はお薬説明書やお薬手帳)を持参してください。

添付文書に記載されている主な項目

お薬の添付文書には、記載が義務付けられている項目が、統一された順番で記載されています。医療用医薬品の添付文書は、専門職である医師や薬剤師に向けて記載されているため難しい専門用語が並んでいますが、市販薬の添付文書は購入者にも分かりやすい言葉で書かれています。しかし、中には難しい専門用語が使われている場合もありますので、ご不明な点は薬剤師に確認してから使用しましょう。
 改定年月 

重要な注意事項などの記載内容が変わった時の改定年月が記載されます。継続的に使用されている方でも、使用上の注意が変わったので、再度お読みくださいという主旨です。

 薬効名 

お薬の薬効を表す名称が記載されています。

 使用上の注意 

使用前に知っておくべき事が重要性の高い順に記載されています。主に下記の内容について記載されています。

(1)副作用のリスクが高まるため、その薬を使用してはならない人や、薬を使用している間は併用してはならない薬 

市販薬だけでなく、医療機関で処方された薬も入っているので、事前に専門家に相談することも大切です。

(2)薬を使用している期間中の重要な生活上の注意 

乗り物または機械類の運転など危険操作の禁止や授乳に関する注意など

(3)作用の発現リスクが高いため、使用前に専門家に相談する必要がある人 

妊婦、授乳婦、高齢者、アレルギーを起こしやすい人、高血圧、心臓病の人など

(4)副作用 

予測される副作用が部位別に記載されています。もしこのような症状が現れた場合は、副作用の可能性がありますので、直ちに使用を中止し専門家に相談する必要があります。また、相談に際しては、どの薬を使用しているのか専門家が把握できるように、添付文書を持参するようにしましょう。

(5)重篤な副作用 

ごくまれに発現の恐れのある重篤な副作用の名称と、その初期症状が記載されています。もし、記載されているような症状に気付いたら使用を中止し直ちに医師の診療を受けることが重要です。この場合も、適切な処置を受けるために、医師に添付文書を見せる必要があります。

(6)その他の相談すべき注意事項 

配合されている薬の成分によっては、口の渇きや便秘などの症状が一時的に現れることがあります。このような症状が現れた場合は、直ちに使用を中止する必要はありませんが、症状が続いたり強くなる場合には、やはり使用を中止し、専門家に相談しましょう。

 効能効果 

薬の効能効果が記載されています。自分の症状に合っていることを確認します。

 用法用量 

・年齢毎の用量が書かれています。
・15歳未満の用量用法が書かれていない薬は、15歳未満の人は使ってはいけません。
・15歳未満の人が使っても良い薬では、それぞれの年齢に合わせた量など使い方が明記されています。
・副作用を防ぐためにも年齢に合った用法用量を守りましょう。

 成分 

配合されている成分と分量が記載されています。また、原則として含まれている全ての添加物が記載されていますので、アレルギーを起こしやすい人は、必ず確認してください。

 取扱い上の注意 

お薬の品質を落とさないための取り扱い上の注意や、保管上の注意事項が記載されています。

 消費者相談窓口 

問い合わせ部署名、受付時間が記載されています。

添付文書 例

添付文書1
添付文書2