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管理栄養士がお届けする食の健康コラム

2014.9.12更新

Vol.10 秋が旬の食材

いよいよ“食欲の秋”がやってきました。最近はりんごなど1年中スーパーで売られている商品も多いですが、でもやはり旬のものは一年で一番おいしく食べられる時です。今回は、代表的な食材の選び方や栄養素の特徴などをご紹介します。新鮮なものの特長を知って、ぜひお店で見かけたときは、よりおいしいものを選んで秋の味覚を楽しんでくださいね。

なす(秋ナス)

夏のなすは水分がたっぷり含まれておりみずみずしさを味わえ、秋のなすは果肉がギュッとしまり食感がよいのが特徴で、季節ごとに違った味わいを楽しむことができます。とりたてて優れた栄養はありません。油との相性がよく、スポンジのような果肉が油を吸って旨味を増します。そしてあの鮮やかな紫色は、ポリフェノールの一種であるナスニンといわれる色素で、コレステールを下げたり、動脈硬化を防ぐ作用があるといわれています。
選び方
●実がふっくらとしており、首までしっかりと太っているもの
●ヘタの上の切り口がみずみずしく、色は黒く、筋が見え、ガクにあるトゲが痛いくらいのものが新鮮
●皮の色は濃く、ツヤがあって光っているもの
●触るとハリと弾力があり、ずっしりと重量感のあるもの
★調理のポイント
アクが強く、切り口が空気にふれると変色しやすいため、皮をむいたり切るなどしたら、軽く塩を切り口に振り出てきた水気をふくか、塩水につけるなどすると旨みが抜けません。

かぼちゃ

旬は7~12月。収穫のピークは夏ですが、採れたてのものは甘みが弱く栄養価も少なめ。貯蔵によりでんぷんが糖に分解されて甘みが増すため、食べごろは秋から冬にかけてです。
かぼちゃに多く含まれるベータカロテンは、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫機能を高めたり、視力を正常に保つ働きがあります。他には、ビタミンCやビタミンEが豊富に摂れ、冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないといわれています。ベータカロテンは、油との相性がよいため炒めるなどすると吸収率が高くなります。

選び方
●緑色が濃く、見た目以上にずっしりと重みがあり、表面にツヤがあるもの
●ヘタが枯れて乾き、まわりがくぼんでいるものが完熟している証拠
●カット売りを買う時は、果肉の色が濃く、種がしっかり詰まっていて、ワタが乾燥していないもの
★調理のポイント
かぼちゃのビタミンCはでんぷんで包まれているため、加熱による損失が少ないのが特徴です。また皮や周縁部は、果肉の部分より栄養価が高く、皮つきのまま調理する方がおすすめです。

里芋

芋の中ではもっとも低カロリー。独特のぬるぬるとした粘性の成分は、ムチン、ガラクタンやマンナンなどです。「ムチン」には胃の粘膜を保護して潰瘍などを予防し、細胞を活性化して老化を遅らせる働きがあり、「ガラクタン」は食物繊維の一種で、血糖値やコレステロール値を下げ、生活習慣病の予防に役立つといわれています。また、「マンナン」はコンニャクにも多く含まれる水溶性の食物繊維で、便通をよくして肥満を防止するとされています。他にビタミンB1も多く、ビタミンCやカルシウムも含まれます。
選び方
●泥つきで、左右対称でコブやひび割れがなく、皮に必要以上の湿気がないもの
●ふっくらと丸みがあり重みを感じ、表面に傷がないもの
★調理のポイント
生のサトイモに触れるとかゆく感じるのは、細胞に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が皮膚に付着して刺激するためです。酢で指先をぬらしておくとかゆみが予防できます。

秋になると和菓子や洋菓子、栗ごはんなど色々なところで見かけます。栗はでんぷん(糖質)を多く含み、疲労回復に役立つビタミンB1や免疫力を高めたりコラーゲンの合成を助けるビタミンCを多く含みます。栗に含まれているビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくいという特徴があり、便秘改善効果のある食物繊維も多く含まれています。また体内から塩分を排出し高血圧の予防となるカリウムも豊富に含まれています。渋皮に大量に含まれるタンニンは強力な抗酸化作用、老化予防作用を持っています。
選び方
●鬼皮が褐色で、張りと光沢があり、ふっくらと太ったもの
●殻にしわがある、傷がついている、黒く変色している、穴が開いているものは古い

サンマ

秋の味覚といえば、やっぱりコレ!という方は多いのではないのでしょうか。
動脈硬化や高血圧などを予防するとされているEPAやDHAが豊富に含まれています。EPAは主に血管をやわらかくしたり血小板が固まるのを防ぐ働きがあり、DHAは脳細胞を活発化し記憶力低下防止に役立つとされています。また血合いには貧血や口角炎、口唇炎予防となるビタミンB2が多く含まれています。焼き魚の焦げにある発がん物質は、大根の根が含むアミラーゼが分解してくれるため、焼き魚にはたっぷりの大根おろしがおすすめです。
選び方
●頭から背中にかけて盛り上がり、ツヤがあって厚みがある(もの)
●魚は内臓から悪くなるので、お腹が硬いサンマの方が新鮮
●黒目の周りが濁ってなく、透明で澄んでいる
●尻尾を持った時、一直線に立つものが新鮮
★調理のポイント
グリルで焼き魚にするとEPAやDHAの脂がたくさん逃げてしまうため、フライパンで焼いたりホイル蒸しにすると損失が少なくなります。

カツオ(戻り鰹)

鰹の旬は春と秋の年2回あり、春、黒潮にのって太平洋岸を北上する時期に漁獲されたものを 「初鰹」、秋、水温の低下に伴い南下してきたところを漁獲したものを「戻り鰹」 と呼びます。戻り鰹は初鰹と違いエサをたっぷりと食べているため、魚体も一段と大きくしっかりと脂がのって 「トロ鰹」とも呼ばれています。
たんぱく質が非常に多く、血合いのところには、ビタミンB12、ナイアシン、鉄を多く含んでいます。とくに赤血球の生成を助け悪性貧血を予防したり、神経の働きを支えるビタミンB12は、魚類の中ではトップクラスです。ナイアシンは、血行をよくしたり二日酔いのもととなるアセトアルデヒドが分解されるときに必要なものです。戻り鰹は脂がたっぷり乗っていますが、その中心はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といった不飽和脂肪酸です。脂を効率よくとるなら、“たたき”がおすすめです。
選び方
●切り身で買う場合は、血合いの部分がきれいな薄紅色で鮮やかなもの
●丸ごと一匹なら、エラが赤く、表面のしま模様がくっきりしているのが新鮮で美味しい
★調理のポイント
にんにくと一緒に食べると、にんにくの風味がかつおの旨みをひきたてます。またにんにく・ねぎ・たまねぎの香り成分は、かつおに含まれるビタミンB1の吸収を助け疲労回復に働くため、これらの薬味と一緒にいただきましょう。

「柿が色づくと医者が青くなる」といわれるように、柿は豊富なビタミンCをはじめ、ビタミンB1やビタミンB2、カリウムや食物繊維などが豊富です。柿の橙色は、ベータカロテンによるものです。柿には渋味の元であるシブオールとアルコールデヒドロゲナーゼという酵素があり、これらがアルコールを分解する働きをもっています。さらにカリウムも多いため利尿作用が働き二日酔いによいといわれていますが、干し柿にするとこの酵素は消えてしまいます。
選び方
●4枚のヘタと果実に隙間が無く、ヘタが実にはり付いているような感じのもの
●色が均一で、赤く鮮やかな色でずっしりと重いもの
●丁度よい硬さのもの
★調理のポイント
柿は生で食べるのが一般的ですが、大根などと和えた“なます”がよく知られています。これは彩りもよいうえ、互いのビタミンCを損いません。

りんご

1年中売られているりんごですが、旬は秋です。整腸作用のある水溶性食物繊維のペクチン、利尿作用のあるカリウムが多く含まれ、昔から下痢や便秘などのときには、りんごのすりおろしがよいといわれています。すりおろしたりんごは食物繊維が細かくなっており、腸に負担がかからないためおなかにやさしいと考えられています。ペクチンは皮と実の間に多く含まれているので、皮ごと丸かじりしたり、皮もいっしょにすりおろすなどするとよいです。
選び方
●果皮が赤く染まり傷ついておらず、軸が太くて果皮に張りとツヤがあるもの
●大きさは中くらいがよく、重みのあるもの
★調理のポイント
切ったりんごは切り口が茶色っぽく変色します。これはりんごに含まれるポリフェノールの一種であるエピカテキンやクロロゲン酸が酸化することによるものです。これを防ぐには塩水やレモン水などに浸けると抑えることができます。

ぶどう

ぶどうは上の部分にある粒が一番甘く、次に下の方が甘く、真ん中部分が一番甘味が弱くなります。ぶどうの栄養は大半が糖分で、ブドウ糖と果糖が多いです。少量ですがカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルも含まれています。ぶどうの皮や種にはアントシアニンやレスベラトロール、タンニンなどのポリフェノールが多く含まれています。これらは強い抗酸化力をもつもので、動脈硬化やがんの予防が期待されています。またアントシアニンは、目の周りの血流をよくし、眼精疲労をやわらげるなど視機能を改善する働きがあるといわれています。
選び方
●ぶどうの粒の表面に白い粉がついているのが新鮮
●鮮やかな色で、大きさのそろった粒が密に房にしっかりついている
●時間が経ち鮮度が落ちたものは、ぶどうの粒が落ちやすくなり枝が黒ずんでいる

☆今回は取り上げませんでしたが、他に秋鮭やいわし、さつまいも、梨、かりん、いちじくも秋が旬です。
秋の焼きさんまごはん
さんまときのこと調味料だけでできる、秋らしい炊き込みごはんです。紅しょうがとねぎで味にアクセントを出しています♪少し手間がかかりますが、それだけ美味しい料理です。
秋の焼きさんまごはん
【材料】4~6名【調理時間】準備約40分と炊飯時間
さんま:2尾
しいたけ:3枚
米:3合
だし:540cc
酒:大さじ2
しょうゆ:大さじ2
みりん:大さじ1
青ねぎ:適量(多めがおすすめ)
紅しょうが:適量(多めがおすすめ)

【つくり方】
  1. 米をといでざるにあげる。30分程だし汁に浸水させておく。しいたけは薄切り、青ネギは小口切り。紅しょうがは粗くみじん切りにしておく。
  2. さんまを塩焼きにして両面をこんがりと焼き、塩焼きを食べる要領で身をほぐして中骨と小骨をとりのぞく。
  3. (1)にしいたけ、酒、しょうゆ、みりんを加え、ひと混ぜし、(2)のさんまを上に広げて炊く。
  4. (3)が炊き上がったら、青ねぎ、紅しょうがを加えてさっくり混ぜる。

★手軽に秋を楽しもう!

銀座ろくさん亭 鮭めし(2人前)
378円(税込)
麹の旨味をきかせた料亭こだわりの味、まぜごはんのもと。ごはんにまぜるだけです!

ポタベジ おいしいかぼちゃのほっこりポタージュ(15.5g)
248円(税込)
かぼちゃの本来の味を楽しんで頂くために、香辛料を使用せず豆乳でやさしい味わいに。


入れ炊く 国産さんま合わせだし仕立て(225g)
378円(税込)
ぶつ切りにしたさんまが入った炊き込みごはんの素です。研いだお米に入れて炊くだけ!

やわらかほしいも(120g))
254円(税込)
素朴なおいしさのなかにほしいも独特の風味がギュッとつまっています。


長期保存用 美味しいなすのおみそ汁(7g) 
151円(税込)
色鮮やかななすのとろっとした食感が味わえます。製造後3年6ヵ月の長期保存用!

笑い栗(120g)
324円(税込)
ほくほく感、山栗本来の黄色にこだわり、栗のおいしさそのまま。皮がはじけてむきやすい!


ひとくち市田柿スティック(30g)
324円(税込)
甘味料や保存料も一切添加していない天然素材100%の干し柿スティックです。

マービー りんごジャム 瓶詰タイプ(230g)
540円(税込)
国産りんごをたっぷり使った砂糖不使用ジャム。カロリーを砂糖品に比べ40%カット!